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2011年度
2010年度
指定団体等の指定状況
財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
人口の推移
産業構造
財政比較分析表(2017年度)
財政力
財政力指数の分析欄
基準財政需要額と基準財政収入額がいずれも増加基調であるが,わずかに基準財政収入額の伸び率が上回っていることから,平成25年度より一貫して改善しており,類似団体平均より若干良好な状態を維持している。基準財政需要額では,社会保障関連経費や臨時財政対策債をはじめとした公債費が逓増している。基準財政収入額は,経年では市税の起伏は大きくなく,地方消費税交付金を中心とした依存財源に牽引されている。今後の本指数の向上・安定化のため,企業誘致や定住促進による市税増収等、自主財源の創出をはじめとした財政基盤の強化に取り組む。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
悪化に転じた前年度から改善し,類似団体平均より若干良好な水準となったが,全国・茨城県平均には届いていない。市税の増収及び前年度の悪化原因であった地方消費税交付金や臨時財政対策債の回復により,分母である経常一般財源等が増となった。また分子である経常経費充当一般財源においても人件費や物件費の増があったが,分母の増率が分子の増率を上回ったことから平成29年度は0.8ポイント改善した。より健全であった平成27年度と比べると扶助費が増加しており,今後も逓増見込みであることから,物件費や公債費等の経常経費の圧縮,自主財源の確保に努め,条例での目標値である90.0%に近づけるよう,財政の健全化を推進していく。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
ごみ・し尿処理や消防業務を一部事務組合で実施していることから,過去の実績同様,類似団体平均より少なくなっているものの,決算額は逓増基調にあり,類似団体平均との優位差も小さくなってきている。平成29年度は地域手当の段階的な引上げによる増,基幹系システム更新関係費や小学校へのタブレット導入関係費に牽引されて増加した。「第6次龍ケ崎市人員管理計画」に基づき人件費の肥大を抑制するとともに,物件費は公共施設等総合管理計画に基づき,施設管理運営費のコスト削減を図っていく。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
平成21年度までの給与構造改革,平成27年度からの給与制度の総合的見直しや人事院勧告などに伴う給与施策の実施および退職補充の抑制を引き続き実施していることから,類似団体平均よりも低い水準が続いている。今後も「第6次龍ケ崎市人員管理計画」に基づき,さらなる給与水準の適正化を図っていく。※平成29のラスパイレス指数は,国による調査結果が未公表のため,前年度の数値を引用している。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
人口千人当たりの職員数は,依然として類似団体平均より少ない傾向にある。しかしながら,今後も退職者の再任用希望者が増える見込みであるので、引き続き「第6次龍ケ崎市人員管理計画」に基づき,正職員のみならず,専門的・期間限定的職員および臨時・非常勤職員を含めた,適正な定員管理を進めていく。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
平成25年度以降改善基調であり,依然として類似団体平均より良好な水準を維持している。3ヵ年平均の指標であり、平成26年度単年度実質公債費比率(4.9%)と平成29年度単年度実質公債費比率(4.3%)の比較において、平成7・8年減税補てん債元利償還の終了や事業費補正により基準財政需要額に算入された公債費が大幅に減となったことが大きな理由である。今後も,起債の償還方法の検討を重ねていくとともに,既往債の借換を行うことで,元利償還額の抑制に努めていく。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
起債償還の進捗による地方債残高の減や債務負担行為に基づく支出予定額などの減から将来負担額が減っているとともに,基金をはじめとする充当可能財源等の増により,平成26年度以降将来負担比率は算出されず,昨年度に続き,類似団体内で1位となっている。今後,道の駅整備事業や公共施設再編・老朽化施設更新などを予定していることから,引き続き起債や基金の適正管理に努めていく。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2017年度)
人件費
人件費の分析欄
平成26年度以降逓増基調ではあったが,平成29年度は近年では初めて類似団体平均を上回る水準となった。地域手当の段階的な引上げによる増(7%→8%)や一般会計職員数の増(8人)をはじめ,学童ルームや公立保育所等の非常勤職員の増に起因している。今後も退職者の再任用希望の拡大が見込まれることから「第6次龍ケ崎市人員管理計画」に基づく人員管理により正職員・臨時・非常勤職員の網羅的な定員管理に努め,人件費の肥大化を抑制する。
物件費
物件費の分析欄
類似団体平均より良好な水準ではあるが,平成25年度以降,逓増基調にあり,類似団体平均値との差も縮まりつつある。指定管理制度による施設運営が主な逓増理由であるが,平成29年度は基幹系システム更新関係費と小学校へのタブレット導入関連費が主な増加要因である。施設管理・運営経費や電算経費の精査を行いつつ,公共施設再編等の長期的な改善に取り組んでいく。
扶助費
扶助費の分析欄
逓増基調であった扶助費においては,平成29年度は子どものための教育・保育給付費の減により減少に転じ,類似団体平均値より低い比率であった。扶助費については社会保障の拡大により今後も肥大化が見込まれるが、単独事業については,国や県の制度との整合を図るなど,事業の適正な認定や執行に努める。
その他
その他の分析欄
依然として類似団体平均を下回る水準となっており,前年度と比較しても改善している。平成29年度は,前年度の増加要因であった流域下水道負担金の減により公共下水道事業特別会計への繰出金が減少したことから改善している。平成32年度から公共下水道事業は公営企業会計へ移行するため,より経営・資産状況の明確化と精査を行うことで適正な経営に努め,一般会計への依存を抑制する。
補助費等
補助費等の分析欄
補助費等が占める経常収支比率は毎年改善傾向にあり,類似団体平均との劣位差も減縮しつつある。平成29年度においては,一部事務組合である稲敷広域市町村圏事務組合及び龍ケ崎地方塵芥処理組合への負担金が減となったことが主な改善要因であった。今後も補助金等の適正化に努めるととともに,一部事務組合の基金活用等の経営内容精査も行い,負担金の軽減を図り,類似団体平均と同等の水準を目指していく。
公債費
公債費の分析欄
類似団体平均より僅かに比率が高いが,徐々にその差は減縮基調にあり,比率自体も改善傾向にある。既往債の償還進捗により,地方債残高が減っていることによるものや,経常経費充当一般財源の伸長によるものに起因している。今後も臨時財政対策債や道の駅整備事業,公共施設再編等の起債が予定されてはいるが,既往債の借換のほか,新規投資事業の総量・年度間調整を行い,新規借入額が起債償還額を超過しないよう,適正な管理に努めていく。
公債費以外
公債費以外の分析欄
平成25年度以降,類似団体平均より良好な水準を維持しているが,平成28年度から公債費以外の経常収支比率の割合が多くなっている。公共下水道事業特別会計をはじめとする特別会計への繰出金が逓増していることや,システム更新関係費等で物件費の比率が高くなっていることが原因である。今後,社会保障関係費の増が見込まれることから,市税の徴収率向上に向けた取組などを継続し,第2次中期財政計画に掲げる,単年度で1億円の歳入確保を目指していく。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)
目的別歳出の分析欄
平成29年度の歳出決算総額は,市民一人当たり311,665円であり,教育費を除き,類似団体平均より各歳出とも下回っている。平成29年度の特に大きな増減は庁舎新附属棟建設工事の竣工に伴う総務費の減と基幹的設備改良に係る龍ケ崎地方塵芥処理組合負担金の減による衛生費の減,介護施設等整備支援事業(補助金)の皆増と子ども・子育て支援事業の増による民生費の増である。民生費の決算額内訳でみれば、老人福祉費は臨時的な経費での増であったが,児童福祉費・生活保護費については経常的な扶助費による増であり,今後も増嵩していくことが想定される。教育費は,総合運動公園等改修事業や義務教育施設整備基金積立金の大幅減があったものの,施設の長寿命化を図るための小学校施設の改修や小学校へのタブレット導入費による増により,前年度に引き続き類似団体平均を上回っている。平成25年度以降逓減していた公債費は,平成25年度臨時財政対策債の償還開始や,将来の単年度負担や総支払額を抑えるために償還据置期間の見直しを行ったことにより増加に転じた。逓増を続ける民生費をはじめ,道の駅整備事業や公共施設等総合管理計画に基づく公共施設改修・再編等による総務費や教育費の財政需要の増大が見込まれるため,各費目において経費削減に努めるとともに,財源の調達方法を精査することで,歳入・歳出両面から財政健全化に取り組む。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)
性質別歳出の分析欄
平成29年度の歳出決算総額は,市民一人当たり311,665円であり,前年度と比較して13,260円減少しており,平成27年度と比較しても3,516円減少している。また,いずれの経費も類似団体平均より少額である。主な構成項目である扶助費は逓増しており,各種臨時福祉給付金による臨時的な増加も一因ではあるが,子ども・子育て支援事業や医療費扶助に係る生活保護費等の経常的な扶助費の増加が主な要因となっている。次に大きな割合を占める人件費は,平成29年度は地域手当の段階的な引き上げ(7%→8%)に伴う増や地方公務員共済組合等負担金の増,一般会計職員の人数が8名増したことに起因し,伸長している。普通建設事業(うち新規整備)では総合運動公園リニューアル事業や庁舎新附属棟の竣工により平成29年度は減少に転じているが,今後道の駅整備事業が控えているため,改めて増加に転じることが見込まれる。また普通建設事業費(うち更新整備)についても老朽化した公共施設の長寿命化等の財政需要の拡大が見込まれるため,普通建設事業費全体で肥大化が進まないよう公共施設等総合管理計画に基づき,適正管理に努める。積立金は前年度比で71%の減となっている要因として,近年積立を行っていた財政調整基金及び特定目的基金である公共施設維持整備基金並びに義務教育施設整備基金の積立金の減やふるさと納税を原資としたみらい育成基金の積立金の減によるものであるが,積立金残高比率は市条例に定める35%を上回る43.2%を維持している。逓減基調であった公債費は,平成25臨時財政対策債の償還開始や,将来の単年度負担や総支払額を抑えるために償還据置期間の見直しを行ったことに影響され,増加に転じた。
実質収支比率等に係る経年分析(2017年度)
分析欄財政調整基金残高は,財政健全化を着実に実行して確保した収支黒字分の積み増しを平成22年度から平成27年度に行ってきており,急速に残高が回復した。平成28年度は,特定目的基金への積み増しを優先したため,前年度と同水準で推移した。平成29年度は,高齢化の進展等による社会保障関係費の増等により,厳しい財政状況に転じたものの,取崩しを回避し,前年度と同水準を維持した。実質収支額は,前年度と同水準を確保しているものの,基金への積み増しを行っていない状況から,収支額は実質的には減少している。高齢化社会の進展や公共施設等のストック対策の財政需要等により,厳しい財政運営が続くと予測されるが,龍ケ崎市財政運営の基本指針等に関する条例に基づき,財政健全化の取組を推進し,実質収支額及び財政調整基金残高の適正規模の確保に努める。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2017年度)
分析欄平成25年度から平成29年度までのすべての会計において黒字決算となったため,連結実質赤字比率は算出されていない。一般会計は,隔年ごとに比率の上昇と低下を繰り返しており,平成29年度は再び上昇に転じた。これは,くりーんプラザ・龍の改修工事が平成28年度に終了したことに伴い,平成29年度の歳入面では,震災復興特別交付税が6億8,400万円の減収,歳出面では龍ケ地方塵芥処理組合への負担金が8億5,300万円の減額となり,歳入よりも歳出の減額幅の方が大きかったことが主な要因である。さらに基金への積立金が2億7,300万円減額となったことも加わり,実質収支が増額となる結果となった。国民健康保険事業特別会計も隔年ごとに上昇と低下を繰り返しており,平成29年度は比率が低下した。これは,加入者の減により国民健康保険税が大幅に減収となったことや,前年度からの繰越金を含む余剰金の積立金が前年度より1億4千万円増と大幅に増えたことが大きく影響している。反対に,介護保険事業特別会計においては,平成27・28年度と低下基調にあったものが,平成29年度においては介護保険料の増収により上昇した。今後は,道の駅の整備事業,新学校給食センター及び新保健福祉施設の建設といった大型事業を控えていることを鑑み,中期事業計画や財政収支見通し等に基づいた計画的な財政運営に取り組んでいくとともに,市税等の徴収の強化や基金の適正管理,適正な市債発行といった歳入確保にも,より一層力を入れていく。
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実質公債費比率(分子)の構造(2017年度)
分析欄実質公債費比率の分子は,平成25年度から平成27年度にかけては減少傾向にあったが,平成28年度から増加傾向へと転じた。平成29年度においても増加傾向が続いている要因として挙げられるのが,元利償還金の増額と算入公債費等の減額である。元利償還金が増額となったことには,平成25臨時財政対策債の元金償還開始や,将来の単年度負担や総支払額を抑えるために償還据置期間の見直しを行ったことが大きく影響している。今後も,道の駅の整備事業,新学校給食センター及び新保健福祉施設の建設において市債の発行が見込まれるが,借り入れの際には,償還期間や据置期間の有無などといった借り入れ方法を検討することで,償還負担の平準化に努め,適正に管理をしていく。
分析欄:減債基金
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将来負担比率(分子)の構造(2017年度)
分析欄将来負担比率の分子は,平成25年度以降,減少傾向が続いている。平成29年度においても減少傾向が継続している理由としては,将来負担額のすべての項目が減となったことに加え,充当可能基金および充当可能特定歳入が増となったことが挙げられる。将来負担額においては,一般会計等に係る地方債の現在高の減による影響が大きく,これは,新規借入を抑制し,基金を活用したことによる成果といえる。一方で,充当可能基金が増となっているのは,特別会計において,収支余剰金を積み立てたことなどにより,国民健康保険支払準備基金や介護保険支払準備基金の残高が増えたためである。今後は,常磐線佐貫駅駅名改称においては基金の取り崩しを,道の駅整備や新学校給食センター,新保健福祉施設建設においては市債の発行を予定している。しかしながら,市債に頼りすぎることなく,なおかつ基金の枯渇を招かぬよう,各種計画に基づいた適正な基金・市債管理を行うことで,将来負担額の大幅増を回避していく。
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基金残高に係る経年分析(2017年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)財政健全化の取組で確保した収支改善額等を基金に積み増し,龍ケ崎市財政運営の基本指針等に関する条例に掲げる積立金残高比率の目標値35%を達成するなど(平成27:42.5%,平成28:44.3%),平成28年度まで堅調に伸長した。29年度は,ふるさと納税等を原資としたみらい育成基金等の積立のみにとどまり,収支改善等による剰余金を活用した積立を行うことができなかった。一方,公共施設等の老朽対策等で1億3,000万円(公共施設維持整備基金,義務教育施設整備基金),道の駅整備事業やプレミアム商品券事業などの臨時事業で1億1,700万円(地域振興基金)を取り崩したこと等により,基金全体として1億5,000万円減少した。(今後の方針)将来の公共施設等のストック対策,臨時的な財政需要等への備えとして基金残高の確保は重要である。一方,人口減少社会や景気変動による不安定な歳入環境,高齢化社会の本格化による社会保障関係費の増等,財政状況が非常に厳しいなか,積立原資を確保するのが難しい局面にきている。当面,基金残高は減少傾向になると見込まれるが,龍ケ崎市財政運営の基本指針等に関する条例の積立金残高比率の目標値を維持するとともに,財政健全化の取組を加速し,基金への依存を軽減していく。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)財政健全化の取組や歳入環境の改善などにより確保した収支改善額を堅実に積み増した結果,急速に残高が回復した。平成27年度から残高が同水準であるのは,平成28年度は将来の公共施設等のストック対策を見込み,特定目的基金への積立を優先的に行ったため,平成29年度は厳しい収支状況から積み増しを行わなかったためである。(今後の方針)最低限維持すべき水準を標準財政規模の10%である10億円としたうえで,景気の急激な変動等による歳入の下振れや災害時の備えとして,単年度の収支ギャップを10億円,平時への回復期間を3年間と想定し,標準財政規模の約20%にあたる30億円程度の残高維持を目指す。
減債基金
減債基金
(増減理由)利子分の積立以外の増減はなく,同水準で推移している。(今後の方針)総合運動公園の建設に伴い積み立てた分について,総合運動公園にかかる地方債償還に充てる予定である。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)地域振興基金:地域における福祉活動の促進,快適な生活環境の形成に資するため,にぎわいの創出等の活性化を図るとともに国際交流をはじめとする市民の交流事業を円滑に推進。みらい育成基金:各種事業を実施し,寄附者の龍ケ崎市に対する思いを具現化することにより,様々な人々の参加による個性豊かな魅力あるまちづくりに資することを目的。(増減理由)公共施設維持整備基金:地域活動の拠点であるコミュニティセンターの修繕や総合運動公園の施設設備等の更新工事の財源として9,000万円を充当。利子分及び土地売払収入の300万円を積立,合計で8,700万円の減少。みらい育成基金:基金の充当対象となる,活気,にぎわい及び新たな活力を創造し,まちの魅力を高めるための事業,未来を担う子どもたちのための事業など各種事業に6,500万円を充当。他方,基金の原資となるふるさと龍ケ崎応援寄付金の寄付額1億8,300万円を積立,合計で1億1,800万円の増加。(今後の方針)平成31年度に予定するJR常磐線佐貫駅駅名改称事業(「龍ケ崎市駅」へ改称)のため,みらい育成基金:1億8,300万円,地域振興基金:1億9,500円を充てる予定である。今後においても,庁舎を含む,公共施設等のストック対策などの財政需要が高まるとともに地域振興やにぎわいの創出など活性化に向けた施策にかかる財源として基金は重要な役割を担っている。当面,厳しい財政状況が続くと見込まれるが,基金残高の確保に努める。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2017年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
有形固定資産減価償却率は,前年度と比較して1.8ポイント上昇しているが,3か年とも類似団体平均を下回っている。これは平成28年度策定の公共施設等総合管理計画を基に,計画的な予防保全を行い長寿命化を図ってきた成果と考えられる。ただし,庁舎を初め,多くの施設で老朽化が進んでおり,いずれは類似団体平均を上回ることも想定できることから,今後控えている新保健福祉施設や新学校給食センター等の計画を着実に進めていくと共に,その他の施設についても各長寿命化計画や公共施設等総合管理計画に基づき,適切な維持管理に努めていく。
(参考)債務償還比率
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
当市では,充当可能財源等が将来負担額を上回っているため,将来負担比率は算出されておらず,有形固定資産減価償却率については,いずれの年度も類似団体平均を下回っている。今後は,道の駅や新学校給食センター,新保健福祉施設等の大型の建設事業を控えていることより,これまで上昇し続けてきた有形固定資産減価償却率は一時的に低下することが予想されるが,反対に将来負担比率は上昇することが見込まれる。しかしながら,将来負担比率が急激に上昇することのないよう,市債や基金の適正管理に努めていく。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
将来負担比率は,平成25年度を最後に算出されていない。実質公債費比率については,平成25年度以降低下傾向にあり,いずれの年度も類似団体平均を下回っている。これは,市債の新規発行抑制により元利償還金が減少していることと,都市再生機構立替返済の償還進捗により,公債費に準ずる債務負担行為の支出額が減少していることが要因である。今後は,大型の建設事業等により,将来負担比率・実質公債費比率ともに上昇することが見込まれるため,これまで以上に公債費の適正化に取り組んでいく必要がある。
施設類型別ストック情報分析表①(2017年度)
施設情報の分析欄
類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が低くなっている施設は,認定こども園・幼稚園・保育所および公営住宅であり,唯一高くなっている施設は,橋りょう・トンネルである。認定こども園・幼稚園・保育所については,八原保育所のみが該当施設であるが,有形固定資産減価償却率は24.0%と類似団体内において最小値となっている。これは,八原保育所の建築が平成22年度と比較的新しいためである。併せて,1保育所のみであるため一人当たり面積も類似団体平均値と比べて小さくなっている。公営住宅については,築18年~30年が経過し老朽化が進んでいるが,平成24年度以降大規模な改修工事を行ってきたことにより,有形固定資産減価償却率は48.7%と類似団体平均値よりも大きく下回っている。今後は,平成30年度に策定する長寿命化計画に基づき,経費の増加に留意しながら,外壁改修やバリアフリー化工事などを行うことで,さらなる建物の長寿命化及び利用環境の向上に取り組んでいく。橋りょうについては,昭和50年代に建築されたものが多く,資産形成とみなされる大規模な改修工事の本数も2本と少ないことから,有形固定資産減価償却率は59.3%と類似団体平均を上回っている。今後は,維持管理により安全性を担保し長寿命化を図るとともに,集約化・撤去なども考慮に入れながらコストの縮減に努めていく。
施設類型別ストック情報分析表②(2017年度)
施設情報の分析欄
類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は,図書館と保健センターであり,いずれも全国平均・茨城県平均を上回っている。図書館については,有形固定資産減価償却率が71.6%となっているが,これは建築が昭和60年度と古く,トイレや照明等の改修工事は行ってきたものの,建物本体にかかる大規模な改修工事を行っていないためである。令和元年度には,長寿命化計画を策定することとなっており,今後は同計画に基づいて施設の長寿命化を図っていく予定である。また,平成29年度の一人当たり面積が平成28年度と比較して0.012㎡増となっているのは,駐車場を増設したことによるものである。保健センターについては,平成29年度の有形固定資産減価償却率が65.5%となり,前年度よりもさらに類似団体との差が広がっている。これは,築35年が経過していることに加え,図書館同様,建物本体にかかる大規模な改修工事等を行っていないためである。保健センターに関しては,老朽化の問題だけでなく,法律改正等により事業が拡大している中で,健康診断時等に十分な人数を収容できないといった建物の収容能力の問題も生じている。類似団体平均と比較しても,一人当たり面積はその3分の1にも満たない状況である。これらの問題に対処するため,今後,同じく有形固定資産減価償却率の高い福祉施設(総合福祉センター)と複合化を図り,新施設を開設する予定となっており,現在の保健センターについては最小限の維持管理のみに留めることとしているため,当面の間,有形固定資産減価償却率は上がっていくことが想定される。
財務書類に関する情報①(2017年度)
1.資産・負債の状況
一般会計等においては、資産総額が前年度末から2,148百万円の減少(-2.3%)となった。金額の変動が大きいものは有形固定資産のうち事業用資産とインフラ資産であり、小中学校施設改修工事による資産の増加(289百万円)や道路改良工事による資産の増加(162百万円)を減価償却による資産の減少が上回ったこと等から有形固定資産は1,976百万円減少した。負債総額は前年度末から864百万円の減少(-2.9%)となった。金額の変動が最も大きいものは地方債であり、平成8年度臨時地方道整備事業の償還が終了したこと等により、地方債償還額が発行額を上回り、610百万円減少した。国民健康保険・公共下水道・農業集落排水・介護保険・後期高齢者医療・介護サービス事業特別会計を加えた全体では、資産総額は前年度末から1,980百万円減少(-1.9%)し、負債総額は前年度末から1,358百万円減少(-3.2%)した。資産の減少は、一般会計同様、減価償却による資産の減少によるものであり、負債についても、公共下水道事業特別会計において地方債の償還が進んだこと等から減少した。一部事務組合・広域連合・(公財)龍ヶ崎市まちづくり・文化財団を加えた連結では、資産総額は前年度末から2,333百万円減少(-1.9%)し、負債総額は前年度末から1,516百万円減少(-3.1%)した。
2.行政コストの状況
一般会計においては、経常費用は23,488百万円となり、前年度比238百万円の減少(-1.0%)となった。そのうち、人件費は4,308百万円、物件費等7,149百万円、他団体等への負担金や福祉・社会保障給付である移転費用は11,621百万円と、移転費用が最も大きくなっており、純行政コストの約5割を占めている。平成29年度においては、龍ケ崎市地方塵芥処理組合の設備改良に係る分担金の減少を主として移転費用が前年度より減少したものの、今後も移転費用の割合が高い傾向が続くことが見込まれるため、一部事務組合負担金の精査や補助金の見直し等により、経費の抑制に努める。全体では、一般会計等に比べて、下水道使用料等を使用料及び手数料に計上しているため、経常収益が1,249百万円多くなっている一方、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため、移転費用が12,077百万円多くなり、純行政コストは12,390百万円多くなっている。連結では、一般会計等に比べて、連結対象企業等の事業収益を計上し、経常収益が2,675百万円多くなっている一方、補助金等が18,589百万円多くなっているなど、経常費用が21,324百万円多くなり、純行政コストは18,648百万円多くなっている。
3.純資産変動の状況
一般会計等においては、税収等及び国県等補助金(21,264百万円)が純行政コスト(22,552百万円)を下回っており、本年度差額は1,288百万円となり、純資産残高は1,283百万円の減少となった。今後は、市税の徴収業務に引き続き力を入れると共に、補助金等の見直し等により純行政コストを抑えることで、純資産残高の増加を図る。全体では、国民健康保険事業特別会計、介護保険事業特別会計等の国民健康保険税や介護保険料が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が8,844百万円多くなっており、本年度差額は▲626百万円となり、純資産残高は622百万円の減少となった。連結では、茨城県後期高齢者医療広域連合への国県等補助金等が財源に含まれることから、一般会計等と比べて財源が19,034百万円多くなっており、本年度差額は▲902百万円となり、純資産残高は816百万円の減少となった。
4.資金収支の状況
一般会計等においては、業務活動収支は1,768百万円であったが、投資活動収支については、学校施設の整備事業等を行ったことから、▲892百万円となっている。財務活動収支については、地方債の償還額が地方債発行収入を上回ったことから、▲822百万円となった。一方で、本年度末資金残高は前年度から54百万円増加し、1,091百万円となっており、地方債の償還は進んでいるが、業務活動収支の範囲内で投資活動が行えている。全体では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれることや、下水道使用料収入があることなどから、業務活動収支は一般会計等より1,014百万円多い2,782百万円となっている。投資活動収支では、下水道のポンプ場改築事業を実施したこと等により、1,468百万円となっている。財務活動収支は、地方債の償還額が地方債発行収入を上回ったことから、▲1,326百万円となり、本年度末資金残高は前年度から11百万円減少し、1,275百万円となった。連結では、業務活動収支は一般会計等より1,171百万円多い2,939百万円となっている。投資活動収支は▲1,843百万円、財務活動収支は▲1,218百万円と、一般会計等や全体と同じ傾向となっており、本年度末資金残高は前年度から122百万円減少し、2,711百万円となった。
財務書類に関する情報②(2017年度)
1.資産の状況
住民一人当たり資産額が類似団体平均を大きく下回っているが、当団体では、道路や河川の敷地のうち、取得価額が不明であるため、備忘価額1円で評価しているものが大半を占めているためである。歳入額対資産比率については、たつのこフィールド照明塔建設事業が平成28年度に完了したことに伴う地方債の発行総額の減少により、歳入額対資産比率が0.06年増加したものの、依然として類似団体平均を下回っている。しかし、前年度と比べるとその差は縮小している。有形固定資産減価償却率は、類似団体平均とほぼ同水準となっているが、今後は類似団体平均を上回る可能性もあることから、公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設について、計画的な予防保全による長寿命化を進めていくなど、公共施設等の適正管理に努める。
2.資産と負債の比率
純資産比率は、類似団体平均と同程度であるが、地方債の償還が進み負債が減少したことから純資産が増加し、昨年度から0.2ポイント上昇している。将来世代負担比率は、類似団体平均を下回っており、さらに比率も低下傾向にある。しかしながら今後は、大型建設事業の実施により、純資産比率の低下と将来負担比率の上昇が懸念されるため、地方債の借入と償還のバランスや借入条件等を十分に検討し、将来世代の負担が過度に増加することのないよう努める。
3.行政コストの状況
住民一人当たり行政コストは、昨年度や類似団体平均と同水準となっているが、経常費用(30万円)のうち移転費用の割合が5割と高い傾向にある。今後は、一部事務組合への負担金をはじめ、補助金の見直しを行なうことで、コスト削減に努めていく。
4.負債の状況
住民一人当たり負債額は、類似団体平均を下回っており、昨年度と比較しても減少(-0.9万円)している。これは、地方債の発行額が償還額を上回ることのないよう、新規借入を抑制してきたことによるものである。しかし今後は、大型建設事業の実施により、負債額が増加することが懸念されるため、引き続き借入と償還のバランスに留意しながら財政健全化に努めていK。基礎的財政収支は投資活動収支が赤字となったものの、業務活動収支の黒字のほうが大きかったため、961百万円(前年度比+545万円)となった。投資活動収支が赤字となっているのは、地方債を発行して、地方道路等整備事業など公共施設等の必要な整備を行ったためである。
5.受益者負担の状況
受益者負担比率は類似団体平均を下回っており、行政サービス提供に対する直接的な負担の割合は比較的低くなっている。また、昨年度から経常収益が15百万円減少している。なお、類似団体平均まで受益者負担比率を引き上げるためには、仮に経常収益を一定とする場合は、3,159百万円経常費用を削減する必要があり、経常費用を一定とする場合は、144百万円経常収益を増加させる必要がある。使用料・手数料検討委員会で公共施設等の使用料等の定期的な見直しを行うとともに、公共施設等の利用回数を上げるための取組を行うなどにより、受益者負担の適正化に努める。
類似団体【Ⅱ-3】
室蘭市
千歳市
恵庭市
北広島市
石狩市
むつ市
滝沢市
塩竈市
名取市
多賀城市
富谷市
龍ケ崎市
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