経営の健全性・効率性について
総収益について、処理区域内人口が平成28年度末で280人と少なく、料金収入が少ないため、一般会計からの繰入金に依存している。施設の維持管理費や地方債償還金等の合計に対する総収益の割合を示す「①収益的収支比率」は100%を上回っているものの、汚水処理費に対する料金収入の割合を示す「⑤経費回収率」が類似団体平均値と比較し低い。料金収入に対する企業債残高の割合を示す「④企業債残高対事業規模比率」は、残高が平成28年度末で152,940千円あるが、一般会計からの繰入金で償還しているため、0%となっている。有収水量1m3あたりの汚水処理費を示す「⑥汚水処理原価」は、処理施設が小規模で水量が少ないものの、維持管理費は一定の規模必要となるため、類似団体平均値と比較し高くなっている。処理施設の汚水処理能力に対する一日平均処理水量の割合を示す「⑦施設利用率」は、汚水量の減少により、利用率が減少の傾向にある。処理区域内人口に対する水洗便所設置済人口の割合を示す「⑧水洗化率」は、集落ぐるみで下水道への接続に取り組んだことから、水洗化率は高く、処理施設が有効に活用されている。
老朽化の状況について
平成15年度に一部供用開始してから14年が経過したが、管渠の耐用年数が50年であることから、当面更新は要しない。一方、処理施設の一部の電気・機械設備が耐用年数を超え、更新が必要となっていることから、計画的な更新が必要である。
全体総括
集落規模が小さいため料金収入が少なく、一般会計からの繰入金に依存せざるを得ない状況である。処理施設は小規模であるが、一定規模の維持管理費は必要なため、今後必要となる老朽化した施設の更新を計画的に実施し、維持管理費の抑制に努める。また、事業の継続について見直しを行う。