経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率は、打切り決算に伴い、翌年度に引き継いだ支払いに対し他会計繰入金を充当したことにより他会計繰入金が54,268千円増加したこと、また、支払いの一部を翌年度に引き継いだことにより営業費用が74,003千円減少したことより、57.4ポイント上昇しました。打切り決算により表面上は黒字となっていますが、本来は収益の柱となるべき料金収入が乏しく、他会計繰入金に依存している状態であるため、今後は経費削減や使用料改定等による収入増加により汚水処理に係る経費回収、事業の適正化が必要と考えます。④企業債残高対事業規模比率は、打切り決算により汚水処理費が74,003千円減少し分流式下水道に要する経費が減少したことにより、一般会計負担分減少したため、200.26ポイント上昇しました。将来的には、整備事業の縮小により企業債残高は減少していく見込みです。⑤経費回収率及び⑥汚水処理原価は、打切り決算により営業費用の支払いの一部を翌年度に引き継いだことにより、汚水処理費が減少し、⑤は21.76ポイント上昇、⑥は80.22ポイント下降しました。経費削減により改善していく必要がありますが、経費削減や施設使用料の改定による収入増加のみで経費を賄うのには限度があります。施設の老朽化等に伴い増加する維持管理費に対応するため、農業集落排水事業より維持管理費が経済的な流域関連公共下水道への切替接続を関係団体等と協議し、類似団体と同程度の水準となるよう経営改善を図っていきます。⑦施設利用率は、類似団体と比較すると高い数値となっています。今後も適正利用を推進していきます。⑧水洗化率は供用開始から30年経過していることもあり、類似団体より高い水準で推移しています。
老朽化の状況について
将来にわたり農業集落排水事業を安定的に継続させるため、施設の老朽化対策や管渠更新の投資は重要です。供用開始から既に30年経過した施設もあり、管渠改善率については類似団体と比較し高い水準となっています。今後も施設の老朽化や更新期に備えストックマネジメント計画の策定を行い、適正な施設管理を継続できるよう取り組んでいきます。
全体総括
市の汚水処理施設の整備は、汚水処理人口普及率が99.8%と処理施設の整備が概ね完了しています。農業集落排水事業は供用開始から30年を経過している施設があります。今後は維持管理費の縮減のため、流域関連公共下水道への切替接続による経営改善が必要と考えます。経費削減による事業の効率化や下水道使用料の改定により、経営基盤の強化や経営の健全化を図ることが必要と考えます。令和2年度経営戦略策定予定