経営の健全性・効率性について
平成29年度の収益的収支比率は106%台になっているが、これは新規の団地造成に伴う加入者分担金の増収及び平成28年度の配水管布設工事に伴う消費税の還付と公課費の減少等が原因となっている。料金回収率が平成25年度及び平成26年度は100%を超えていたが、平成27年度については80%台前半となっており、急激に収益的収支比率及び料金回収率が低下したが、平成29年度には98%台まで回復している。供給単価については毎年度ほぼ同額で推移しているが、給水原価についてはその年度の総費用に大きく左右されている。これは当村が規模の小さな事業体であり、村単独の修繕工事等を多く行った年などは給水原価が高くなり、料金回収率を下げることになるが、特別な事案が無い年は100%に近い数値になるためである。なお企業債残高対給水収益比率については類似団体と比較して低いが、現在策定中の経営戦略およびアセットマネジメントを元に、低い率を今後も維持できるように配水管の更新事業を計画的に実施していきたい。また、有収率が5ヶ年とも類似団体の平均値を超えており、効率よく料金収入を確保していることを表している。一方、施設利用率については、平成24年度から類似団体と同程度の約50%台後半で推移している。これは、地域での火災等の発生時にも安定した水道の供給体制を整えるために施設を拡張したことが利用率を押し下げた要因である。利用率に関しては、平成29年中に40世帯分の団地の造成がり、また31年度中に50世帯分の造成計画があるため、今後人口増加による利用率の上昇が見込める。
老朽化の状況について
本村では、平成の初めにかけて本村全域の管路の更新を実施している。そのため、管路の老朽化は類似団体と比較して進んでいないが、比較的古い本管の一部を平成31年度に更新する予定がある。
全体総括
本村においては、有収率や料金回収率が類似団体と比較して高い状況となっており、それらが経営を支えている。今後については、実施すべき管路の更新に備えるために継続して料金回収対策を実施する他、より有収率を高めることで、更なる経営の安定化・効率化を目指す必要がある。