経営の健全性・効率性について
①経費収支は100%を上回っており、単年度収支は黒字である、類似団体の平均値を下回っている。②累積欠損金は発生していない。③流動比率は100%を上回っており、類似団体と比較しても高い比率となっている。④類似団体と比較すると大きく下回っている。⑤料金回収率は類似団体と比較すると高い値となっているが、100%を大きく下回っており、不足する収入を一般会計からの基準外繰入によって補填している状況である。⑥主たる水源が地下水や伏流水であるため、類似団体平均を下回っている。⑦給水人口が年々減少傾向であることや、コロナの影響により宇奈月温泉エリアでの給水量が落ち込んだこともあり、類似団体と比較しても大きく下回っている。⑧漏水調査を実施し、漏水箇所の早期発見に努めており、類似団体と比較するとやや高い有収率となっている。
老朽化の状況について
簡易水道事業が発足してから50年以上が経過しており、類似団体と比較しても老朽管が増えていることから、今後とも計画的かつ効率的に、管路の更新に取り組んでいく必要がある。
全体総括
将来的に給水人口の減少と節水機器の普及により、給水収益の減少が見込まれる中で、老朽化した施設や管路の更新を進めていく必要があることから、簡易水道事業の財政は厳しい状況に置かれることが予想される。当市では、令和4年から段階的に料金改定を予定しており、料金の適正化による収入の確保、コスト削減等により、簡易水道事業の経営基盤の強化を図ることとしている。また持続可能な水道事業を行うためにも、アセットマネジメントによる長期的な更新計画をもとに、財源の確保と経営のバランスを取りながら、長寿命化に取り組んでいく必要がある。なお、令和2年度より企業会計へと移行し、経営戦略も策定済である。