経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、水道施設の工事に伴う減価償却費の計上により経常費用が増加となり、全国及び類似団体の平均値を下回った。経常収支比率は平成28年度より下落しているため、事業の効率化を図っていく必要がある。②累積欠損金比率は、例年0%であり、剰余金もあるため欠損金が発生することはないと考える。③流動比率は、工事の竣工日を早期に設定することで未払金の減少に努めた結果、流動負債が減少し、対前年度比で92.32ポイントの増となった。④企業債残高対給水収益比率は、企業債残高が少なく給水収益が負債を上回っている。⑤料金回収率は、全国及び類似団体の平均値を上回っているが、経常費用の増加により対前年度比で▲2.7ポイントとなった。⑥給水原価は、全国及び類似団体の平均値に比べ少額ではあるが、経常費用が増加傾向にあり、今後も増大が見込まれるため、経費の削減を図り、効率的で安定的な事業を運営していく必要がある。⑦施設利用率は、全国及び類似団体の平均値に比べ10ポイント以上高くなっており、施設の能力を効率的に活用できている。⑧有収率については、全国及び類似団体の平均値を上回っているが、道路漏水の影響により平成28年度以降は下落傾向にあるため、漏水調査の実施を計画中である。調査後に判明した漏水箇所を修繕することで有収率の向上を図り、施設の適切な保全に努める。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率及び②管路経年化率については、全国及び類似団体の平均値を上回っており、施設の老朽化が進んでいる。③管路更新率は、全国及び類似団体平均値の2倍以上となっている。基幹管路及び基幹管路以外の配水管については、事業計画に沿って着実に工事を実施しているところであり、今後も③管路更新率を向上し、①有形固定資産減価償却率及び②管路経年化率の低下に努める。
全体総括
類似団体と比較して、料金回収率や施設利用率などが高いことから、比較的健全な経営をしており早急に改善の必要性はないと判断している。一方、施設の老朽化を示す数値は、全国及び類似団体の平均値を上回っており更新費用の増大が見込まれる。このため、既存の管路耐震化計画の見直しを含め、更新費用の平準化や充当する財源等について検討を行い、老朽化施設の更新を推進していく。収益面では、給水人口の減少等により大幅な伸びが期待できないことから、必要に応じて料金改定や企業債の発行などについて検討を行う。また、愛知県が主催する広域化研究会議に参加しているため、施設連携や事務事業の共同化も踏まえ広域的な視点で検討を行い水道事業の基盤強化に努めていく。経営戦略については、R2年度中に策定予定。