経営の健全性・効率性について
寄居町農業集落排水事業は、令和元年度決算において、地方公営企業法の適用に伴う会計制度等の変更により令和2年3月31日時点での打切決算を行っている。このことから、3月31日以降の令和元年度の収支を特例的収支とし、今回数値の基礎に含めていないため、以上のことを踏まえ説明を行う。①収益的収支比率は委託料等の年度末の支出のほとんどが特例的支出となったことから今回基礎数値に反映されていないため100%を超えた。しかしながら、特例的支出を含めると⑤経費回収率と同様に100%を下回っており、使用料収入の確保、総費用の抑制等の経営改善に向けた取り組みが今後も必要である。④企業債残高対事業規模比率については、類似団体平均値を継続して下回っている状況であることから、経営の健全性に寄与していると考えられる。⑥汚水処理原価について、今回は改善しているように見えるが、特例的支出を含めた結果前年度と同じく類似団体平均値より高い数値となることから、今後も経費削減等の取り組みが急務である。⑦施設利用率は、類似団体平均値を継続して下回っていることから、接続率の向上による有収水量を増加させる取り組みが必要である。⑧水洗化率については、類似団体平均値を上回っているが、公共用水域の水質保全や使用料収入の増加等の観点からも水洗化率の向上への取り組みが必要である
老朽化の状況について
本町の管渠は供用開始後、8~24年が経過しているが、耐用年数からみてまだ新しい状況となっている。このため、早急に更新工事等が必要な状況ではない。しかしながら、施設については、最古で20年が経過していることから、維持更新、長寿命化等について対応していくことが必要と考えている。なお、令和2年度中に最適整備構想、経営戦略を策定するため、今後の維持管理、更新等についてはこれを基に計画的に行っていく予定である。
全体総括
今年度の各指標について、打切り決算に伴う特例的収支が発生したことから、経営の健全性・効率性に係る指標は前年度よりも改善されている。しかしながら、特例的収支を含めると未だ改善されていない項目もあることから、今後も計画的に安定した事業運営が出来るよう積極的な取り組みが必要である。また、水洗化率の向上について、当該率の向上により有収水量、施設利用率及び使用料収入の増加が見込め、経費回収率も向上することから経営改善も図れる。施設の老朽化対策については、令和2年度に最適整備構想、経営戦略を策定することから、これらを基に費用の分散化や長寿命化を図っていきたいと考えている。最後に、来年度は法適用初年度のため、これらの経営指標については特に注視していきたい。