伊丹市:交通事業

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経営比較分析表(2019年度)

経営の健全性について

〇事業の状況について①経常収支比率は100%を維持しており、経営活動による収入で、当期の運転資金をまかなえていることを示しています。②営業収支比率は、他団体との比較で低く前年度よりも低くなっています。これは、超過勤務手当の増に伴う人件費の増加および全国相互利用サービス対応バスICカードシステム更新事業や局庁舎の大規模改修工事により多額の除却費を計上したことによるものです。今後、人口の減少に合わせ適切な業務量を模索するなど人件費の抑制に努め、数値の改善を図る必要があると考えています。③流動比率は、200%以上あり短期的な支払能力は十分と言えます。しかし、職員の退職に備える退職給付引当金が年々増加していることで負債額が大きくなり経年比較で減少傾向となっていることには注意が必要であると考えています。④累積欠損金比率は、他団体との比較で低くなっています。少しづつではありますが減少傾向を維持しゼロを目指していきたいと考えています。〇独立採算の状況について他団体と比較して⑥利用者1回当たり運行経費は低くなっているので、一定程度効率的に運行できていると考えています。一方、⑤利用者1回当たり他会計負担額、⑦他会計負担比率とも高い数値となっています。これは、一般会計との負担区分の明確化の取組から、市民の移動手段となっている採算性の低いバス路線維持のための路線補助を受けているためです。〇資産及び負債の状況について⑧企業債残高対料金収入比率は大幅に増加しています。これは、全国相互利用サービス対応バスICカードシステム構築事業や局庁舎の大規模改修工事などの大きな事業により企業債発行額が増加したためです。それに対し⑨有形固定資産減価償却率は、それらの事業により大幅に改善しています。今後も経営戦略に基づき計画的な施設の更新が必要であると考えています。

経営の効率性について

走行キロ当たりの指標は、各地域ごとの路線網やバス停間の距離の違いによって大きく影響されるため比較検討する際には注意が必要であると考えています。当市は、他の事業所と比較して、運行系統ごとの路線長や、バス停間の距離が短い路線が多く、これらの数値は高くなる傾向にあります。①走行キロ当たりの収入は民間事業者と④乗車効率は他団体と比較して、路線長やバス停間の距離が短い路線に多くの乗客が集中することがあるために平均より高くなっています。②走行キロ当たりの運送原価③走行キロ当たりの人件費は、①④と同じ理由で、また狭隘路線があることもあり低速又は停車していることが多く燃料消費が多いため平均より高くなっています。とはいえ、②を押し上げている原因は③にあることは確実であり、超過勤務手当をはじめとする人件費の抑制について、業務量の縮小を含めた経営改善が必要であると考えています。

全体総括

「伊丹市交通事業経営戦略(平成28年3月策定)」の計画4年目である本年度は、全国相互利用サービス対応バスICカードシステム、空港線専用車両として伊丹エアポートライナーを導入し更なる利便性の向上に努めるとともに、局庁舎の大規模改修工事が竣工するなど、さまざまな取り組みを行いました。一方、収入の根幹である乗車料収入について、年度途中まで前年度を上回っていましたが、年度終盤からは新型コロナウィルス感染症の影響により大きく減少しました。かろうじて黒字は確保できたものの経営戦略における財政計画上の純利益は大きく下回っており次年度以降の影響は大きいことが想定できます。次年度は経営戦略前期アクションプランの最終年度となりますが、各指標の分析結果を踏まえ業務量も含めた見直しを検討をする必要があると考えています。

類似団体【】

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