経営の状況について
○収益的収支比率について・H27が高い比率となっているのは、発電施設の整備に充てた他会計からの借入金を当該会計に戻入するため、財源とした一般会計からの繰入金140,000千円を収益的収入として処理したが、他会計からの借入金に対する戻入を資本的支出として処理したことによるもの。・また、H29に消費税の中間申告分の支払い漏れをH30に支払ったため、総費用が増加し、100を下回る数値となっている。H30の総収益はほぼ全てが売電収入であり、繰入金等への依存はない。○営業収支比率について・H30の指標は697.2と高い数値であり、営業費用を十分賄えている。○供給原価について・H28から利益分全てを営業外費用として一般会計に繰出しており総費用額と発電量に変化があまり無いため、供給原価はほぼ横ばいとなっている。○EBITDAについて・H28から利益分を一般会計に繰出していることにより、低い数値となっている。また、今後もこの水準で推移する。
経営のリスクについて
○設備利用率について・資源エネルギー庁の「長期エネルギー需給見通し小委員会に対する発電コスト等の検証に関する報告」(平成27年5月発電コスト検証ワーキンググループ)で設定されている太陽光(メガ)の設備利用率は14%とされていることから、初年度9か月の稼働をしている当該施設は効率的かつ安定した運用が行えている。・数値の変動については気象状況や日照時間など環境的要因によるものである。○修繕費比率について・過去3年は修繕の必要が無かったため、数値は0となっている。・自然災害等により修繕の必要性が生じても対応できるように建物災害保険に加入している。・電気系統のトラブルが生じても対応できるようにメンテナンス契約を結んでいる。○企業債残高対料金収入比率について・初期投資に要する経費について企業債を発行していないため、企業債残高対料金比率が算出されない。○FIT収入割合について・固定価格買取制度による全量買取のためFIT割合が100%となっている。そのため当該制度の調達期間終了後、買取価格が下落し、収入が減少するリスクがあるため事業の廃止も含めて撤去費用を基金に積み立てている。
全体総括
・歳入・歳出共に過去3年から現状までは、大きい変化は無く、今後も大きな変化は考えられず、経営の状況は安定していると考える。しかし、太陽光発電量は気象条件や日照時間等の環境的要因により、経営状況が大きく変わる可能性がある。・発電設備の故障等のリスクについては損害保険に加入し、即座に対応できるようメンテナンス契約を結んでいる。・固定買取価格制度の調達期間終了後のあり方については、現時点で方針は定まっていないが、今後策定を予定している経営戦略において、事業の廃止も含めて検討していく。