地域において担っている役割
特に過疎地域である大和地域及び勝沼地域における安定した医療の提供を行うこと、市民の健康保持増進のために健康診断や人間ドックなどの疾病予防への取り組みを行っている。また、高齢化が進む中、在宅医療を積極的に行い、緊急時対応ベット等の役割、救急指定病院としての役割、災害時には災害支援病院として医療救護の提供の拠点としての役割を担っている。
経営の健全性・効率性について
①②経常収支比率が100%未満と低く、単年度の収支が良くない。医業収支比率も低下しており、根本的な改善が必要である。1月~3月(コロナ時)は他院からの入院患者の減により収益が減少した。③累積欠損金が出ないよう取り組む。④⑤⑥病床利用率、入院患者1人1日当たり収益及び外来患者1人1日当たり収益が類似病院平均値より低い、これは患者数が少ないこと、また外科常勤医1名のため、医療の投入量も低いため、内科の常勤医の配置が必須である。⑦⑧医療の投入量が低いこと、職員給与費に見合った収益を得ていないことを示している。そのため、医師の確保が必要である。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率では、類似病院と比べ少し高いことから、今後の計画的な改修等が必要である。②医療機械備品減価償却率は前年度に比べ償却率が増加しており、老朽化が進んできている。医療機械の入替を計画的に行っていく必要がある。③1床当たり有形固定資産の数値は類似病院平均値と比べ低く、過大な投資は行っておらず、問題はないと考える。
全体総括
平成3年より現在の病院事業として地域医療の一翼を担っている。近年では地域の医療事情の変化、高齢化などにより患者数は減少し、十分な収益が得られず、赤字経営が続いている。今後安定した医療の提供を行う上では、経営状態の改善は必須であり、地域医療構想を念頭に、この地域での病院の役割を明確にし、地域事情にあった医療体制の整備が求められる。また、常勤医師1名での運営には限界があり、医師の確保が必要と考える。