地域において担っている役割
へき地医療を担う地域の中核病院として、地域包括ケアシステムの一役を担うため入院・外来の積極的な受け入れや訪問診療の実施など持続的な医療提供の確保を図っています。また、急性期病院の後方支援病院として患者が住みなれた地域で安心して暮らせることを念頭に本院としての役割を果たすために、関係医療機関との連携を図っています。
経営の健全性・効率性について
平成28年度に新改革プランを策定し市民サービスの更なる向上と経営改善に取り組むこととしています。その中で院外処方について平成30年度から実施し、このことから⑧材料費は平成30年度は対医業収益比率が16.3%となり大幅な縮減が図れ、令和元年度も若干の縮減となりました。収支面では、①経常収支比率、②医業収支比率ともに前年度より改善したものの、医業収益率は院外処方に転換したことから下がることとなり収益改善が必要です。⑤入院患者1人1日当たり収益は若干の改善が図れたものの平均値に及ばず⑥外来患者1人1日当たり収益は平均値を上回る状況にあるものの、一方患者は減少傾向にあり適切な診療の提供はもとより更なる収支改善を図ります。⑦職員給与費対医業収益比率は対前年度3.7%改善しましたが依然として高率なことから、今後も医療機関連携を軸に入院患者の増患を中心とした取り組みを強化し増収を図ります。③欠損金比率について令和元年度は特別損失を計上しましたが、当該比率が年々増加していることから新改革プランを基に増患を基本とした増収対策を推進すると共に医業費用及び施設維持について計画的な支出を図ります。
老朽化の状況について
当院の①有形固定資産減価償却率、②器機備品減価償却率が平均値より高く老朽化が進んでいるとみます。近年建物設備の修繕が頻発していますが器械備品の不良は医業に直結することから適正な保守点検を行うと共に計画的な更新を図る必要があります。
全体総括
経営方針として、今後もへき地医療を担う地域の中核病院として、特に地域包括ケアシステムの一役を担うため、関係医療機関をはじめ福祉施設などの社会資源との連携を図る必要があると考えます。経営面では、人口減少が進み増患対策が課題になると考えますが、新規外来を獲得するため総合診療科をもつ病院としての特性をさらに啓発すると共に、特に病床利用率が低迷していることから病院間連携の強化による病床利用率を高めていく必要があると考えます。また、施設内の設備の老朽化が進んでいる状況から、器械備品の更新と共に計画的な対処を図る必要があります。