地域において担っている役割
当院は、志賀町における唯一の公立病院として、地域医療を支えていくという使命のもと、小児科・精神科など不採算診療も含め、急性期から生活期において、幅広く医療を提供する役割を担っている。救急医療体制の維持や高次機能病院の後方病院としての役割、更には地域の診療所、介護福祉施設等の後方支援なども行いながら、住民が安心して暮らすことができるよう医療体制を確保している。
経営の健全性・効率性について
当院は、経常収支比率が100%未満であるとともに、医業収支比率も低水準が続いている。現在は、他会計からの繰入金に依存しており、経営が非常に厳しい状況であることは否めない。今後、新公立病院改革プランに基づき、地域包括ケア病床の設置に伴う入院収益の増加や、介護医療院の開設などの改革を断行して、効果的・効率的な運営を図っていかなければならない。
老朽化の状況について
当院は、平成10年に建物を新築し、経過とともに減価償却累計額が増加している。また、器械備品については、平成24年度に電子カルテ及びMRIの高額機器を導入したことに伴い、建物と同様、年数とともに償却額が増加している。経営状況が厳しい中、有形固定資産の老朽度合いは高まっているが、今後は新公立病院改革プランに基づき、更新投資を最小限に抑制しながら経営健全化を図っていかなければならない。
全体総括
全国的に少子高齢化を背景とした人口減少が見込まれており、当院の地域においても当然予想され、患者数の減少により、今後も病院経営は厳しい状況が続くと思われるが、新公立病院改革プランに掲げる4つの視点に基づきながら改革を推し進め、経営改善を図っていかなければならない。