常滑市民病院 農業集落排水施設 簡易水道事業(法適用) 公共下水道
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平成28年度は前年度と同様に税収が回復傾向にあり、基準財政収入額は前年度比2.4%増となったが、下水道費において使用料単価が150円/m3を超えたことによる高資本費対策の基準財政需要額への算入等により、基準財政需要額が前年度比4.8%増となったことにより、単年度の財政力指数は0.96と、前年度比で0.1ポイント減少したが、3か年平均では前年度と同様の0.97となった。
前年度の増加要因であった一般職退職金は退職者数の減により、病院事業会計補助金の増は病院特例債の完済により、それぞれ減となったことで、前年度比2.7%減となった。しかしながら同じく前年度の増加要因となっていた法非適用公営事業に対する繰出金については、前年度比でさらに増となったことにより、平成26年度並の経常収支比率とはならなかった。今後、退職者数はさらに減少し、法非適用公営事業に対する繰出金は大きな増減はないものと考えており、経常収支比率は若干の良化を見込んでいる。
常滑市行財政再生プラン2011の終了に伴う職員期末勤勉手当の大幅削減の終了及び職員数の削減に伴う臨時職員賃金の増、公共施設等総合管理計画策定や情報セキュリティ強化対策などの臨時的な委託料の増により、前年度比で787円の増となった。なお、常滑市行財政再生プラン2011は終了したものの、職員人件費においては管理職手当の削減を継続実施し、また、物件費についても、行財政再生プラン2011の考え方を踏襲することとした第5次常滑市総合計画に基づき、継続的な抑制に努めていることで、平均値よりも低い数値を維持している。
平成24年度は国家公務員の時限的な給与特例法による措置を考慮した数値となっていたことから、数値が100を超えていたが、給与特例法の措置期間終了に伴い、平成25年度以降は100を下回る数値となっている。平成28年度は給与独自削減が終了したことに伴い、数値が0.4ポイント上昇し、97.4となったが、依然として100を下回り、類似団体平均も下回っている。なお、行財政再生プラン2011に基づき平成27年度まで実施していた期末・勤勉手当の独自削減は、ラスパイレス指数には反映されていない。
業務量の増加及び年齢構成の偏在是正のため、類似団体と比較して著しく人数が少ない一般事務職員を増員したことにより、前年度比で0.15人増となり、類似団体平均との比較も0.06人に開いている。本市は元々、南北に細長い地形から、公立保育所数が類似団体と比較して多く、また、中部国際空港がある本市の特性上、消防職員も類似団体と比較して多い状況となっている。今後は、平成28年度に策定した定員適正化計画に基づき、これまで同様に技能労務職員の民間委託等による退職不補充としながら、類似団体と比較して著しく人数が不足する一般行政職の採用を行うなど、適切な定員管理に努めていく。
下水道事業等の公営企業会計に係る公債費元利償還金に対する繰入金の額が増加した一方、公債費に準ずる債務負担行為に係るものの償還額が減少したこと及び税収の増加等により標準財政規模が増となったことから、単年度の実質公債費比率が前年度と比較して3.3ポイント改善(15.5%→12.2%)し、3か年平均でも0.8ポイント改善した。なお、類似団体と比較して実質公債費比率が大きくなっている要因としては、中部国際空港の開港に合わせて進めた宅地開発等基盤整備に係る公債費及び公債費に準ずる債務負担行為の償還が挙げられる。今後は、将来負担比率と同様に新庁舎等の整備に係る償還の開始に伴い、数値の上昇が見込まれる。
類似団体平均を上回っている主な要因としては、市民病院及び消防本部庁舎を移転するための公益的施設用地取得に係る債務負担行為の設定、農業基盤整備事業に係る債務負担行為の設定などが挙げられる。投資的事業の繰延による新規発行債の抑制などにより、数値が改善しつつある中、平成28年度はこれまでと同様に将来負担額については順調な減少傾向であったが、モーターボート競走事業の地方公営企業法全部適用により、これまで充当可能基金としていたモーターボート競走事業施設整備基金及び財政調整基金が、算定上除かれることとなったため、数値が19.4ポイントの大幅な上昇となった。今後も、市庁舎の移転新築等を控え、市債発行による大幅な数値上昇を見込んでいる。
過去に実施してきた職員数の削減や、職員給与及び手当の削減、公共施設にける指定管理者制度の導入などにより、類似団体と比較して低い数値となっている。平成27年度は一般退職者数の増により、退職手当が増となったことで数値が上昇したものの、平成28年度は定年退職者数が前年度比で18人減となったことなどにより、前年度比で1.5ポイント数値が改善した。なお、平成27年度をもって行財政再生プラン2011による一般職の職員給与削減は終了したが、特別職期末手当及び管理職手当については削減を継続しており、合わせて職員の新陳代謝が進んだことで、平成26年度並みの人件費となっている。
物件費自体に大きな変動はなく、全体の経常一般財源額の増により、経常収支比率としては前年度比0.6ポイントの減となった。前年度までは類似団体平均を上回っていたものの、類似団体平均が0.5ポイント増となったことで、類似団体平均と同率となった。物件費については、需用費等において行財政再生プラン2011の中で徹底した削減を行ってきており、今後も継続して物件費の抑制に努める。
前年度に引き続き、子ども子育て支援新制度による施設給付費の増、児童発達支援施設給付費の増などがあり、さらに平成28年10月から子ども医療費の無償化対象範囲を拡大したこと等により、扶助費全体で前年度比5.1%の増となった。それに伴い扶助費の経常一般財源も増となっているものの、経常一般財源が増となったことにより、経常収支比率としては0.1ポイントの減となった。次年度以降は子ども医療費の無償化対象範囲を拡大したことに伴う影響が通年化することで、扶助費の経常一般財源がさらに増となる見込み。
大幅増の要因は、平成27年5月に移転新築により開院した市民病院の整備に係る医療機器の企業債償還開始に伴う病院事業会計出資金の増、下水道事業の推進に伴う下水道事業特別会計への繰出金の増などが挙げられる。これらは今後も当面、同額程度での推移を見込んでいるため、経常収支比率としても概ね同程度での推移を見込んでいる。
前年度比で大きく減少したのは、病院事業会計における病院特例債の完済による病院事業会計補助金の減によるもの。前年度比で3.2ポイント減となり、類似団体平均との差が0.8ポイントまで縮まった。今後においては中部臨空都市への大型商業施設の進出に伴い、奨励金が増大する一方で、下水道事業基金からの繰入運用金の償還終了などにより、概ね同程度での推移となる見込み。
過去に借り入れた市債の償還開始等により、公債費は前年度比で増となっているものの、経常一般財源も増となっていることで、経常収支比率は0.6ポイントの減となった。今後も引き続き新規発行債の抑制や、借入利率の抑制により公債費全体の抑制に努めるが、新庁舎の建設があることから、その市債の償還が開始される段階では公債費の増加を見込んでいる。
人件費における退職手当の減、補助費における病院事業会計補助金の減などにより、前年度から2.1ポイント減となった。減が2.1ポイントにとどまったのは、投資及び出資金において新病院整備に係る医療機器の償還が始まったことによる病院事業会計出資金の増、繰出金において下水道事業の面整備推進に伴う下水道事業特別会計繰出金の増があったことによるもの。今後、人件費においてはさらに退職者数が減となることで減少が見込まれるものの、扶助費においては増加が見込まれることから、経常収支比率は同程度での推移を見込むが、総合計画に基づく行財政改革を進めるとともに、企業誘致等による税収増に努め、経常収支比率の改善を図る。
中部国際空港の開港に合わせて進めた宅地開発等の都市基盤整備に係る市債及び公債費に準ずる債務負担行為により、将来負担比率、実質公債費比率ともに類似団体平均と比較して高い値となっている。将来負担比率は、行財政改革による投資事業の抑制、基金の積立などにより徐々に改善しており、実質公債費比率についても、将来負担の改善に合わせて、平成25年度以降は改善の傾向にある。今後は、公共施設の更新等により、投資事業の増加が予測される中ではあるが、引き続き市債を抑制し、健全な財政運営に努める。
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