地域において担っている役割
みよし市民病院は、西三河北部医療圏(みよし市・豊田市)において、急性期から慢性期までを受け持つ地域医療の拠点病院としての役割を担っています。高度急性期病院や地域の医療機関のほか、併設する訪問看護ステーションや在宅介護支援センターと連携し、入院から在宅まで切れ目のない医療を提供し、地域完結型医療の推進に努めています。
経営の健全性・効率性について
「①経常収支比率」は、平成29年度は94.2%で経常赤字となっています。全国や類似病院の平均値と比較しても低い数値ですが、これは当院が公立病院としては小規模であることや療養病床を有していることなどの要因が考えられます。「②医業収支比率」は、平成29年度は入院収益の増加、材料費や減価償却費の減少などにより改善しています。「④病床利用率」「⑤入院患者1人1日当たり収益」では、平均値と比較しても病床利用率は高いものの1人当たりの収益が低く、入院収益の増収にはつながりにくい状況となっています。「⑦職員給与費対医業収益比率」では、平均値を下回っており人件費負担は低くなっている一方、「⑧材料費対医業収益比率」では、類似病院の平均値と比較するとまだ高く改善の余地があります。
老朽化の状況について
「①有形固定資産減価償却率」は、平成29年度は62.8%で平均値と比較しても高くなっており、保有資産が法定耐用年数の半分以上を経過し、老朽化が進行している状況です。「②器械備品減価償却率」では、平成26年度の増加は制度改正により償却方法の変更があったことが要因です。平成29年度では69.4%となっており、平均並みではあるものの医療機器の老朽化も進んでいます。「③1床当たり有形固定資産」では、平均と比較して大きな隔離がありますが、当病院の病床数は122で平均と比べても小規模であることや、器械備品等の更新整備を継続的に実施していることなどが主な要因と考えられます。
全体総括
安定した病院経営のためには医師をはじめとした医療スタッフの確保が重要です。特に医師の確保が難しい中、院内保育所の設置などによる人材確保を図るなど、平成28年度に策定した「みよし市民病院改革プラン2017」の目標達成に向けた取組を進めています。また平成13年5月の新築移転後、施設や設備の老朽化も目立つようになっており、今後の大規模改修等への対応も必要となっています。引き続き他の公立病院や近隣病院等との情報共有・連携を図りながら、愛知県の地域医療構想を踏まえ、地域医療の拠点病院として質の高い病院運営を推進します。