経営の健全性・効率性について
①経常収支比率前年度より0.65ポイント増加したものの、全国平均値及び類似団体平均値を依然下回っている。しかしながら黒字経営を示す100%以上の数値を出しているため、今後も収支の推移に注意し健全な経営を目指す。②累積欠損金比率本年度も0%を維持している。営業収益に対し、複数年にわたる損失はないことを示している。③流動比率前年度より22.78ポイント減少しているが、全国平均値を上回っており、1年以内に支払うべき債務に対して支払い可能な現金等がある状況を示している。④企業債残高対給水収益比率企業債に頼らず事業を行っている。返済は順調に続けているため、過去数年にわたり減少の傾向にある。⑤料金回収率前年度より8.84ポイント減少し、全国平均値及び類似団体平均値を大きく下回った。これは「新型コロナ感染症対応地方創生臨時交付金」を活用し、水道料金の減免を実施した影響である。⑥給水原価給水1.あたりの経費。例年と同程度であり、類似団体平均値を下回っている。安い原価で給水ができていることを示している。⑦施設利用率本年度も全国平均値を上回り、施設利用状況や規模が良好であることを示している。⑧有収率前年度より0.24ポイント減少したが、類似団体平均値を上回り、高い数値を維持している。施設の稼働状況が収益に反映されていると言える。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率有形固定資産の減価償却がどの程度進んでいるかを表す指標。前年度より0.48ポイント増加しているが、類似団体平均値を下回っている。依然として右肩上がりの増加傾向にある。②管路経年化率法定耐用年数を超えた管路延長の割合を示す指標。過去数年間は類似団体平均値を大きく上回っており、老朽化への対応が必要である。③管路更新率当該年度に更新した管路延長の割合を示す指標。前年度に比べ0.4ポイント減少しており、類似団体平均値以下である。令和2年度は管路の更新割合が少なく、更新ペースも進んでいなかったことを示している。今後は「重要給水施設配水管路耐震化及び老朽管更新事業計画」に基づいた更新工事を予定しているため、改善の見込みがある。
全体総括
令和2年度の経営の健全性・効率性については適正であると判断されるものの、料金回収率の低さや施設尾等の老朽化は依然として重要な課題点であり、今後の更新工事や企業債の借り入れ、未収金の解消等に取り組む必要があります。平成30年度に策定した経営戦略及びアセットマネジメント(資産管理)、令和元年度に策定した水道事業ビジョンに基づき、基本理念である「未来をつなぐ暮らしを守る安心・安全な滑川の水道」を目標に、住民の皆様が安心して水道を利用できるよう、より一層の経営基盤の強化を図っていきます。