経営の健全性・効率性について
①「収益的収支比率」につきましてはおよそ76%であり引き続き増加する傾向にありますが、これは高金利時に借り入れた企業債の償還が進み、償還金額が減となったことから増加したものです。②「企業債残高事業規模比率」につきましては、企業債の償還が進んだことから引き続き減少しました。⑤「経費回収率」につきましては、平均値には及ばないものの対前年度で1.15%伸びました。これは、企業債利子償還金等を含む汚水処理費が減額したことから回収率が伸びたものです。また、汚水処理費が減った一方で有収水量が増えたことから、⑥「汚水処理原価」は前年度よりも6.63円下がりました。
老朽化の状況について
稲城市の公共下水道事業は昭和56年度から始まっており、下水道管きょや人孔(マンホール)等の下水道施設(減価償却期間は50年)は比較的新しいものです。これらの施設を適切に管理するため、市では施設の点検や清掃を毎年行っております。今後は、施設の老朽化に計画的に対応するため、第四次稲城市長期総合計画期間内に下水道維持管理計画を策定します。
全体総括
現在、稲城市では公共下水道の整備区域拡大を図るとともに、供用開始区域における下水道への接続促進活動を行っているところです。水洗化率の上昇による有収水量の増加に加え、企業債利子償還金の減等汚水処理費が減額することから、経費回収率はまだ上がると予想することができます。しかしながら、老朽化が進む下水道施設については、今後維持管理経費が増大することが見込まれます。効率的で効果的な事業を継続的に実施し、安定した市民サービスを提供し続けるためにも、経費回収率を伸ばし、汚水処理原価の縮小につながる見直し等の取り組みが課題です。