経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率は、汚水処理費の増加により、96.14%と昨年度より悪化しています。H30年度は下水道使用料を改定しましたが、さらなる収入の確保及び支出の削減が必要な状況です。なお、汚水処理費が増加した理由は算定方法見直しによるもので、大きな支出増を伴っているものではありません。④企業債残高対事業規模比率は、H29当該値:【誤】887.66→【正】352.95企業債は分流式下水道に係る借入であり、その一部については一般会計が負担すべき経費として扱っていることから、数値は低いものとなります。⑤経費回収率は99.3%であり、H30年度に汚水処理費が増加したため、昨年度よりわずかに減少しておりますが、使用料で回収すべき経費をほぼ使用料で賄えています。また、近年は類似団体平均値を上回り90%以上を推移しているものの、今後の維持管理費や管渠の老朽化に伴う更新などに費用を要することが懸念され、更なる汚水処理費の削減及び適正な使用料収入の確保が必要であると考えられます。⑥汚水処理原価は、H29年度に減少しましたが、H30年度は汚水処理費の増加により168.38円と類似団体平均を上回っており、汚水処理費(維持管理費等)の削減に努め、有収率・接続率の向上への取り組みを行う必要があります。⑦施設利用率は、流域下水道に接続しているため、処理場を有しておらず、数値は対象外となります。⑧水洗化率は、類似団体・全国平均値を上回っており、年々上昇しております。引き続き加入促進を行い、接続率向上に努めます。
老朽化の状況について
公共下水道事業の建設工事は、荒川本郷地区、筑波南第一工業団地の整備を進めていますが、今後は老朽化が進む下水道施設の維持管理が中心になっていきます。長寿命化計画や現在策定中のストックマネジメント計画に基づき、毎年管渠調査等を行い、計画的に管渠及び人孔補修を行っていきます。また、現在公営企業法適用化に向けて、取り組みを行っているところですが、固定資産台帳の整備完了後には②の管渠老朽化比率も見据えたうえで、財源確保とのバランスを考慮し、適切に改善を行います。
全体総括
経営の健全性は一定程度保たれているものの、今後ポンプ場・管渠の老朽化が進んでいくことから、維持管理へ移行し、より維持管理・修繕工事等の事業費増加が想定されます。修繕計画に基づく費用、それらの財源確保(使用料、起債等)や、企業債残高等の事業収支のバランスを注視しながら、本来の目的である水質保全を保てるよう、計画的に維持管理を行います。また、共同化・広域化の検討を行い、施設更新・維持管理コストの低減や下水道経営の効率化を図ります。H30~R3年まで接続補助制度の積極的な活用が図れるよう、戸別訪問や郵送による接続推進活動を実施し、接続率向上及び使用料収入の増加を目指します。また、下水道施設における維持管理費削減のため、電気使用料契約を見直します。今後も一般会計からの繰入に頼らない健全経営を目指し取り組んでまいります。