経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は、77.25%となり、前年度と比較して、4.5ポイントの減少となりました。これは、令和元年度決算は、令和2年度から地方公営企業法を適用するため、3月31日で打切り決算を行っているからです。企業債残高対事業規模比率は、企業債残高の減少により、改善傾向にあります。経費回収率は、依然として100%を下回っており、汚水処理に係る費用が使用料以外の財源で賄われていることが分かります。水洗化率は、既に100%近くまで達しており、今後は横ばい状態が続くと考えられます。下水道事業経営の健全化に向けて、使用料の適正負担及び経費削減に取り組んでいく必要があります。
老朽化の状況について
今後、布設から50年を超えた管の延長が増加することが見込まれており、現在の更新のペースでは、全ての管を更新するまでには、長期的な時間と投資が必要となります。そのため、早急に対策が必要な管を洗い出し、優先順位をつけて、順次更新していく必要があります。
全体総括
下水道事業の経営にあたっては、受益者負担の原則に基づき、汚水処理に係る費用は全額下水道使用料で賄うこととされています。しかし、本市では、平成30年度に下水道使用料の改定を行い、収益的収支比率や経費回収率は改善したものの、依然、目標の100%に達しておらず、使用料収入だけでは汚水処理に係る費用を賄い切れていない状況です。引き続き、経費削減に努めるとともに、経営の健全性や計画性、透明性の向上を図っていきます。また、景気動向や令和2年度からの地方公営企業法適用により得られる損益やストック情報等を分析し、使用料の見直しについて、検討していきます。