経営の健全性・効率性について
令和元年度の水道事業の経営状況について、単年度収支の状況を表す「①経常収支比率」の減少や有収水量1㎥当たりの費用単価を表す「⑥給水原価」の増加に表れているとおり、単年度では赤字決算となりました。しかし、前年度までの剰余金の繰越などにより、依然として良好な経営状態を保っています。特に給水収益に対する企業債残高(借金残高)の割合を表す「④企業債残高対給水収益比率」は類似団体の平均値551.52%を大きく下回る結果となり、借金が非常に少ないことを表しています。
老朽化の状況について
水道施設としての資産全体で考えた場合、「①有形固定資産減価償却率」であらわされる通り、類似団体に比べて低い数値を保っています。この数値が高い場合、減価償却累計額の比率が高く、老朽施設が多いことを意味するため、今後注視していかなければならない指標です。一方、管路の老朽化については、「②管路経年化率」で表さあれるとおり類似団体と同様の水準となっています。管路の更新事業に力を入れることで「➂管路更新率」を上昇させ、「②管路経年化率」を抑えることができますが、多くの財源を伴うものであることから、計画的な更新を行う必要があります。
全体総括
国見町水道事業は、経営状況は良好、水道施設の老朽化はそれほど進んでいない状況です。今後も良好な経営状況を維持しつつ、計画的な施設の更新を行っていく必要があります。経営や施設以外で喫緊の課題となっているものが、全体の配水量に対する収入となった水量の割合である「⑧有収率」です。この数値が低い場合、漏水の発生により、料金徴収ができず、貴重な水資源を無駄にしている可能性が考えられます。類似団体と比べても平成28年度から悪化しており、抜本的な漏水対策が必要となっています。漏水調査の強化や配水ブロックの確立などの対策が急務となっております。