経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率、⑤経費回収率収益的収支比率は昨年に比べて13.99%改善され102.98%で黒字を示している。経費回収率は、使用料で回収すべき経費を、どの程度賄えているかを表した指標であり、類似団体平均値と比較して低い値を示しているが、経年での比較では改善傾向がみられている。今後もホームページや町広報誌への掲載、戸別訪問等により事業の啓発を積極的行い整備基数を増やすことで使用料収入を増加させつつ、維持管理費用の削減方法等を検討していく必要がある。④企業債残高対事業規模比率企業債残高対事業規模比率(料金収入に対する地方債残高の割合であり、地方債残高の規模を表す指標)は910.08%で、類似団体平均値の386.46%と比較して高い値を示している。⑥汚水処理原価汚水処理原価は、有収水量1㎥あたりの汚水処理に要する費用を表した指標であり、昨年に比べて31.05円改善されている。類似団体平均値と比較して低い値を示している。⑦施設利用率、⑧水洗化率施設利用率及び水洗化率は、類似団体と比較して高い値を示している。設置後直ちに使用できるという合併処理浄化槽の特性により施設利用率及び水洗化率が高い数値を示している。今後もホームページや町広報誌への掲載、戸別訪問等により事業の啓発を積極的行い整備基数を増やしていく。
老朽化の状況について
当町の特定地域生活排水処理事業(横瀬町浄化槽設置管理事業)は、平成26年10月から整備を開始したものであり、現時点では老朽化による更新は実施されていない。合併処理浄化槽の駆体は土中に設置されるものであるため外的要因による劣化が発生しにくい面があるが、内部部品については摩耗等による劣化が駆体よりも早期に発生し軽故障等の原因となることが考えられる。しかし、新設・転換よりも設置年数が経過している帰属にあたる合併処理浄化槽において、老朽化が原因によりブロアの修繕や交換が数件発生している。今後も浄化槽法に規定されている保守点検、清掃、法定検査等の実施し老朽化の状況を把握するとともに内部部品については、保守点検等の結果に基づき、必要に応じて修繕等を行い浄化槽の機能が適正に発揮されるよう維持管理していく。
全体総括
当町の浄化槽設置管理事業は、下水道全体計画区域を除いた区域において合併処理浄化槽を設置、維持管理するもので、生活排水による公共用水域の水質汚濁を防止し、併せて生活環境の保全及び地域公衆衛生の向上を図るため必要不可欠な事業である。平成30年度末時点で当事業で管理している浄化槽は111基となっており、年間約20基ずつ増加している。使用料収入は、設置人槽に応じた定額制のため、設置基数に比例して増加しており、経費回収率は若干の改善傾向が見られる。維持管理については、保守点検及び清掃を業者委託して実施しており、各浄化槽の使用状況に応じた作業が必要となることや法定点検に要する費用もあるため一概に経費削減を図ることが難しい面もある。社会情勢の変化や財政状況に応じて使用料収入の確保方法や効率的な維持管理方法を検討しつつ安定した経営をしていく。