経営の健全性・効率性について
①経常収支比率昨年度と同様に100%を超え、単年度黒字を満たしているが、一般会計からの繰入金によって維持している状況である。平成30年度に引き続き、令和元年度についても使用料改定を行ったため、昨年度より1.48ポイント改善した。②欠損金比率欠損金はなく、健全な経営状態である。③流動比率昨年度と同様に100%を超え、短期的な債務に対する支払能力は健全な状態である。平成30年度に引き続き、令和元年度についても使用料改定を行ったことにより流動資産が増えるとともに、企業債の償還が進んだことにより、流動負債が減ったことで、昨年度より30.86ポイント改善した。④企業債残高対事業規模比率近年は借入を抑制しているため、年々減少傾向にある。全国及び類似団体平均を下回っており、85.82ポイント改善した。⑤経費回収率全国及び類似団体平均を下回っているが、平成30年度に引き続き、令和元年度についても使用料改定を行ったため、昨年度より7.66ポイント改善し、類似団体平均とほぼ同程度となった。⑥汚水処理原価全国及び類似団体平均を下回り良好な状態であるが、有収水量が年々減少しているため、今後も効率的な維持管理による経費削減に努める必要がある。⑦水洗化率全国及び類似団体平均を上回っており良好である。今後も戸別訪問等による水洗化の推進や水洗化改造補助金による助成を実施することで未水洗化世帯の減少を図る。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率全国及び類似団体平均を下回る数値となったが、今後も減価償却を重ねることから、年々上昇していく傾向にある。このため、ストックマネジメント計画等に基づき、計画的に管渠の更新を行う必要がある。②管渠老朽化率全国及び類似団体平均を下回る数値となっているが、法定耐用年数を超過した管渠が増加したため、昨年度と比較し1.6ポイント上昇している。このため、ストックマネジメント計画等に基づき、計画的に管渠の更新を行う必要がある。③管渠改善率全国及び類似団体平均を下回る数値となっている。このため、今後も財源の確保に留意しながら、計画的に管渠の更新事業を実施していく必要がある。
全体総括
経営状況としては、平成30年度に引き続き、令和元年度に使用料改定を行ったことから、経費回収率が大きく改善し、また、単年度収支も黒字を確保した。さらに、短期的な債務に対する支払い能力もあり、健全な状況にあるといえる。しかしながら、経費回収率が100%未満であり、使用料によって汚水処理費用を賄うことができておらず、一般会計からの繰入金で不足分を補う状態である。今後は、法定耐用年数を迎える管渠が増加し、老朽管対策の事業費が増加することが見込まれるため、平成30年度に策定したストックマネジメント計画に基づき、事業費の平準化及び計画的な管渠の長寿命化に努めていく。