地域において担っている役割
当病院は国民健康保険病院として設立され、地域医療の中心的役割を担い、玉城町の保健・医療・福祉等の分野に大きく貢献している。併設の介護老人保健施設、通所リハビリテーション、訪問看護・訪問介護・居宅支援事業所と連携して「地域包括医療・ケア」の体制を強化し、質の高い医療サービスの提供に努めている。
経営の健全性・効率性について
医療保険制度と診療報酬の改定をふまえ、療養病床50床を最大限に利用し、近隣の急性期病院や診療所からの入院患者を受け入れ、病床利用率の向上を図るとともに、地域のニーズに合わせた病院経営を行っている。また、外来においては、内科の患者数を総合診療でフォローし、診療報酬の確保に努める一方、費用の削減に努めている。なお、検診等を積極的に実施し疾病等の早期発見並びに早期治療につなげている。令和2年度の病床利用率は98.2%となり医業収支比率も92.2%となっている
老朽化の状況について
当病院は、平成16年8月に全面改築工事第1期工事、平成17年1月第2期工事が完了し、建築後17年であるため、施設の老朽化はしておらず、有形固定資産減価償却率は全国平均を下回っている。器械備品減価償却率は全国平均をやや上回っているが、保守契約を締結し診療に影響が生じないよう点検を行っている。今後も計画的な施設や医療機器への投資を行っていく。
全体総括
「玉城町国民健康保険玉城病院新改革プラン」に基づく改革・改善に数値目標や実施期限を明確に定めることで、病院の健全性や効率性において一定の成果を得ている。また、少子高齢化や人口減少により医療環境が変化する中、入院収益は前年度を上回っているが、引き続き、将来にわたり地域住民が安心して生活できる医療提供体制を構築する必要があり、令和元年度から地域包括ケア病床(10床)を開設し令和2年度には増床(16床)している。今後も町立病院としての地域医療に果たすべき役割を担うとともに、継続的な経営改善、経営形態のあり方等を検討していく。