経営の健全性・効率性について
経常収支比率については、平均値を上回り増加傾向にあるが、老朽施設・管路の更新や増加が見込まれる修繕費等の財源確保のため、更なる費用の削減、経営状況の改善が必要である。累積欠損比率については、平成30年度において未処理欠損金は解消され、本年度も黒字になったため累積欠損比率については、昨年同様0.00%で推移している。流動比率については、本年度も100%を超えているものの類似団体に比べ低い状況である。今後、管路・施設更新による起債の増加が見込まれるため、注意が必要である。企業債残高対給水収益比率については、類似団体より低く推移しているが、管路及び施設の計画的な更新を進めていくため、起債の借入が増加していくと予想され注意が必要である。料金回収率については、令和2年度、新型コロナウィルス対策として基本料金の免除を実施し、免除分を他会計補助金(営業外収益)として計上したため、給水収益が減少し当指標が低下した。令和3年度も引き続き減免を実施する。給水原価については、類似団体より下回っているが、今後、建設改良費の増加に伴い減価償却費及び支払利息等、経常費用の増加が見込まれるため注意が必要である。施設利用率については、対前年度8.53%増加しているが、給水人口の減少に伴い当指標の低下が見込まれるので、浄水施設の利用方法を検討していきたい。有収率については、対前年度6.85%低下し、平均値を大きく下回っている。配水量の増加が原因となっており、令和2年度に策定した基本計画を基に管路更新を行い、有収率を向上させていきたい。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率及び管路経年化率については上昇傾向が続いており、平均値を大きく上回っていることからも、適正な規模の投資が実施できていない状況である。ただし、流動比率が低いことから、更新事業の財源が十分ではないとも考えられるため、料金改定を含めた財源確保について検討する必要がある。
全体総括
法定耐用年数以上の資産が多く、今後、健全経営を維持するためにも管路及び施設設備等の更新が必須である。令和2年度策定の基本計画及び経営戦略を基に更新を実施していくためには、料金改定を含め財源確保について検討していく必要がある。