経営の健全性・効率性について
①経常収支比率100%をかろうじて超えているが、使用料収入が伸び悩んでおり、一般会計からの繰入金への依存度が比較的高いので、安定した経営のための対策の一つとして使用料の改定を行った。②累積欠損金比率累積欠損金は発生していないため、0%である。③流動比率平均値を下回っているが、管渠の整備途中であり、改善してきているので、将来的には問題ないと考える。④企業債残高対事業規模比率昨年よりもやや減少しており、一般会計負担額の増加が企業債残高の伸びを上回っている。⑤経費回収率100%を下回っており、本来使用料で回収すべき経費を賄えておらず、一般会計からの繰入金で補てんしている状況にある。また、「分流式下水道に要する経費」の影響を排除した場合の経費回収率は64.19%である。⑥汚水処理原価150円を超える部分については、「分流式下水道に要する経費」として一般会計から繰入れている。この影響を排除した場合の汚水処理原価は194.6円である。⑦施設利用率流域関連公共下水道であるため、処理場を持っていない。⑧水洗化率整備途中であるため、平均値を下回っている。経営健全化のために下水道への接続を促進させる取組が必要である。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率平均値を大きく下回っているが、これは平成27年度に公営企業会計に移行した際に、資産を新たに取得したと見なして帳簿価額を決定している影響であり、建設から40年を超えて老朽化が進んでいる管渠が存在する点に留意する必要がある。②管渠老朽化率、③管渠改善率建設事業が昭和50年度から開始されたため、耐用年数に達した管渠が存在せず、更新も行っていないため、0%となっている。
全体総括
経費回収率と汚水処理原価は、公費負担分により汚水処理原価が抑えられているにもかかわらず、使用料で回収すべき経費を賄えずに一般会計からの繰入金に依存している状況である。今後、人口減少や節水による使用料収入の減少、管渠の老朽化による長寿命化対策や更新に要する経費の増加が見込まれ、経営環境はより厳しいものとなることが予想される。そのため、令和元年10月から使用料を15%引き上げる改定を行った。あわせて、中長期的な経営の基本計画である「経営戦略」を策定し、収支の改善等を通じた経営基盤の強化を図ることが必要である。※本庄市下水道事業は平成27年度より地方公営企業法を一部適用し企業会計に移行したため、平成26年度の指標は表示していません。