10:群馬県
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安中市
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平成27年度の基準財政収入額は好調な法人税割に加え地方消費税交付金の増加により7億円以上増加したが、基準財政需要額も人口減少等特別対策事業費(平成27新設)や公債費(主に合併特例債、臨時財政対策債)等により7億円増加している。単年度の数値は改善したが微増であり、3か年平均では大きな変化はない。
法人税割は前回に引き続き伸び、また地方消費税交付金も4.6億円の大幅増であり、これらが他の歳入の減を吸収して、経常一般財源(分母)は1.8億円の増加であった。これに対して経常経費充当一般財源(分子)は人件費以外が全て増加して9.5億円の増となった。結果として比率は100%に近い水準まで悪化し、類似団体内でも最下位に近い。今回の悪化の原因は歳入の減ではないため、平成21や平成25のような法人税割が大きく変動した結果というより、一般財源の水準に対して経常経費が多過ぎる歳出の問題といえる。歳出規模を積極的に縮小していかなければ臨時一般財源(基金取り崩し等)に依存した赤字経営が続くこととなる。
住基人口が約700人減少しており、歳出が前年同額だった場合でも1,300円程度は指標が増加する計算となる。残り約5,800円が歳出の増加による影響額だが、例年の増加額を大きく上回っている。番号法関係、地方創生関係、温泉施設の火災復旧関係といった臨時の物件費が多いが、経常経費を減らしていかなければ、臨時の事業費の財源も確保できない。
類似団体が改善を続ける中、本市は微増を続けており、今回ついに類似団体平均との関係が逆転した。類似団体平均、県平均、全国平均いずれと比較しても多い職員数であり、改善の余地があると思われる。
公債費が引き続き増加したことにより、平成27年度単年度及び3ヵ年平均の数値がともに上昇した。公債費は次回さらに増加することに加え、次回の3ヵ年平均には含まれなくなる平成25年度単年度の数値が6%と低いため、次回もほぼ確実に数値が悪化する見込である。改善を続けている類似団体平均より良い数値は維持できない可能性が高い。
地方債現在高は増加(+6.4億)しているが、基準財政需要額算入見込額の増加額(+5.1億)と相殺されており、将来負担額の増は大きくはない。基金(-4.1億)と将来充当可能と見込まれる都市計画税収(-3.2億)が原因で充当可能財源等が減少しており、比率が増加した。毎年の償還元金が大きいため、地方債現在高は減少していく見込であるが、今後は財政調整基金の取り崩しが続く見込であるため、次回以降も比率の悪化は避けられない状態である。
今年度の経常収支比率において経常経費充当一般財源(分子)が唯一減少した経費が人件費であった。人件費の総額自体は前回よりも増えているが、勧奨退職者分(臨時的経費)の増によるところが大きいためであり、経常経費は減少している。
他の費目と同様に、経常一般財源(分母)の増にもかかわらず、それを超える経常経費充当一般財源(分子)の増加により比率は悪化している。義務的経費や補助費等、繰出金等コントロールしにくい経費が軒並み増加する中、物件費は第一に抑制対象となる経費である。類似団体平均も悪化しているとはいえ、物件費を抑えていかない限りは経常収支比率は悪化するばかりである。
前回の増加幅を超える8,800万円の増加となった。分母である経常一般財源以上に増加しているため、比率は悪化している。増加傾向である上に、類似団体平均よりも高い水準が続いているため、単独事業や上乗せ分、受益者負担について見直す余地があると思われる。
維持補修費、繰出金ともに増加しており、数値は悪化している。維持補修費はごみ処理施設の修繕、繰出金は国民健康保険特別会計分の増による。類似団体平均より悪い年が続いているが、国民健康保険税率が比較的に低廉であることが原因として大きいと思われる。
病院事業に対する負担金が4.3億円の増加となり、ほぼその影響のみで比率は大幅に悪化した。経常経費充当一般財源は全経費中最大の増加幅で、扶助費を上回る水準となった。病院事業の経営改善・改革は急務である。補助費等は元来物件費に並んで裁量がある経費であり、既存の補助金であっても見直しをより推進しなければならない。
公債費は前回に引き続き増加しており、増加率も高く、比率も悪化した。経常収支比率において人件費に次いで高い割合を占めている。今後も30億円近い水準が続くことが確定しているため、他の経費の抑制は必須である。公債費の水準が上がりすぎないよう地方債発行をコントロールしていく必要がある。
平成25年度の悪化は歳入の大幅な減少によるものであったが、それを除けば経常経費の増加が続いており、今年度の悪化もその延長にあるものであることが分かる。財政力指数は類似団体内でも悪くないことから、経常一般財源(分母)は比較的大きいと思われる。これは、仮に類似団体と同じ比率であっても、人口規模からみれば手厚い歳出であることを意味する。類似団体平均より低い比率を目指すべきところ、今回のような高い比率となる状態は早急に改善する必要がある。