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加速する人口減少と全国平均(平成26年10月1日現在26%)を上回る高齢化率(同35.58%)に加え、市税の減収(前年比97.8%)などから類似団体を下回る結果となっている。また、中核産業が乏しいため、安定した財政基盤の確保が難しい状況にある。こうした状況を踏まえ、「まち・ひと・しごと創生法」に基づく、飛騨市まち・ひと・しごと創生総合戦略や第3次行政改革大綱に沿った施策の重点化の両立に努め、経済的な活力に満ちたまちづくりを目指すとともに、長期的展望に立って持続可能な財政の構築に努める。
普通交付税の合併算定替縮減を踏まえ、3年振りに臨時財政対策債を発行したことにより、前年度より0.6ポイント好転し、類似団体平均を下回る結果となった。しかし、義務的経費にかかる経常一般財源の増加、歳入における市税が減少している中、今後も事務事業の見直し、将来的な財政状況の把握に努め、長期展望に立った持続可能な財政の構築に努める。
少子高齢化と労働者人口の流出などによる深刻な人口減に加え、広範囲を網羅した行政運営が求められるため、行政関係で3つの振興事務所(支所)、消防関係で2つの支所を抱え行政サービスを提供していることもあり、人口1人あたりの人件費・物件費等が類似団体の平均よりも高い水準となる傾向にある。こうした状況を踏まえ、更なる行政運営の効率化と組織のスリム化を進めることにより、健全な財政運営に努める。
類似団体との比較では3.7ポイント低くなっており、県内21市の中でも17番目という低い位置に付けている。進む人口減少と限られた財源の中で有効な施策を推進していくためにも、人件費の軽減は不可欠である。今後も、定員適正化計画に基づく定数管理を図りながら、自治体規模に見合った適正な給与水準の維持に努める。
定員適正化計画に基づき定員数の適正化を図っているところであるが、類似団体との比較では2.89人多い状況となっている。これは、市町村合併により市域が広域となり、ある程度の地域ごとに行政職員(振興事務所職員)及び消防職員を配置する必要があることから、定員数のみに視点を置いた組織効率化が不可能なためである。今後も平成27年度から推進している第2次定員適正化計画に基づき、職員の適正配置及び定員数の維持に努める。
公債費等の額は増となっているが、可能な限り地方債の発行を抑制するとともに、地方債発行する際には、交付税措置のある有利な起債を選択してきたことにより、年々実質公債費比率が低下してきているが、まだ類似団体の平均を若干上回る状況である。今後、普通交付税の段階的な縮減を見据えて、地方債発行の抑制はもとより、引き続き事業には交付税算入率の高い起債の選択に努めるなど、実質公債費比率の低減に向けた取り組みを進める。
地方債現在高の減と、財政調整基金の積み増しによる充当可能基金の増により、将来負担比率が前年度と比較し18.8ポイント好転し、類似団体平均を大きく下回る結果となった。今後も基金の積み増しを継続するとともに、施設改修や大型投資事業には有利な起債を選択することにより、常に将来の負担を考えたバランスのよい財政運営に努める。
人件費に対する経常収支比率は横ばいで推移し、類似団体の平均を下回っている。これは、第2次定員適正化計画に基づき、職員の適正配置及び定員数の維持に努めた結果の表れといえる。しかし、今後は大幅な削減は見込めず、共済掛金率の増加等もあることから、適正な指標の維持に努める。
物件費に対する経常収支比率は、類似団体の平均を上回る水準で推移している。これは、公共施設の維持管理業務の大部分を、指定管理者制度のもと委託しているものが大きいためである。しかしながら、予算編成時におけるマイナスシーリングや、指定管理施設の経営改善指導を進めるなど、経常経費の削減に努めている。
扶助費に対する経常収支比率は、類似団体の平均を下回る水準で推移している。主な要因として、二世帯同居や地域コミュニティによる助け合いが自然に行われていることが挙げられ、今後も健康寿命を延ばすための生きがい・体力づくり事業に取組み、医療費抑制により財政を圧迫しないように努める。
その他に対する経常収支比率は、類似団体の平均を上回る水準で推移している。これは、維持補修費の7割近くを占める除雪経費が要因の一つでもあるが、老朽化する公共施設の維持補修費の抑制と、特別会計への繰出金に関して、維持経費増加の傾向にあり厳しい財政運営を強いられており、特別会計赤字補填の圧縮が課題となっている。
補助費等に対する経常収支比率は、類似団体の平均を大きく下回る水準で推移している。第二次行政改革において、平成22年度から新たな補助金ガイドラインを設け、市の単独補助金を見直したことにより、補助金の適正な支出と補助事業の目的に沿った事業実施となっている。
公債費に対する経常収支比率は、類似団体の平均を若干上回る状況で推移している。このことは、合併後、優先的に進めてきた大型投資事業に対する起債償還によるものであるが、今後も、歳入に見合った歳出の中での事業化により、地方債発行を精査し実質公債費比率の減少・維持に努める。
公債費以外に対する経常収支比率は、類似団体内順位の上位に位置しているが、人口減少に伴い散在する集落への行政サービスの提供や物件費の増加が財政運営を圧迫する要因としてなりつつある。健全な財政運営を維持するため、更なる事務事業の効率化や公共施設の統廃合を進め、長期展望に立った持続可能な財政の構築に努める。
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