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市税の増収などから基準財政収入額は前年度より増加したが、基準財政需要額の増加により、財政力指数は4年連続低下した。しかし、財政力指数は、類似団体、全国平均に比べ高い水準にあることから、概ね安定した水準にあると判断する。今後も引き続き、歳出削減に取り組むとともに、市税等の更なる収納率向上に向けた対策に取り組み、市税等の歳入確保に努める。
市税は増となったものの、人件費、扶助費、公債費などの経常経費充当一般財源も増加したため、経常収支比率が前年度と比較して2.1ポイント上昇した。今後も引き続き、経常経費の更なる縮減を図るとともに、市税等の収納率向上及び滞納額の縮減対策に取り組み、歳入の確保に努める。
人件費は、人事院勧告の影響などにより前年度と比較して増加したが、物件費が、電算用機器購入費などの減などにより減少したことから、人口1人当たり人件費・物件費等の決算額は前年度と比較して減少した。今後も物件費等の更なる削減に取り組む必要がある。
類似団体平均を僅かに上回っているものの、全国市平均と同水準にあり、適正な水準にあると判断する。今後とも引き続き、国に準じた措置を講じるなど、給与の適正化に努める。※ラスパイレス指数は、前年度数値を引用している。
合併以降、勧奨退職や退職者の不補充、また消防業務の広域化などの取り組みにより、職員数は大幅に減少し、人口千人当たりの職員数は類似団体平均、全国平均を下回っている。今後も引き続き定員適正化計画に基づいた取り組みを進める。
実質公債費比率は、公債費から控除される基準財政需要額が増加したことから、平成29年度の単年度比率が前年度より0.7ポイント低下の3.9%となり、3か年平均でも前年度に比べ0.4ポイント低下し、前年度に引き続き、類似団体平均、全国平均を下回った。今後も引き続き、起債発行及び公営企業会計への繰出の抑制に努め、比率の更なる改善を図る。
公営企業債繰入見込額の減少及び充当可能基金の増加などにより、将来負担比率は7年連続で「-」(比率なし)となった。今後も計画的な財政運営を進め、将来負担額の縮減等に努める。
人件費は人事院勧告の影響により前年度から増加したものの、合併以降、勧奨退職や退職者不補充、消防業務の広域化などの定員削減に取り組んできた結果、職員数の大幅な減少により、人件費は類似団体平均と比べて低い水準にある。今後も引き続き人件費の抑制に努める。
物件費に係る経常収支比率は、近年増加傾向にあり、平成29年度は若干改善したものの全国平均を上回る結果となった。主な要因として、電算用機器購入費などの減などにより、物件費総額では減少したため、前年度より0.3ポイント改善した。今後は、事務事業の必要性や効果を検証し、効果の低い事務事業については、これまで以上に、積極的に廃止・縮小を進めるなど、徹底した歳出削減に取り組む必要がある。
障害者自立支援給付費や私立保育所運営費等の増加により、扶助費に係る経常収支比率が前年度に比べ増加したが、類似団体平均とはほぼ同水準を維持している。今後も引き続き、事業の必要性や効果を検証し、効果の低い事業については、積極的に廃止・縮小を進めるなど、扶助費の削減に努める。
各種団体に対する補助金は、これまでから削減に取り組んできたが、依然として下水道事業会計や病院事業会計への補助金、北はりま消防組合への負担金などが多額であるため、補助費等に係る経常収支比率は高い水準にある。今後も引き続き、企業会計及び一部事務組合への補助金・負担金の抑制に努める。
公債費に係る経常収支比率は、類似団体平均と比べ低い水準を維持しているが、庁舎建設事業などの大型事業の元金償還が始ったことから、今後、公債費は増加していく見込みにある。そのため、これまで同様、起債発行の抑制に努めていく。
公債費以外に係る経常収支比率は、類似団体平均と比べほぼ同水準にあるが、依然として補助費等に係る比率が高い水準にあり、補助費等の経費縮減はこれまでから大きな課題である。引き続き、徹底した歳出削減に取り組むとともに、特に企業会計及び一部事務組合に係る補助金・負担金の抑制に努める。
(増減理由)・小中一貫校整備等の大型事業を予定しているため、財政調整基金を3億円取り崩し、市税の増収分と合わせて、公共施設整備基金に6.5億円積立を行った。また、有線テレビ施設撤去工事に充当するため、地域情報化基金を0.9億円取り崩し、基金全体では、約5億円の増となった。(今後の方針)・基金の使途の明確化を図るために、財政調整基金を取り崩して個々の特定目的基金に積み立てていくことを予定している。・短期的には「公共施設整備基金」への積み立てにより微増の予定であるが、小中一貫校整備等の大型事業を予定しており、中長期的には大きく減少する見込みである。
(増減理由)・公共施設整備基金への積み立てにより、3億円取り崩したが、前年度決算剰余金による積み立てとの差し引きで、前年度より1.2億円減少した。(今後の方針)・普通交付税の合併算定替による特例措置の適用期限終了の影響による財源不足のため、、中長期的には、毎年の取り崩しが見込まれ、減少する見込み。・基金の使途の明確化を図るために、財政調整基金を取り崩して個々の特定目的基金、特に、小中一貫校整備等の事業を予定しているため、公共施設整備基金を中心に積み立てていく。
(増減理由)・基金利子分のみの積み立てを行ったことにより増となった。(今後の方針)・積極的な積み立ては行わず、将来の突発的な起債の繰り上げ償還等に備え、基金利子分のみの積み立てを継続する。
(基金の使途)・公共施設整備基金:公共施設の整備の資金に充てるため・地域振興基金:市民の連帯の強化及び地域振興を図るため・福祉基金:福祉事業に要する資金に充てるため・災害対策基金:自然災害及び大規模な火災や突発重大事故等の人為的災害から住民の生命と財産を守るためにその予防対策、復旧対策、復興対策等を円滑に推進するため・地域情報化基金:地域情報化の施設整備及び運営に要する資金に充てるため(増減理由)・公共施設整備基金に、財政調整基金の取り崩し及び市税の増収分を合わせて6.5億円の積み立てを行った。また、有線テレビ施設撤去のため0.9億円を取り崩したことから、5.7億円増となった。(今後の方針)・小中一貫校整備等の公共施設整備のため、中長期にわたり、公共施設整備基金を取り崩す予定としており、総額は減少していく見込み。
平成29年度の有形固定資産減価償却率は、全国平均及び兵庫県平均を下回っているものの、類似団体平均を上回っている。市内には、老朽化した施設が多く、将来の公共施設等の修繕や更新等に係る財政負担を軽減するため、公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設等の集約化・複合化を進めるなどにより、施設保有量の適正化に取り組む。
将来負担比率については、公営企業債等繰入見込額の減少や、充当可能基金の増加により、年々改善しており、算出されない状態が続いている。有形固定資産減価償却率が示すように、老朽化した施設の更新により、今後10年間では若干の数値の上昇が見込まれる時期があるものの、健全な比率を維持できると試算している。
財政の健全化を進めてきた結果、実質公債費比率及び将来負担比率については、年々減少傾向にあり、健全な状態を維持している。今後、施設の更新に伴う市債発行により公債費が増加することから、実質公債費比率については徐々に上昇するものと推計しているが、引き続き健全な比率を維持できると見込んでいる。
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