経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率収益的収支比率では、平成24年10月の料金改定にて比率の向上はみられているものの97.76%に留まっております。安定した経営を確立するためには、使用料収納率99.1%を平成30年度には99.3%、また、下水道接続率96.0%を平成30年度には98.9%をそれぞれの目標としております。また再度の料金改定を検討し、健全な経営をめざし取り組んでいきます。④企業債残高対事業規模比率企業債残高は少しずつ減少しております。企業債は分流式下水道に係る借入であり、その一部については一般会計が負担すべき経費として扱っていることから、数値は低いものとなっております。⑤経費回収率ほぼ90%以上を推移しており、類似団体平均値を上回っていますが、適正な使用料収入の確保及び汚水処理費の削減が必要と考えられます。⑥汚水処理原価類似団体平均を下回っていることから適正と考えられます。⑦施設利用率流域下水道に接続していることから、処理場を有しておらず、数値は対象外となります。⑧水洗化率類似団体平均値を上回っており、水洗化率は上昇しております。引き続き加入促進を行い、接続率向上に努めます。
老朽化の状況について
公共下水道事業の建設工事は、現在、荒川本郷地区を中心に行われています。今後においては、維持管理が中心になっていきます。毎年、管渠調査を行い計画的に管渠及び人孔補修を行っています。長寿命化計画を策定し、計画的に更新を行っていく必要があります。また、現在公営企業法適用化に向けて、取り組みを行っているところですが、固定資産台帳の整備完了後には②の管渠老朽化比率も見据えたうえで、財源確保とのバランスを考慮し、適切に改善を行います。
全体総括
平成24年の料金改定で、経営の健全性は一定程度保たれているものの、今後ポンプ場・管渠の老朽化が進んでいくことから、維持管理へ移行し、より維持管理・修繕工事等の事業費が増加していくことが想定されます。修繕計画に基づく費用、それらの財源の確保(使用料、起債等)や、企業債残高等の事業収支のバランスを注視しながら、本来の目的である水質保全を保てるよう、計画的に維持管理を行ってまいります。また、営業収益で賄えない不足財源を一般会計の繰入金に頼っていることから、加入促進活動の推進及び接続率向上による使用料収入の増加を図るとともに再度の料金改定を検討し、一般会計からの繰入に頼らない健全な経営を目指し取り組んでまいります。