経営の健全性・効率性について
平成31年4月から地方公営企業法の適用を受けましたので、令和元年度が法適用後最初の決算年度になります。また、令和元年度から消費税及び地方消費税を10%外税で転嫁しています。③流動比率は、令和元年度52.12%と、100%を下回っていて1年以内に支払うべき債務に対して支払い可能な現金等が不足していることになりますが、流動負債には企業債が含まれており、返済の原資として使用料や繰入金から得ることを予定しているので、負債超過という状態ではありません。④企業債残高対事業規模比率は、1,159.80%で、類似団体平均値719.63%と比較して、企業債残高が約1.6倍あるということになります。近年の集中豪雨に対応するため、雨水整備事業を積極的に行っていることが原因の一つです。ただし、雨水の企業債は、一般会計からの繰入金を財源として支払われるので、下水道事業(汚水)としての企業債残高が類似団体と比較して特に多いという状態ではありません。①経常収支比率、⑤経費回収率、⑥汚水処理原価、⑧水洗化率は、類似団体平均値並みであります。
老朽化の状況について
平成24年度から平成27年度まで山崎ポンプ場の雨水関係設備について長寿命化及び更新工事を実施し、平成30年度にストックマネジメント計画を作成しました。また、管渠につきましては、耐震診断した結果、修繕の必要はありませんでした。①有形固定資産減価償却率、②管渠老朽化率、③管渠改善率が、類似団体平均値と比較して低いのは、管渠等の下水道事業施設が更新時期に到達していないためです。
全体総括
平成23年1月検針分から下水道使用料の改定を行い、経費回収率もおおむね70%を超えるようになり、公営企業法適用後の令和元年度は90%を超えました。現在は建設後50年を超える管渠は無いものの、3年後には約0.8%、10年後には約4.0%の管渠が建設後50年を超えることから、老朽化対策が必要になります。平成30年2月に平成30年度から平成33(令和3)年度を計画期間とする「島本町公共下水道事業財政健全化計画」を作成しました。下水道事業の財政状況を注視し、企業債の発行抑制や経費削減に努めます。なお、令和2年度に経営戦略を策定予定です。