経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は72.65%で、昨年度の比率と比較すると微増ながらも右肩上がりとなっており、若干の改善が見られます。しかしながら、指標の100%には達していないことから、依然として単年度収支は厳しい状況にあり、使用料収入以外の財源に依存している経営が続いています。企業債残高対事業規模比率は、本市の経年比較において昨年度よりも増加をしており、料金収入に対する企業債残高の割合が増加している状況です。また、経費回収率については、指標の100%を下回っている状況が続き、汚水処理に係る費用が使用料以外の収入により賄われていることがわかります。水洗化率は、すでに100%近くまで達していることや、今後大幅な人口増加は見込まれないことから、適正な使用料収入の確保が必要であると考えます。下水道事業経営の健全化に向けて、経営戦略を策定するとともに、さらなる経費の削減を実践していく必要があります。
老朽化の状況について
管渠改善率は、類似団体と比較すると極めて低い状況です。現在の管渠の更新ペースでは、すべての管路を更新するのに長期的な更新投資を必要とするため、老朽化している管路の中でも対策が急務な管路を洗い出し、優先順位をつけて更新していく必要があります。
全体総括
下水道事業の経営にあたっては、受益者負担の原則に基づき、汚水処理にかかる費用は全額下水道使用料で賄うこととされていますが、本市の下水道事業は、左記のグラフからもわかるように、収益的収支比率や経費回収率が100%に達していないことから、使用料収入だけでは賄えていない状況です。そのような状況を改善すべく、平成30年4月1日より下水道使用料の改定を行いました。今後は、改定後の状況や社会の経済情勢を見ながら、また経費削減等、より一層の経営努力を行いながら、更なる下水道使用料の改定が必要かどうか検討してまいりたいと考えております。