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加速化する人口減少・高齢化に加え、中核産業に乏しいことや長引く不況、地価下落などを受けて市税収入が減少し、安定的な財政基盤の確保が困難であることから、類似団体平均を大きく下回る結果となっている。今後も、更なる行政改革を推進するとともに、第二次総合計画に掲げる重点施策を着実に実施し、「市民がいつまでも安心して暮らせるまち」の実現に向けた行財政の健全化を図る。
将来の公債費負担を考慮し、臨時財政対策債の実借入を発行可能額以下としたため、前年度比4.6ポイントの悪化が見られるものの、臨時財政対策債除きでは88.4%(前年度89.5%)と若干の好転を見せている。しかし、経常一般財源は普通交付税の合併算定替に強く依存している状態であり、合併算定替影響額を除いた試算では、既に財政硬直化の目安とされる90%を上回っている。現状における財政基盤の不安定さを認識し、合併特例期間終了後を見据えた行財政運営が不可欠である。
飛騨市は全国市第52位の広大な面積を有する山村地域であり、高齢化、人口・世帯数減少による限界集落も増加する中、画一的に行わねばならない行政サービスの効率が非常に悪く、人口当たりコストが高止まりする要因となっている。行政に対する住民ニーズも多様化する中、より適切で効果的な行政サービス提供を行うべく、知恵と工夫による行政コストの適正化に努める。
国家公務員の給与改定特例法措置により、ラスパイレス指数は初めて100を超える値となったものの、類似団体平均を大きく下回っているなお、参考値として示される特例措置除きの指数は93.3となり、財政状況や地域経済情勢に鑑みれば適正な水準を保っていると考えられる。現在、人事評価制度の本格導入を前に試行を実施しており、今後はより適切な給与体系を構築すべく制度改革に努める。
広大な市域にあって峠を隔てた旧町域別に市街地が存在し、更に山間地の僅かな平地に集落が点在する地理的条件の不利、また高齢化率33%を超え行動範囲が制限される住民が急激に増加していることも考慮した場合、一概に人口当たり職員数が過剰であるとは言い切れない。しかし、財政状況に鑑みれば職員人件費の抑制は避けられない情勢にあり、行政組織の見直しや職員の資質向上、外部委託の活用等の適正化を進め、必要最小限かつ住民の信頼に応え得る職員体制の構築に努める。
地方債残高のピークは既に脱したものの、合併特例期間中に進めてきた大型投資事業の地方債償還が本格化するため、元利償還金は平成20年代後半にピークを迎えるものと予想される。これらは交付税算入率の高い地方債を選択しており、算入公債費等の比率が向上したことにより、実質公債費比率の低減につながっている。しかし、依然として類似団体平均を上回る状況にあり、公営企業等に対する準元利償還金も増加しているため、普通会計の行財政改革はもちろん、企業会計等における一層の経営効率化、収益確保に努める。
ごみ焼却施設整備や学校耐震化事業など、主に合併特例債を活用した将来基盤の構築を実施してきたことにより、近年は大型の新規地方債発行が続いている。一方、過去の借入分は着実に償還し、高利または交付税措置のない案件は繰上償還を行うなど適切な残高管理に努め、既に地方債残高のピークは脱したものと見られる。同時に将来の財政運営を見据えた計画的な基金の積み増しを進めており、将来負担比率は類似団体平均を下回る水準で移行している。
類似団体平均を大きく下回っており、団塊世代の退職等により職員数も適正化の傾向を示している。給与は減少しつつあるものの、共済組合負担金が増加傾向を示しており、定員管理とのバランスの見極めが重要となる。また、合併特例期間に実施してきた大型投資事業が概ね完了し、これに伴う支弁人件費が縮小するため、経常経費における人件費の相対的な増加が懸念される。
類似団体平均を大幅に上回る水準で推移している。平成23年度に経常収支比率が悪化した要因は、観光施設にかかる指定管理委託料の一部について、これまで想定観光施設特別会計への繰出金として経理していたものを普通会計の物件費として直接経理することに改めた影響である。第二次行政改革アクションプランに基づき、予算編成時よりマイナスシーリングを設定しており、執行に際しても必要最小限の支出に留めるよう徹底し、徐々にではあるがその効果が現れてきている。
類似団体平均を大きく下回っているが、増加の一途を辿る高齢者対策、共生社会の実現を目指す障がい者福祉、加速化する人口減少を食い止めるための子育て支援など、市政運営上必要不可欠な経費となっている。地域ぐるみで支え合う体制を構築し、嵩み続ける経費をいかに抑制していくかが課題である。
例年以上の大雪による除雪経費の増嵩、公営企業・事業会計への繰出金が高額で推移していることが原因と考えられる。企業的性格の強い特別会計等にあっては、更なる経営の健全化・効率化を推進し、独立採算の原則の下、赤字補填のための繰り入れを削減するよう努める。
類似団体平均を下回る水準で推移していることは、市民団体などの理解を得つつ補助金の適正化を図ってきた結果と考えられる。今後は、商工・農林水産振興対策、地域活性化に向けての新たな補助制度を進めることとしており、より適正な補助金のあり方を検討しながら積極的に取り組む方針である。
類似団体平均を若干上回る水準で推移しているが、これは合併特例期間における大型投資事業の財源とした地方債償還が本格化したためである。平成20年代後半には公債費のピークを迎えると予想され、縁故債の任意繰上償還や臨時財政対策債の実借入抑制など、将来負担を考慮した適切な地方債管理を図っている。
類似団体平均を下回る水準で推移しているが、今後、公債費負担はもちろん人件費・扶助費といった義務的経費の比率が高まることが予想される。行政サービスの効率化、施設管理及び一般事務経費の更なる縮減を進め、経常収支比率の低減に努める。
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