経営の健全性・効率性について
料金回収率は年々下落傾向にあり、平成30年度から100%を下回っており、経費を料金収入で回収できていない状況となっています。(料金改定の影響)経常収支比率も平成28年度以降下落傾向で、こちらも平成30年度に収益を費用が上回っており、健全な経営を続けていくためには、経常収支比率を100%以上の水準に保つ必要があると思われます。ただし、令和元年度は送水管耐震工事、令和2年度には送水管耐震工事に加え導水管布設替工事を行ったことによる受水費の増加があったため、工事完了後の令和3年度以降は回復を見込んでおります。企業債残高対給水収益比率も工事の影響により令和元年度・令和2年度は高くなっておりますが、令和3年度以降は給水収益の回復を見込んでおり、管路耐震化工事計画に基づき計画的に企業債の発行を行っていく必要があると考えます。また、有収率・施設利用率は比較的高い水準で推移しており、施設効率は概ね良好な状態です。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は、平成27年度以降上昇傾向にあり、老朽化が進んでいる状況ですが、令和元年度に中央監視システムの更新が完了したため、令和2年度は下がっております。また、管路更新率は、1.0%未満を推移しておりましたが、令和2年度には1.91%となったものの、更新投資はあまり進んでいない状況です。管路経年化率は平均値を下回っておりますが、対応年数40年を超えた埋設管に対し、布設管路改修計画に沿って改修を進めていく必要があります。
全体総括
水道事業の経営は比較的健全な運営が続いている状況と考えておりましたが、R元・R2の工事の影響で経常収支比率・料金回収率等が大幅に下がりました。(R3以降回復予測)また、管路経年比率も高い状態であることから、埋設管の改修を適切に続けていく必要があります。また、令和2年度に経営戦略を策定しており、毎年度目標指数の達成状況を把握し、経営戦略における投資財政計画と実績との乖離及びその原因を分析しながら健全な運営を続けていく必要があります。