地域において担っている役割
みよし市民病院は、西三河北部医療圏(みよし市・豊田市)において、急性期から慢性期までを受け持つ地域医療の拠点病院としての役割を担っています。高度急性期病院や地域の医療機関のほか、併設する訪問看護ステーションや地域包括支援センターと連携し、入院から在宅まで切れ目のない医療を提供し、地域完結型医療の推進に努めています。
経営の健全性・効率性について
「①経常収支比率」は、平成30年度は93.1%で経常赤字となっています。全国や類似病院の平均と比較して低い数値ですが、当院が公立病院では小規模で療養病床を有することが主な要因と考えられます。また、平成29年度と比較して悪化した主な要因は、入院患者数や入院単価の減少によるものです。「②医業収支比率」は、入院収益の減少や院内保育所運営費の増加などにより悪化しています。「④病床利用率」「⑤入院患者1人1日当たり収益」では、病床利用率は高いものの療養病棟における1人当たりの収益性が低いため、増収にはつながりにくい状況です。「⑦職員給与費対医業収益比率」では、類似病院の平均は下回っているものの増加傾向にあり、「⑧材料費対医業収益比率」では、類似病院の平均値と比較するとまだ高く改善の余地があります。
老朽化の状況について
「①有形固定資産減価償却率」「②器械備品減価償却率」では、平成30年度はそれぞれ64.7%、73.3%でいずれも全国や類似病院の平均と比較して高くなっています。平成13年の新築移転から18年が経過し、保有資産が法定耐用年数の半分以上を経過して老朽化が進行している状況です。特に建物の機械設備や構築物は耐用年数を超えていることから、順次、計画的に更新を実施していきます。また、機械備品においても今後、MRIやCTといった高額機器の更新も必要となってきます。「③1床当たり有形固定資産」では、全国や類似病院の平均と比較して大きな隔離がありますが、当病院の病床数は122床で類似団体の中でも小規模であることや、器械備品等の更新整備を継続的に実施していることなどが主な要因と考えられます。
全体総括
安定した病院経営のためには医師をはじめとした医療スタッフの確保が重要です。特に医師の確保が難しい中、院内保育所の活用などによる人材確保に努めています。そのほか、平成13年5月の新築移転後、施設や設備の老朽化も目立つようになっており、今後の大規模改修等への対応も必要となっています。引き続き「みよし市民病院改革プラン2017」の目標達成に向けた取組みを進めるとともに、令和3年度以降を計画期間とした次期改革プランの策定を行っていきます。また、他の公立病院や近隣病院等との情報共有・連携を図りながら、愛知県の地域医療構想を踏まえ、地域医療の拠点病院として質の高い病院運営を推進します。(新公立病院改革プラン:平成29年3月策定済み、令和2年度見直し予定)