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千早赤阪村
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人口の減少や高齢化率(令和4年度末46.76%)の上昇に加え、村内に中心となる産業がないこと等により、財政基盤が弱く、財政力指数は年々減少している。令和3年度に策定した千早赤阪村過疎地域持続的発展計画のもと過疎対策に向けた事業の実施に取り組んでいる。
令和4年度の経常収支比率は前年度と比較して0.2ポイント悪化した。主な要因としては、同比率の分母となる経常一般財源等が普通交付税算定額の増加等による影響で対前年比1.4%伸長したのに対し、分子となる経常経費充当一般財源等も過疎対策事業債償還金の増加を要因とする交際費の増額等による影響から同比2.5%伸長し、分母の増加率以上に分子の増加率が大きかったためである。類似団体内平均値よりも2.4ポイント低くなっているが、今後も新規借入と償還金のバランスを考慮していく。
人件費、物件費及び維持補修費の合計額の人口1人当たりの金額は、類似団体内平均を大きく下回ってるが、人件費、物件費及び維持補修費の合計額は前年度比で63百万円増加し、数値が増加した。本村は、ピーク時の人口(7,697人(昭和60年国勢調査))以降、毎年100人程度減少し続けており、引き続き、財政規模に応じた職員数と事務コストの削減に注力していく。
ラスパイレス指数は96.6と、前年度比較では0.6ポイント減少し、類似団体内平均値を2.1上回った。平成22年度から平成24年度まで、行政経営戦略プランに基づき、特別職及び一般職の給与カットを実施し、また平成15年度以降9年間は新規採用を行っていなかったが、近年は30~40歳代の中途採用者を低階層で採用していたことから、給与水準が下がり、ラスパイレス指数が低下した。今後も引き続き人事院勧告等の動向を踏まえ、適正な給与水準を維持するように努める。
人口1,000人当たり職員数は15.33人と前年度比較では0.44人増加した。平成29年度までは、定員適正化計画に基づき、職員数の抑制に取り組んできたため、類似団体内平均値より数値は下回っていたが、近年は住民ニーズの多様化・複雑化により、職員数の抑制は困難となったことから、平成30年以降の数値が悪化した。令和4年度は、退職者数に対し採用者数が多く、職員数が2名増員し、人口も100人減少したことから数値が微増した。引き続き、退職者数に応じた採用を行う等、財政規模に対して適切な職員数の確保に努める。
実質公債費比率は8.0と、前年度比較では0.1ポイント減少し、類似団体内平均値を1.2ポイント上回った。同比率が18.0%を超えていた平成23年度以降は、投資的な事業を控え、地方債の新規発行を抑制したことにより償還が進み、現在は数値が改善している状況にある。ただし、本村は平成26年度に過疎地域と公示されてから、交付税算入率が高く、財政上メリットがある過疎対策事業債を積極的に活用しており、近年は償還額が増加傾向にあることから、今後は新規発行額と償還額の状況を注視する必要がある。
将来負担比率は、例年同様、充当可能財源等が将来負担額を上回っており、令和4年度もマイナス値となっているが、令和3年度から令和5年度にかけて実施する新庁舎建設事業や個別施設計画に基づく各施設の統廃合や改修には、地方債や公共施設等整備基金を活用する予定であることから、将来負担額の悪化が見込まれる。今後は、地方債残高の推移を注視しつつ自主財源の確保に努める。
令和4年度の人件費に係る経常収支比率は29.6%で、前年度と比較して0.2ポイント減少した。主な要因としては、人件費が全体に占める割合が前年度より0.2%減少したことによるものである。依然として類似団体内平均値よりも高いことから、今後も定員管理の適正化に努める。
令和4年度の物件費に係る経常収支比率は15.4%であり、前年度と比較して0.6ポイント減少した。平成29年度から令和元年度までは、毎年約1.0ポイントずつ上昇傾向にあったが、令和2年度から会計年度任用職員制度の開始により、非常勤職員へ支払っていた賃金が人件費に移行したために減少している。ただし、依然として類似団体平均値を上回っており、今後も経費節減に努めていく必要がある。
令和4年度の扶助費に係る経常収支比率は4.5%で、前年度と比較して0.1ポイント増加し、類似団体内平均値を1.9ポイント上回っている。人口は減少傾向にあるが、高齢化の進行や子育て支援施策の拡充などにより、今後も社会福祉関係経費の増加が見込まれることから、給付の適正化等に取り組み、また、国の制度改革の動向等に関する情報収集を徹底し、国庫支出金等の特定財源の確保に努める。
令和4年度のその他に係る経常収支比率は、前年度より0.2ポイント増加し、類似団体内平均値よりも1.3ポイント上回っている。これは介護保険特別会計への繰出金が増加したことによる。今後、利用料や保険料等の見直しを行うとともに、国庫支出金等の特定財源確保を徹底し、また特別会計の経営改善を求め、一般会計の負担が減少するように努める。
令和4年度の補助費等に係る経常収支比率は3.6%であり、前年度と比較して0.1ポイント増加したが、類似団体内平均値を大きく下回ってる状態が続いている。引き続き、補助内容や効果の検証を行い、財政の適正な運営に努める。
令和4年度の公債費に係る経常収支比率は16.1%で、前年度と比較して0.6ポイント増加し、類似団体内平均値を1.6ポイント下回っている。投資的な事業を抑制し、地方債の新規発行を控えてきたため、令和元年度以外は類似団体内平均値を下回っている。ただし、本村は平成26年度に過疎地域と公示されてから、交付税算入率が高く、財政上メリットがある過疎対策事業債を積極的に活用しており、近年は公債費も増加傾向にあることから、引き続き、新規借入と償還のバランスを考慮し健全な財政運営に努める。
令和4年度の公債費以外に係る経常収支比率は64.4%であり、前年度と比較して0.4ポイント減少した。経常収支比率全体では、令和4年度は80.5%となり、前年度と比較して0.2ポイントの増加となったが、各項目の微減が公債費以外の数値が微減した主な要因である。類似団体内平均よりも0.8ポイント低くなっているが、各項目欄で前述したとおり、改善に努めていく。
(増減理由)・令和4年度の基金残高は、普通会計で2,369百万円となっており、前年度から179百万円の増加となっている。・歳入歳出差額を積み立てたことにより財政調整基金が大幅に増加したことが主な要因である。(今後の方針)・新庁舎建設、ロープウェイの廃止、公共施設の老朽化対策など、今後の財政需要の増大にも適切に対応していけるように一定額を確保していくことを予定している。
(増減理由)・令和4年度に増加しているのは、歳入歳出差額54百万円を積み立てたことが主な要因である。・令和3年度に増加しているのは、歳入歳出差額141百万円を積み立てたことが主な要因である。・令和2年度に増加しているのは、前年度決算剰余金11百万円を積み立てたことが主な要因である。(今後の方針)・近年は新型コロナウイルス感染症対策や災害などの不測の事態に対する迅速かつ柔軟な対応が求められている中、本村においては新庁舎建設、ロープウェイの廃止、公共施設の老朽化対策などの財政需要の拡大が見込まれるため、今後も決算剰余金などを継続的に積み立てを行っていく方針。
(増減理由)・令和4年度に減少しているのは、繰上償還に24百万円充当したためである。(今後の方針)・公債費負担を抑制する観点からも基金を活用しながら起債残高を圧縮していく方針である。ただし、近年は国の金融緩和政策により金利低下局面にあることから、繰上償還による経済的メリットが享受できるかどうかを慎重に判断した上で行っていく。
(基金の使途)公共施設等整備基金:村の庁舎及び公の施設の整備に充当。ふるさと応援基金:ふるさと納税制度を活用して寄せられた寄附金を村の活性化等応援事業に充当。教育施設整備基金:村の学校教育施設の整備に充当。森林環境譲与税基金:木材利用の促進や普及啓発等の森林整備及びその促進に必要な事業に充当。(増減理由)公共施設等整備基金:新庁舎整備事業への充当により、133百万円を取り崩した一方、今後発生が見込まれる老朽化対策として311百円積み立てたことによる増加。ふるさと応援基金:寄附金事業に係る経費や応援事業への充当により38百万円を取り崩した一方、寄附金を7百万円積み立てた。森林環境譲与税基金:森林環境整備事業へ12百万円取り崩した一方で、森林環境譲与税や基金利息を13百万円積み立てたことによる増加。(今後の方針)公共施設等整備基金:新庁舎建設事業やロープウェイの廃止、公共施設の老朽化対策などに対し基金を活用することから、今後は残高が減少していく見込み。ふるさと応援基金:積み立てた寄附金を応援事業の財源として積極的に活用していく。また、寄附金額が年々減少しており、ふるさと応援寄附金事業の見直しが必要。令和4年度から地域活性化起業人制度を活用し返礼品等の発掘に注力する。教育施設整備基金:学校整備の財源として必要に応じて活用していく。森林環境譲与税基金:森林整備事業等の財源として事業計画に沿って活用していく。
本村では、令和3年度に改定した公共施設等総合管理計画で公共施設等の延床面積の削減目標を掲げていない。令和元年度までは新たな設備投資を抑制した結果、類似団体と比べ、公共施設の施設の老朽化は進んでいる。今後の対策として、公共施設の長寿命化や周辺市町との広域化などを検討し、総量を増やさず現在の資産を有効に活用することを検討する。
債務償還比率は、令和元年度以降類似団体平均を上回っている。主な要因としては、平成26年度より財政運営上メリットのある過疎対策事業債(ソフト事業債)の借入を行ったことが要因と考えられる。過疎対策事業債の償還期限は、3年据え置きの12年償還で平成30年度から元金の返済が発生しており、類似団体平均より債務償還費率が悪化している。今後は、セグメント分析の実施を検討し、経常的なコストの抑制に取り組む。
将来負担比率については、平成28年度以降発生していないが、有形固定資産減価償却率は類似団体平均値よりも高い数値が続いている。有形固定資産減価償却率は上昇傾向にあるが、主な要因としては、昭和30年代に建設された役場庁舎・小学校・中学校が、いずれも有形固定資産減価償却率80%以上になっていることが挙げられる。公共施設等総合管理計画に基づき、今後、老朽化対策に積極的に取り組んでいく。
将来負担比率については平成28年度以降発生していない。実質公債費比率は類似団体と比較して高い水準にあり、近年横ばいとなっている。平成30年度以降、類似団体平均値を下回っていたが、令和3年度から、過疎対策事業債の据置期間が終了し、元金償還が増え、数値が上昇したと考えている。将来負担比率の上昇は実質公債費比率の上昇に繋がることから、今後起債発行額の抑制に努めていく。