飛騨市
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人口の推移
財政比較分析表(2019年度)
財政力
財政力指数の分析欄
人口減少先進地である当市は高齢化率(令和元年10月1日現在38.85%)に加え、市内の中核産業が乏しいため、安定した財政基盤の確保が難しい状況にある。こうした状況を踏まえ、各分野の代表市民で構成する最上位審議会「飛騨市総合政策審議会」において政策の検討・検証を重ねながら、飛騨市第2次総合計画の後継となる新たな指針「飛騨市総合計画指針」を策定し、みんなが楽しく心豊かに暮らせるまちを目指すとともに、長期的展望に立った持続可能な財政の構築に努める。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
経常収支比率は前年度よりも0.8ポイント悪化し類似団体平均を上回る結果となった。これは、指標の分母となる経常一般財源(歳入)の普通交付税が全体で1億903万円減少したことに加え、分子となる経常一般財源で賄う経費のうち、国民健康保険や下水道事業など特別会計への繰出金や病院事業会計への負担金などが増加していることが要因である。公債費の減少は今度も見込まれるが、普通交付税の減少や人件費、扶助費の増加などから今後も指標の悪化が懸念される。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
市町村合併により広大な面積を有し、広範囲を網羅した行政運営のため、人口1人あたりの人件費・物件費等が類似団体の平均よりも高い水準となる傾向にある。物件費は、保育園の一部私立化に伴い保育士等の賃金が減少したが、委託料については、市有施設の指定管理料やバス運行委託、じん芥収集委託等の経常的な支出が11億5,941万円に加え、地籍調査委託やまつり会館コンテンツ制作委託等、臨時的な支出が2億8,979万円の増加が悪化の要因である。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
類似団体との比較では4.4ポイント低くなっているが、今後も進む人口減少と限られた財源の中で有効かつ充実した施策を推進していくためにも、人件費の縮減は不可欠である。今後も定員適正化計画に基づく定員管理を図るとともに、自治体規模に見合った適正な給与水準の維持に努める。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
定員適正化計画に基づき定員数の適正化を図っているところであるが、市域が広域であることから、安心安全な生活確保という面からも地域ごとに支所及び消防機能の設置とそれに伴う職員配置が必要であり、現在以上の組織効率化が困難なため類似団体との比較では数値が大きい状況となっている。また、育児休業や病気休職等による急な欠員に対応すべく、職員数にある程度のバッファが必要な状況である。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
分母となる標準財政規模に含まれる普通交付税が合併算定替の終了により減少となったことから、前年度より0.1ポイント悪化した。過去に発行した市債の償還終了に伴い公債費等は減少しており、今後も、普通交付税の段階的な縮減を見据えて、地方債発行の抑制はもとより、引き続き事業には交付税算入率の高い起債の選択に努めるなど、実質公債費比率の低減に向けた取り組みを進める。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
地方債現在高の18年度過疎債、19年度合併特例債の償還が終了、充当可能財源は今後の財政需要に備え財政調整基金の積み増しや基金の造成を行ったことで増となった。今後も将来の大型投資事業にかかる財政負担平準化を考えた基金の積み増しを継続するとともに、市債を発行する際には交付税措置のある有利な起債を選択することにより、将来負担を考えたバランスのよい財政運営に努める。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2019年度)
人件費
人件費の分析欄
人件費に対する経常収支比率は、定員適正化計画に沿った定員管理を基本とし、計画上の職員数と大きく乖離することのないよう定員数の維持と組織編制に努めた結果、類似団体の平均を下回る水準で推移している。充当した財源は全体で前年度より3,818万円の増加となっており、給与等については、時間外手当の増加が上昇の要因となっている。
物件費
物件費の分析欄
物件費に対する経常収支比率は、公共施設の維持管理業務の大部分を、指定管理者制度のもと委託していることが大きく、充当した財源は前年よりも2,144万円増加しており、0.4ポイント数値が悪化している。事務事業の見直しや効率化、指定管理施設の経営改善指導を進めるなど今後もコスト削減等、経常経費の削減に努める。
扶助費
扶助費の分析欄
扶助費に対する経常収支比率は、類似団体の平均を下回る水準で推移している。障がい者自立支援給付費が2,652万円増加した反面、一般保育所運営費は2億1,729万円減少したことなどにより、全体では1.1ポイントもの減少となった。今後も医療費助成や障がい者自立支援給付費の充実を図りながら財政を圧迫しないように努める。
その他
その他の分析欄
その他に対する経常収支比率は、類似団体の平均を上回る水準で推移、前年より0.1ポイント悪化している。特別会計への繰出金に関して国民健康保険特別会計では、保険料の上昇が避けられない状況を踏まえ、一部繰出基準を見直したことにより3,162万円増。介護保険特別会計は951万円増、下水道事業5会計に対する繰出金は合計で340万円増と維持経費の増加や保険医療給付費が増加傾向にあり、これら補てんの圧縮が課題である
補助費等
補助費等の分析欄
補助費等に対する経常収支比率は、類似団体の平均を大きく下回る水準で推移しているが、充当した財源は前年よりも6,914万円増加しており、0.7ポイント数値が悪化している。第二次行政改革における市単独補助金の見直しを行ったが、対象となる範囲、規模共に拡大しており、補助金の適正な支出と補助事業の目的に沿った事業実施を改めて確認する必要がある。
公債費
公債費の分析欄
公債費に対する経常収支比率は、類似団体の平均を上回る状況で推移している。このことは、合併後、優先的に進めてきた大型投資事業に対する起債償還によるものであるが、充当する財源は2,152万円の減少となっており、令和3年度からはさらに減少する見込み。歳入に見合った歳出の中での事業化により、地方債発行を精査し実質公債費比率の減少に努める。
公債費以外
公債費以外の分析欄
公債費以外に対する経常収支比率は、類似団体内順位の上位に位置している。しかし、今後さらに進む人口減少に伴う散在集落への行政サービスの提供が、財政運営を圧迫する可能性があるため、健全な財政運営を維持し、更なる事務事業の効率化や公共施設の統廃合を進め、長期展望に立った持続可能な財政の構築に努める。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)
議会費
労働費
消防費
諸支出金
総務費
農林水産業費
教育費
前年度繰上充用金
民生費
商工費
災害復旧費
衛生費
土木費
公債費
目的別歳出の分析欄
総務費は、類似団体と比較して一人当たりコストが高い状況となっており、公共施設管理基金をはじめとする各種積立金、好調なふるさと納税寄付金の返礼経費が増加している。民生費は、養護老人ホーム整備や複合児童福祉施設整備などにより投資的経費が増加したことに加え、保育園私立化に伴う保育所施設運営事業補助金、新たに医療・福祉体制整備基金を創設したことなどにより大きく増加した。今後も市民サービス水準を維持しつつ行政運営の効率化を図り健全な財政運営に努める。商工費は、類似団体平均に比べ高い状況である。過疎地域の観光施設について指定管理者制度を導入し委託管理しているが、それら施設が老朽化しており維持管理経費の増嵩が要因となっている。教育費は、類似団体平均より、若干上昇した。小中学校冷房設備整備工事、ICT機器を活用した情報整備工事、地域の公民館建設事業に対する集会施設整備事業補助金などが皆増となった影響である。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)
人件費
補助費等
災害復旧事業費
投資及び出資金
物件費
普通建設事業費
失業対策事業費
貸付金
維持補修費
普通建設事業費(うち新規整備)
公債費
繰出金
普通建設事業費(うち更新整備)
積立金
前年度繰上充用金
性質別歳出の分析欄
災害復旧事業費の住民一人当たりのコストは、39,995円と増加、主な要因は平成30年7月に発生した豪雨災害等に伴う繰越事業費に伴うものである。普通建設事業費、新規整備も含め上昇しており、養護老人ホーム整備、複合児童福祉施設、平成30年度からの繰越分を含め道路橋梁整備など事業が多く一時的にコストが膨らんでいる。また、公債費の住民一人当たりのコストは119,098円で類似団体と比較して高い状況が続いているが、今後もプライマリーバランスの黒字を維持し、将来負担の軽減を図る。広大な面積を有し、広範囲を網羅した行政運営が必要な当市は、住民一人当たりのコストの人件費・物件費等が類似団体の平均よりも高い水準となる傾向にある。物件費は、市有施設の指定管理料やバス運行委託、じん芥収集委託等の経常的な支出が増加しており、類似施設等の在り方そのものについて、地域との検討、今後の費用抑制を進める必要がある。
実質収支比率等に係る経年分析(2019年度)
分析欄
財政調整基金残高については、前年度より2.18ポイント増加、実質収支額は0.84ポイント増加した。平成29に実施した財政調整基金から特定目的基金への積み替えが完了したことに伴い、令和1は実質単年度収支においても数値が改善している。当市において財政調整基金の適正な規模については60億?65億円とし、突発的な事態が生じない限り、今後も維持する方針としている。
連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2019年度)
分析欄
一般会計からの基準内外の繰出を行っているため、全ての会計において黒字であり、実質赤字比率はない。しかし、病院事業会計では診療収入の減少、下水道関係では公債費の大半を繰入金に依存している状況、国民健康保険や介護保険関係では高齢化の進展によるサービス利用者の増加など、不安要素を抱えた中での財政運営となっており、一般会計からの繰出を減らすことが求められる。今後、全会計とも事業収益や利用料収益の確保の他、経常経費の圧縮に努め、上下水道会計においては、施設の長寿命化を進めることにより将来の大規模修繕費の抑制を図り、持続可能な運営を目指す。
実質公債費比率(分子)の構造(2019年度)
分析欄
合併後の大型投資事業に対する起債償還が大きく占めており、過去に発行した市債の償還終了に伴い、元利償還金は前年度と比較し3千8百万円の減となっている。また、市債の償還終了などに伴い、算入公債費等の額も4千7百万円の減となっており、実質公債費比率の分子の額は前年度と比較し増加している。今後も、将来を見据えた計画的な事業実施や財政構造の健全化を図りながら、地方債の発行抑制や算入公債費の有利な起債の選択に努める。
分析欄:減債基金
該当なし
将来負担比率(分子)の構造(2019年度)
分析欄
一般会計等に係る地方債の現在高は、借入額に対し償還額が上回ることにより減少し、公営企業債等の繰入見込額も徐々に減少しつつあることから、将来負担額の全体では前年度と比較し12億2千8百万円の減となった。また、充当可能財源等については将来の大型投資に備えた特定目的基金への再編を終えたこと、基準財政需要額算入見込額が減少していることから充当可能財源等は前年度と比較し4億9千6百万円の減となったが、前年度に続き将来負担額を充当可能財源が上回る結果となり、将来負担比率は低い水準を維持している。今後も起債を発行する際には交付税措置の有利な起債を選択するとともに、基金の積み増しを行ていく方針であることから、比率は悪化しないと考えている。
基金残高に係る経年分析(2019年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)公共施設管理基金、防災基金、福祉事業基金など各基金の目的に沿って様々な事業を実施するため基金の取り崩しを行ったが、好調なふるさと納税の基金積み増したことにより、結果基金全体としては3億3千1百万円の増となった。(今後の方針)「財政調整基金」については将来の不測の事態に備えるため、引き続き必要額を確保していく。また、基金の使途を明確化したうえで、将来どうしても必要となる事業の財源を確保するため、今後も特定目的基金へ積み立てていく予定である。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)当初予算にて3億5千万円取り崩しの予算であったが結果5億2千3百万円積み戻し、1億7千3百万円の増となった。(今後の方針)災害など不測の事態への備えとして必要な60~65億円の残高を維持していく。また、財源調整のために取り崩した場合でも、決算に余剰が生じた場合などは優先的に財政調整基金に積み戻すことで必要額を確保できるよう努める。
減債基金
減債基金
(増減理由)利子相当額を積み立てた以外、増減なし(今後の方針)必要に応じ、地方債の償還財源としていく。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)ふるさと創生事業基金:ふるさと創りのための施設整備、人材育成等の経費に充てるもの公共施設管理基金:市に設置する公共施設その他の工作物の計画的な保全及び撤去に要する経費に充てるもの福祉事業基金:福祉事業の経費に充てるもの(増減理由)ふるさと創生事業基金:ふるさと納税額が増加したことにより、取崩し額より積立額が多かったことによる増加公共施設管理基金:基金の目的に沿って公共施設の計画的な長寿命化事業等に充当したことによる減少福祉事業基金:基金の目的に沿って新和光園新築工事等の事業に充当したことによる減少(今後の方針)ふるさと創生事業基金:1月から12月までのふるさと納税を一旦基金へ積み立てたうえで、寄附の目的に応じた事業へ充当する公共施設管理基金:飛騨市公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設の維持修繕等費用に充当する福祉事業基金:計画されている福祉施設の整備費用等へ充当する
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2019年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
減価償却率は類似団体より若干高い数値となっているが、これは飛騨市立旭保育園(昭和50年建築)や飛騨市古川トレーニングセンター(昭和56年建築)等の減価償却率の高い施設を所有していることが要因の一つであり、今後は、計画的に維持修繕等を行いながら施設の長寿命化を図っていく。また、各施設の老朽化状態、これに要した投資額、施設使用料や使用状況を検討し、統廃合(除却)を見据えた運営を進めていく。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
地方債の現在高は、合併後の大きな過疎債や合併特例事業債の償還が終了したことに加え、地方債の償還額が新規発行額を上回る「プライマリーバランスの黒字」運営を続けてきたこともあり、今後もその比率は下がっていくものと見込んでいる。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
基金等の充当可能財源により将来負担比率はマイナスにより数値化されていない。固定資産減価償却率は類似団体より多少高く上昇傾向にある。今後も個別施設計画に基づき予防保全し長寿命化を図る施設と、取り壊す施設とのすみ分けを明確にし、適正管理を進めていく。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
実質公債費率については、令和元年度に分母となる標準財政規模に含まれる普通交付税が合併算定替の終了により大幅な減少となったことから前年度より0.1ポイント悪化したが、算入率の高い起債メニューの活用を進めていくことで、将来負担比率に影響がないよう財政運営に努めていく。
施設類型別ストック情報分析表①(2019年度)
道路
橋りょう・トンネル
公営住宅
港湾・漁港
認定こども園・幼稚園・保育所
学校施設
児童館
公民館
施設情報の分析欄
・保育所の有形固定資産減価償却率については、近年に新築した2園が民営化し、2園にかかる有形固定資産が無償譲渡されたことにより築年数が多い保育園のみ保有する形となったため率が悪化したと考える。現在直営となっている保育園に関しては園児数の推移と地域における必要性を見極めながら、園舎の更新等を検討していく必要がある。・当市では人口に対して市の面積は広大であり、集落も点在していることから、道路や橋梁、トンネルは多く整備されており一人当たりの数値が突出する傾向となる。道路舗装、斜面危険個所等について予防保全型の維持管理により優先順位を定めた整備を進める。
施設類型別ストック情報分析表②(2019年度)
図書館
体育館・プール
福祉施設
市民会館
一般廃棄物処理施設
保健センター・保健所
消防施設
庁舎
施設情報の分析欄
・福祉施設については養護老人ホームの大規模な建て替えが完了したことにより減価償却率が改善した。・福祉施設を除き各施設の一人当たりの面積等が類似団体より高い数値になっているのは、人口に対して市の面積が広大であり、集落も点在していることで各施設の統廃合ができないことが一つの要因と考える。・体育施設については、新たな施設建設も検討しつつ、長寿命化を図るための大規模修繕も計画的に行っていく必要がある。
財務書類に関する情報①(2019年度)
資産合計
負債合計
1.資産・負債の状況
すべての区分において、資産の約9割を固定資産が占める中で、一般会計等における資産総額は1,018.8億円で前年度から15.5億円の減少(△1.5%)となった。金額変動の大きいものは、インフラ資産と事業用資産であるが、インフラ資産では道路や橋梁の新設改良により7.7億円の資産増加した反面、減価償却の影響により総額14.0億円の資産減少となった。事業用資産においては、児童発達支援及び放課後等デイサービスによる複合児童福祉施設建設により5.4億円の資産増加をはるかに超える減価償却の影響から6.7億円の減少となった。また、負債においては各区分における固定負債が約9割占めており、全体会計における負債総額は324.9億円で前年度から12.0億円の減少(△3.6%)となった。固定負債、流動負債ともその内訳のほとんどは地方債となっており、一般会計等における地方債の総額は前年度よりも4.5億円減少している。財政計画に基づき新たな地方債の発行は抑制して負債の増加を抑える一方で、財源捻出のための安易な基金繰入は慎むことで資産の減少抑制に努め、引き続き財務諸表を意識した財政運営に努めていく。
純経常行政コスト
純行政コスト
2.行政コストの状況
一般会計等においては、経常費用は165.5億円となり、前年度比3.2億円の増(+2.0%)となった。前年度と比較して特に増加しているのは補助金等となっており、これは市営保育園が民間経営になった事に伴い私立保育所運営負担金が増加したことが影響していると考える。また性質別費用の割合では「物件費等」が78.2億円と最も多く、次いで「移転費用」が55.2億円となっており、これらをあわせると経常経費全体の8割を占めている。全体会計では、一般会計等に比べて、上下水道料金や病院事業の収入を使用料及び手数料に計上しているため、経常収益が21.9億円多くなっている一方、国民健康保険や介護保険の給付費を移転費用に計上しているため、移転費用全体で37.3億円多くなり、純行政コストは55.5億円多くなっている会計年度任用職の人件費計上に伴いコスト増加が見込まれるが、物件費や補助金等のさらなる抑制をもって、コスト意識の醸成に努めていく。
本年度差額
本年度末純資産残高
本年度純資産変動額
3.純資産変動の状況
一般会計等においては、税収等の財源(161.6億円)が純行政コスト(168.1億円)を下回っており、本年度差額は△6.5億円となり、本年度差額に、資産評価差額・無償所管換等△6.4億円を加味した本年度純資産変動額は△12.9億円となり純資産残高は減少となった。(前年比△9.9億円)この要因としては保育園の資産譲渡が考えられる。全体では、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計等の保険料が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が23.8億円多くなっているが、本年度差額は△6.2億円、純資産残高は12.7億円の減少となった。
業務活動収支
投資活動収支
財務活動収支
4.資金収支の状況
一般会計等においては、業務活動収支は28.2億円となり前年比1.3億円の増となった。一方、投資活動収支は前年比△15.1億円の△24.8億円、前年度よりもマイナス幅が増加となった。要因としては昨年度から続く大型福祉施設等の整備や新たな基金への積立等の支出が影響していると考える。また、財務活動収支については、地方債償還支出(27.7億円)が地方債発行額(22.9億円)を上回っていることから△4.8億円となった。本年度末資金残高は、前年度から1.4億円減の13.2億円となった。全体では、国民健康保険や介護保険料が税収等収入に含まれること、上下水道料金や病院事業の収入を使用料及び手数料に計上していることから、業務活動収支は、一般会計等より11.4億円多い39.6億円となっている。投資活動収支では△26.6億円、財務活動収支は一般会計等と同様に地方債償還支出が地方債発行額を上回っていることから△13.0億円となり、本年度末資金残高は前年度から200万円増加し、43.6億円となった。
財務書類に関する情報②(2019年度)
①住民一人当たり資産額(万円)
②歳入額対資産比率(年)
③有形固定資産減価償却率(%)
1.資産の状況
住民一人当たり資産額は、類似団体を大きく上回っている。これは、広大な面積の行政サービスを提供するため、市役所機能をもつ各地域の振興事務所、消防庁舎、小中学校、図書館など施設数が多く、耐震補強などの投資を積極的に行ってきた結果となっている。また前年度より新たに大型福祉施設建設といった投資を行ってきたことから前年度と比較し2.9万円増加している。有形固定資産減価償却率については、類似団体とほぼ同程度となっており、前年度より1.2ポイント上昇している。公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設についての点検や診断、計画的な予防保全による長寿命化を進めていくなど、公共施設等の適正管理に努めていく。
④純資産比率(%)
⑤将来世代負担比率(%)
2.資産と負債の比率
純資産比率は、過去5年に渡り類似団体平均を上回る比率となっているが、前年と比べると、この2年は微減傾向にある。将来世代負担比率は類似団体と比較すると問題ないと考えられ、地方債残高は減少していく見通しの中、更なる改善が見込まれる。今後も現世代と将来世代とのバランスにも配慮した財政運営が必要と考える。
⑥住民一人当たり行政コスト(万円)
3.行政コストの状況
住民一人当たり行政コストは、類似団体を大きく上回っていおり、前年度と比較すると4.5万円増加している。類似団体と比較して高い傾向にあるのは、市町村合併により広大な面積を有し、広範囲を網羅した行政運営が必要となり、必然的に住民一人当たりのコストの人件費・物件費等が類似団体の平均よりも高い水準となる。特に物件費は、市有施設の指定管理料やバス運行委託、じん芥収集委託等の経常的な支出が増加している。人口減少が進む当市において、行政コストのスリム化に向けて検証と検討を繰り返し行うことで長期的展望に立った持続可能な財政の構築に努める。
⑦住民一人当たり負債額(万円)
⑧基礎的財政収支(百万円)
4.負債の状況
住民一人当たり負債額は、類似団体平均を大きく上回っているが、合併後の学校耐震化など大型投資事業の償還が本格化しているとともに、過去に発行した市債の償還が順次終了していくことから負債合計は前年度より2.6億円減少しているものの、人口減少も進んでいることから一人当たりの負債額は前年比0.7万円の増となった。市債償還は今後も右肩下がりの見込みとなっており、住民負担は減少していくものと考えている。基礎的財政収支は、基金取崩収入と基金積立金支出を除いた投資活動収支の赤字分を、支払い利息支出を除く業務活動収支の黒字分が上回ったため、7.8億円のプラスとなっている。今後も引き続きプライマリーバランスを意識した財政運営を継続していく。
⑨受益者負担比率(%)
5.受益者負担の状況
受益者負担比率は、昨年度から横ばいとなったが、類似団体と比較すると下回る結果となった。今後、使用料・手数料など行政サービスに係る受益者負担の金額の見直しを行い、経常的な収益確保に努める。