経営の健全性・効率性について

①収益的収支比率、⑤経費回収率から見ると、本町の漁業集落排水施設は、現行使用料金収入で汚水処理費用を概ね賄うことが出来ているが、地方債元利償還金を一般会計からの繰入金として受け入れることで経営を維持している状況である。今後は、人口減少等による使用料金収入減少や更新投資の増加が予想されるため、料金改定や維持管理費用の削減等、経営改善へ向けた取組みが必要である。⑥汚水処理原価については、類似団体平均値を下回っているが、より一層投資の効率化や維持管理費を削減させる取組みを行い、経営改善に努めていく。④企業債残高対事業規模比率については、類似団体平均値を下回っているが、供用開始後年数が経過しており更新等費用が多くなってくることから、今後は、料金改定を含めた使用料金収入の確保や更新計画の見直し等を行い、経営改善を図っていく必要がある。⑦施設利用率については、類似団体平均値より高い状況ではあるものの、汚水処理人口の減少等により施設利用率が低下傾向にあるため、より一層の加入者の増加に努めていく必要がある。⑧水洗化率については、類似団体平均値を上回っているが、啓発を行い更なる水洗化率向上に努めていく。

老朽化の状況について

昭和５８年度から事業に着手し、現在までに３集落において整備が完了している。最も経過している管渠で３８年、処理施設で３５年となっているが、現状としては管渠の更新・老朽化対策は実施していない。しかし、処理場については老朽化によって機械・電気設備の修繕が多くなってきているが、応急的な対応しか出来ていないのが現状である。今後は、集落排水の公共下水道への統合も含め、計画的に修繕や更新を行い、適切に対応していく必要がある。

全体総括

現在、漁業集落排水施設の整備は完了しているが、水洗化率の低迷や人口減少等による使用料金収入の減少、施設等の老朽化に伴う更新需要の増大等が大きな課題となっている。こうした中で、短期的な対策として、接続促進を強化することが重要であり、また、長期的な対策としては、将来的な施設の更新を見据え、定期的な点検等により適切な維持管理を行うとともに、ストックマネジメント計画に基づき維持管理費等のトータルコスト削減に努めることが重要である。今後、町全体の下水道計画区域の見直しを含め、更に効率的な下水道整備を推進することが必要である。