羽咋市：末端給水事業

経営の健全性・効率性について

①②収支は黒字で推移し、類似団体の平均値も上回っている。また、累積欠損金は発生していないが、人口減少に伴う料金収益の減少が見込まれることから、更なる経営改善に取り組む必要がある。③100％を上回っており、短期的支払能力は確保されているといえる。④平成28年度に基幹施設の更新事業が完了し、その後の企業債残高比率は減少傾向であったが、令和２年度については、基本料金の減免を行ったこともあり上昇した。⑤令和２年７月～10月にかけて新型コロナ対策として基本料金の減免を行ったため、100％を下回ったが、基本的には給水にかかる費用を料金収益で賄えている。⑥類似団体、全国平均ともに上回っており、今後人口減少に伴う給水収益の減少を鑑み、一層のコスト削減に取り組む。⑦類似団体、全国平均ともに下回っているため、今後の水需要の動向を慎重に見極めたうえでの施設規模の見直しを検討する必要がある。⑧類似団体の平均値より上回っているが、漏水対策や老朽管更新を進め、有収率の向上を図っていく。

老朽化の状況について

①類似団体よりも低い水準にあるが、増加傾向にある。今後、耐用年数を迎える施設が増加していくことが予想されるため、新水道ビジョンをもとに更新計画を進め、経営のバランスを取りながら長寿命化に取り組んでいく必要がある。②平均値を大きく下回っており、法定耐用年数を超えたものは、類似団体と比較して少ないものの、今後とも法定耐用年数を超えた管路の布設替えを推進していく必要がある。③類似団体と比較すると低い状況にあるが、計画的に管路の更新を行っており、今後とも計画に基づいて更新事業を進めていく。

全体総括

当市の水道事業の経営は概ね安定しているといえるが、今後は人口減少による料金収入の低下が見込まれるとともに、老朽施設や設備の更新を行わなければならないため、厳しい財政状況になると予想される。その上で施設の維持管理等については、費用と経営状況を正確に把握し、健全・効率的な経営を維持するよう、中長期的な計画をたて、実施していく必要がある。