27:大阪府
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千早赤阪村
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財政力指数は前年度より0.01減少しており、類似団体内平均値よりも0.05高い。本村は大阪府という大都市にある唯一の村で、山間地域を多く有し、開発が抑制される市街化調整区域が村域の95%以上を占めている。人口流出や少子高齢化による生産年齢人口の減少に歯止めがきかず、また、主要産業や企業数が少ないことから村税が年々減少している(ピーク時人口:7,697人(昭和60年国勢調査)、令和2年国勢調査人口:4,909人)。移住定住施策や企業誘致施策等、魅力ある施策を推進し、人口や自主財源の維持に努める。
経常収支比率は90.0%と、前年度と比較して4.1ポイント改善したが、類似団体内平均値を4.8ポイント上回った。改善要因としては、経常一般財源等において、地方交付税の算定項目に地域社会再生事業費が新設されたことや、包括算定経費の増額等により、普通交付税収入額が大幅に増加した影響が大きい。また、経常経費充当一般財源等においても、地区補助金や社会福祉協議会補助金等の補助費等が大幅に減少したことにより、全体で8百万円減少したことが改善の要因となっている。依然として類似団体内平均値よりも数値が高いが、新規借入と償還金のバランスを考慮し、公債費の抑制に努め、一般財源を伴う事業の見直し並びに手数料改定等による自主財源の確保に努めていく。
人件費・物件費等は273,412円と前年度比較では15,457円増加した。本村は、ピーク時の人口(7,697人(昭和60年国勢調査))以降、毎年100人程度減少し続けている。人口規模が小さくなれば事務コストは割高になっていくが、今後も人口減少が見込まれる中、人口1人当たりの人件費・物件費コストは今後も上昇していくことが予想されることから、さらなるコスト削減や事務事業の見直し等に努める。
ラスパイレス指数は97.2と、前年度比較では2.0増加し、類似団体内平均値を2.9上回った。平成22年度から平成24年度まで、行政経営戦略プランに基づき、特別職及び一般職の給与カットを実施し、また平成15年度以降9年間は新規採用を行っていなかったが、近年は30~40歳代の中途採用者を低階層で採用していたことから、給与水準が下がり、ラスパイレス指数が低下した。令和2年度は、経験年数が長く、平均よりも俸号給が低い職員が退職したことなどの理由により数値が改善している。今後も引き続き人事院勧告等の動向を踏まえ、適正な給与水準を維持するように努める。
人口1,000人当たり職員数は14.57人と前年度比較では0.53人減少した。平成29年度までは、定員適正化計画に基づき、職員数の抑制に取り組んできたため、類似団体内平均値より数値は下回っていたが、近年は住民ニーズの多様化・複雑化により、職員数の抑制は困難となったことから、平成30年以降の数値が悪化した。令和2年度は、人事交流による国や大阪府からの派遣職員の期間満了や急な退職などにより職員数が6名減員したことから数値が改善している。今後は、退職者数に応じた採用を行う等、財政規模に対して適切な職員数の確保に努める。
実質公債費比率は7.5%と、前年度比較では0.3ポイント減少し、類似団体内平均値を0.5ポイント下回った。同比率が18.0%を超えていた平成23年度以降は、投資的な事業を控え、地方債の新規発行を抑制したことにより償還が進み、現在は数値が改善している状況にある。ただし、本村は平成26年度に過疎地域と公示されてから、交付税算入率が高く、財政上メリットがある過疎対策事業債を積極的に活用しており、近年は起債発行残高が増加傾向にあることから、今後は新規発行額と償還額の状況を注視する必要がある。
将来負担比率は、例年同様、充当可能財源等が将来負担額を上回っており、令和2年度もマイナス値となっているが、令和3年度から令和5年度にかけて実施する新庁舎建設事業は、起債や公共施設等整備基金を活用する予定であることから、将来負担額の悪化が見込まれる。今後は、地方債残高の推移を注視しつつ自主財源の確保に努める。
令和2年度の人件費に係る経常収支比率は34.2%で、前年度と比較して0.7ポイント減少した。主な要因としては、人事交流による大阪府からの派遣職員の期間満了や急な退職などにより職員数が6名減員したことなどによるものである。依然として類似団体内平均値よりも高いことから、今後も定員管理の適正化に努める。
令和2年度の物件費に係る経常収支比率は18.8%であり、前年度と比較して1.5ポイント減少した。平成28年度から令和元年度までは、毎年約1.0ポイントずつ上昇傾向にあったが、令和2年度は会計年度任用職員制度の開始により、非常勤職員へ支払っていた賃金が人件費に移行したために減少している。ただし、依然として類似団体平均値を上回っており、今後も経費節減に努めていく必要がある。
令和2年度の扶助費に係る経常収支比率は4.7%で、前年度と比較して0.1ポイント増加し、類似団体内平均値を1.7ポイント上回っている。人口は減少傾向にあるが、高齢化の進行や子育て支援施策の拡充などにより、今後も社会福祉関係経費の増加が見込まれることから、給付の適正化等に取り組み、また、国の制度改革の動向等に関する情報収集を徹底し、国庫支出金等の特定財源の確保に努める。
令和2年度のその他に係る経常収支比率は、前年度より0.6ポイント減少し、類似団体内平均値よりも2.4ポイント上回っている。国民健康保険特別会計(事業勘定)において、新型コロナウイルスの影響による医療の受診控えなどから保険給付費が減となり、繰出金が減少したことによる。今後、利用料や保険料等の見直しを行い、国庫支出金等の財源確保を徹底するとともに特別会計の経営改善を求め、一般会計の負担額を減らすように努める。
令和2年度の補助費等に係る経常収支比率は3.4%であり、前年度と比較して1.2ポイント減少し、類似団体内平均値を大きく下回ってる状態が続いている。引き続き、補助内容や効果の検証を行い、財政の適正な運営に努める。
令和2年度の公債費に係る経常収支比率は16.4%で、前年度と比較して0.2ポイント減少し、類似団体内平均値を2.3ポイント下回っている。投資的な事業を抑制し、地方債の新規発行を控えてきたため、平成28年度から平成30年度までは類似団体内平均値を下回っている。ただし、本村は平成26年度に過疎地域と公示されてから、交付税算入率が高く、財政上メリットがある過疎対策事業債を積極的に活用しており、近年は起債発行残高が増加傾向にあることに伴って公債費も増加傾向にあることから、引き続き、新規借入と償還のバランスを考慮し健全な財政運営に努める。
令和2年度の公債費以外に係る経常収支比率は73.6%であり、前年度と比較して3.9ポイント減少したが、類似団体平均値を7.1ポイント上回っている。経常収支比率全体では、令和2年度は90.0%となり、前年度と比較して4.1ポイント減少したものの、依然として類似団体内平均値よりも4.8ポイント高い水準にある。また、人件費で6.8ポイント、物件費で5.1ポイント数値が高く、大きな乖離が生じていることから、各項目欄で前述したとおり、改善に努めていく。
(増減理由)・令和2年度の基金残高は、普通会計で2,060百万円となっており、前年度から12百万円の減少となっている。・前年度繰越金や基金利子の積立などにより財政調整基金や減債基金が増加した一方、新庁舎建設関係経費による公共施設等整備基金の取り崩しが主な要因である。(今後の方針)・新庁舎建設、ロープウェイの廃止、公共施設の老朽化対策など、今後の財政需要の増大にも適切に対応していけるように一定額を確保していくことを予定している。
(増減理由)・令和2年度の基金残高は普通会計で896百万円となっており、前年度から12百万円の増加となっている。・令和元年度に大きく減少しているのは、収支不足を補うために財政調整基金を1億5千万円取り崩したことが主な要因である。・令和2年度においては、前年度決算剰余金11百万円及び基金利子0.6百万円を積み立てたことが要因である。(今後の方針)・近年は新型コロナウイルス感染症対策や災害などの不測の事態に対する迅速かつ柔軟な対応が求められている中、本村においては新庁舎建設、ロープウェイの廃止、公共施設の老朽化対策などの財政需要の増大が見込まれるため、今後も決算剰余金などを継続的に積み立てを行っていく方針。
(増減理由)・令和2年度の基金残高は普通会計で276百万円となっており、前年度から1百万円の増加となっている。・令和2年度においては基金利子0.2万円を積み立てたことにより増加した。(今後の方針)・公債費負担を抑制する観点からも基金を活用しながら起債残高は圧縮していく方針である。ただし、近年は国の金融緩和政策により金利低下局面にあることから、繰上償還による経済的メリットが享受できるかどうかを慎重に判断した上で行っていく。・令和4年度において、既存借入の繰上償還に充当するため約23百万円を取り崩す方針。
(基金の使途)公共施設等整備基金:村の庁舎及び公の施設の整備に充当。ふるさと応援基金:ふるさと納税制度を活用して寄せられた寄附金を村の活性化等応援事業に充当。教育施設整備基金:村の学校教育施設の整備に充当。森林環境譲与税基金:木材利用の促進や普及啓発等の森林整備及びその促進に必要な事業に充当。(増減理由)公共施設等整備基金:新庁舎整備事業への充当による基金残高が29百万円減少した。ふるさと応援基金:寄付金事業に係る経費や応援事業への充当により9百万円を取り崩した一方で、寄附金や基金利息を10百万円積立てたことより増加。森林環境譲与税基金:森林環境整備事業へ5百万円取り崩した一方で、森林環境譲与税や基金利息を10百万円積立てたことによる増加。(今後の方針)公共施設等整備基金:新庁舎建設事業に対し基金を活用することから、今後は残高が減少していく見込み。ふるさと応援基金:積み立てた寄附金を応援事業の財源として積極的に活用していく。教育施設整備基金:学校整備の財源として必要に応じて活用していく。森林環境譲与税基金:森林整備事業等の財源として事業計画に沿って活用していく。
本村では、令和3年度に改定した公共施設等総合管理計画で公共施設等の延床面積の削減目標を掲げていない。令和元年度までは新たな設備投資を抑制した結果、類似団体と比べ、公共施設の施設の老朽化は進んでいる。今後の対策として、老朽化が著しい庁舎の建替えや、公共施設の長寿命化などを検討し、総量を増やさず現在の資産を有効に活用することを検討する。
債務償還比率は、令和元年度以降類似団体平均を上回っている。主な要因としては、平成26年度より財政運営上メリットのある過疎対策事業債(ソフト事業債)の借入を行ったことが要因と考えられる。過疎対策事業債の償還期限は、3年据え置きの12年償還で平成30年度から元金の返済が発生しており、類似団体平均より債務償還費率が悪化している。今後は、セグメント分析の実施を検討し、経常的なコストの抑制に取り組む。
将来負担比率については、平成28年度以降発生していないが、有形固定資産減価償却率は類似団体平均値よりも高い数値が続いている。有形固定資産減価償却率は上昇傾向にあるが、主な要因としては、昭和30年代に建設された役場庁舎・小学校・中学校が、いずれも有形固定資産減価償却率80%以上になっていることが挙げられる。公共施設等総合管理計画に基づき、今後、老朽化対策に積極的に取り組んでいく。
実質公債費比率は類似団体と比較して低い水準にあり、近年横ばいとなっている。将来負担比率については平成28年度以降発生していない。実質公債費比率は平成30年度以降、類似団体平均値を下回っているが、過疎対策事業債の据置期間が終了し、今後元金償還が増えることから、数値が上昇していくと考えられる。将来負担比率の上昇は実質公債費比率の上昇に繋がることから、今後起債発行額の抑制に努めていく。