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類似団体平均よりは上回っているものの、神奈川県内では最低水準となっている。税及び税外未収債権の徴収強化等による歳入の確保、歳出面では、民間委託及び広域行政などの効率的な財政運営に努めているが、人口減少や高齢化、土地の評価額の低下等による税収減の影響により、徐々に減少している。
類似団体平均を10.5ポイント上回っている主な要因は、土地開発公社解散に伴い借り入れた「第三セクター等改革推進債」に係る公債費の負担により、平成23年度から大きく悪化しているためであり、財政の硬直化を招いている。これを是正するため、副市長を委員長とし各部長を構成員とする三浦市財源対策検討委員会を設置し、全庁的に緊急緊縮財政運営に取り組むとともに、税及び税外未収債権の徴収強化による徴収率の向上、普通財産のうち売却可能な土地の売り払い等を実施している。
類似団体平均と比較して、約70,000円下回っていることについて、技能労務職の退職者不補充等の人件費抑制策及び指定管理者制度を活用した民間委託の効果と考える。また、平成29年度から横須賀市との消防広域化を行ったことで人件費が減少している。今後も、民間委託できる業務について検討を進め、積極的なコスト削減を図っていく。
平成25年度4月から財政状況や国家公務員の給料減額措置等を踏まえて行政職及び消防職の管理職職員に対して5%の給料減額措置を実施し、10月からは管理職以外の職員についても給料減額措置を実施したほか、平成27年4月より、給与制度の総合的見直しを行い、行政職給料表において平均1.6%の引き下げを実施する等、給与の適正化に努めた。平成28年度以降も、人事院勧告に基づく給与改定を行い、給与について国公準拠を原則としている。今後も、国家公務員給与水準や本市の財政状況を踏まえ、適正な給与水準となるよう必要に応じて見直しを行っていく。
業務の効率化や民間委託等に取り組んできた結果、職員数全体では、平成17年4月1日と比較して平成23年4月1日までに117人、17.2%を削減し563人となった。また、病院及び消防を除く職員でも、平成23年4月までに75人削減して373人とし、類似団体の平均を上回る削減を行った。技能労務職の退職者不補充の取組みにより、令和元年度での病院及び消防を除く職員数は、平成23年4月と比較して48人を削減し、325人とした。今後は、実効性のある定員管理計画を策定し、更なる職員数の適正化に努めていく。
平成22年度に借り入れた「第三セクター等改革推進債」の元金償還が平成23年度から始まったため、依然として類似団体平均と比較して高い。元利償還額の減少により令和元年度は14.5%となったが、これまでに引き続き、歳入の確保や歳出の削減など、行財政改革に取り組んでいくとともに、公債費負担の適正な管理を行う。
平成22年度に「第三セクター等改革推進債」を借り入れたため、比率(平成22年度:212.7%)が大きく上昇したが、平成23年度からの元金償還により減少傾向にある。しかし、令和元年度において、ごみ処理施設や防災行政無線等に対する新たな借入に伴い、対前年比で5.5ポイント悪化している。類似団体平均値と大きくかい離した数値を改善するためには、早期に土地開発公社から引き継いだ二町谷埋立地等の売却に積極的に取り組むことにより、市債の償還を確実に進める必要がある。
平成27年4月に給与制度の総合的見直しを4月に実施し、改善に努めている。平成28年度以降においても、人事院勧告に基づく給与改定を行っている。今後も給与については国公準拠を原則としつつ、業務の効率化や職員数の適正化を図り、人件費の抑制に努めていく。平成29年度において比率が大きく下がっている理由は、横須賀市との消防広域化に伴い人件費が減少したためである。
物件費に係る経常収支比率は、積極的に指定管理者制度へ移行や民間委託化を行ったことにより、人件費から物件費(委託料)へのシフトが起き、類似団体内平均値を0.7ポイント上回った。今後も、市業務で民間委託化できる部分を検討していく。
扶助費に係る経常収支比率は、類似団体平均を1.1ポイント上回っており、主な要因は、前年度と比較して障害者自立支援給付費や生活保護費が増加したことにより、経常経費が増加となったことである。高齢化率の上昇等に伴い、今後も、扶助費は増加することが見込まれるため、資格審査等の適正化、市単の扶助費の見直しを進めていくことで、歯止めをかけるよう努める。
その他に係る経常収支比率が、類似団体平均を大きく上回っているのは、繰出金が主な要因である。全市が共通して設置している国民健康保険事業、後期高齢者医療事業及び介護保険事業のほかに市場事業や下水道事業の特別会計を設置しているためである。令和元年度において、市場事業会計への繰出金が減少となったが、介護保険事業会計及び下水道事業会計への繰出金が増額となっている。介護サービス費の高揚を抑えるため、介護予防事業に積極的に取り組むなど、負担額を減らしていくよう努める。
補助費等に係る経常収支比率は、平成29年度に消防広域化を行ったことにより、人件費から補助費等(委託料)へのシフトが起きたため、類似団体平均を2.0ポイント上回っている。今後も、補助事業の内容の精査や補助団体における決算状況、繰越金の有無等を勘案して、より適切な補助金支出に向けて取り組んでいく。
公債費に係る経常収支比率は、平成22年度に借り入れた「第三セクター等改革推進債」の元金償還により、類似団体平均を1.4ポイント上回る結果となっている。将来の公債費低減に努めるよう、その他の普通建設事業の抑制に取り組みつつ、土地開発公社より引き継いだ土地の売却等についても積極的に推し進める必要がある。
公債費以外の経常収支比率が、類似団体平均を大きく上回っているのは、繰出金によるものである。今後も改善に向けて、税の徴収強化等による歳入の確保や、あらゆる経費削減に積極的に取り組むように努める。
(増減理由)・財政調整基金の残高については決算剰余金約1億7千万円を積立てたことにより、増加している。また、その他の特定目的基金は、ふるさと納税寄附金の財源約2億9千万円を積立てたことにより全体として増加した。(今後の方針)・財政調整基金の残高については、健全な財政運営に資するため、適正な管理に努める、また、ふるさと納税寄附金の財源については、寄附者の意向を踏まえ、各基金に積立てを行い、基金の目的に沿った有効な施策を行うために取崩しを行うこととする。
(増減理由)・財政調整基金の残高については決算剰余金約1億7千万円、ふるさと納税寄附金の財源として約6千万円を積立てたことにより、増加している。(今後の方針)・財政調整基金の残高は、標準財政規模の10%程度となるよう努めることとしている。
(増減理由)・取崩し及び積立てが生じなかったため、変動なし。(今後の方針)・市債の満期一括返済の償還計画を踏まえた上で必要に応じて積立てを行う。
(基金の使途)・地域活性化推進事業基金:本市の特性を生かしたまちづくり事業を推進する。・奨学基金:教育の機会均等及び社会に有用な人材の育成に資することを目的として、経済的理由により修学が困難である者に、奨学金の貸付け及び給付を行う。・公共公益施設整備基金:公共公益施設の整備促進を図る。(増減理由)・地域活性化推進事業基金については、ふるさと納税寄附金の財源として、約2億4千万円の基金積立てを行ったため増額した。(今後の方針)・地域活性化推進事業基金:ふるさと納税の財源の積立てを行い、本市の特性を生かしたまちづくり事業に活用していく。
令和元年度については、63.0%であり、類似団体平均及び神奈川県平均と比較して高い状況にあることから、老朽化が至急の課題となっている。今後、策定した個別施設計画により、老朽化した施設の集約化、複合化及び除却を進め、適切な維持管理を行う必要がある。
令和元年度の将来負担比率は162.3%、有形固定資産減価償却率は63.0%であり、いずれも高い水準にある。将来負担比率は、平成22年度に借り入れた「第三セクター改革推進債」によるものの影響が大きく、有形固定資産減価償却率は、老朽化施設の更新等が進んでいないことによるものである。
将来負担比率、実質公債費比率とも減少傾向にあったが、ごみ処理施設の建設に伴い将来負担比率は上昇しており、いずれも類似団体と比較して高くなっている。主な要因は、平成22年度に借り入れた「第三セクター改革推進債」の元金償還によるものである。
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