地域において担っている役割
男鹿市内で唯一の総合病院として医療の提供に努めている。また、救急告示病院、へき地医療の拠点として、24時間体制で医療ニーズに応えている。地域医療連携室を設置しており、安心して治療・ケアをうけられるよう地域の病院や診療所、施設や市町村の窓口等と連携している。
経営の健全性・効率性について
令和元年度は3年ぶりの黒字決算となった。患者1人1日当たりの収益が前年度より上回ったことで、入院・外来収益ともに前年度より僅かではあるが増加となったが、黒字収支の大きな要因は、一般会計からの繰入があったことによるものである。患者1人1日当たりの収益は、まだ類似病院平均を下回っているため、診療単価の見直し等を図り、収益の改善に取り組み、繰入金への依存の軽減を図っていく。職員給与費対医業収益比率は、前年度より下回り、類似病院平均なみである。今後も、上昇しないよう、職員配置等の調整を行っていく。高額医薬品(抗がん剤等)の需要が多かったことにより、材料費対医業収益比率は上昇し、類似病院平均を大きく上回っている。後発薬品の使用促進等材料費の削減に努めたい。
老朽化の状況について
平成10年7月の新築移転より20年以上が経過し、老朽化が進んでいるため、有形固定資産減価償却率は類似病院平均よりも高い状態にある。特に空調設備は老朽化が進んでおり、近年、修繕工事が頻繁となっている。このため、平成29年度から5ヵ年計画で優先順位をつけ、順次、改修を行っている。令和元年度は、透析センター等の空調設備の改修工事を行い、老朽化の改善を図っている。機器備品減価償却率も類似病院平均を上回っている。財政状況を医療ニーズを熟慮し、慎重に医療機器の更新を行っていきたい。
全体総括
3年ぶりの黒字決算となり、僅かではあるが累積欠損金を減らすことができたが、経営状況は良いといえる状況ではない。長期入院体制・地域包括ケア病床の充実・他の医療機関との連携を図りながら経営の安定化を目指すとともに、職員の適正な配置、後発薬品の積極的活用、業務委託の見直し等、徹底した経費の削減を図りたい。地域住民の生命と健康を守るため、地域医療の中心を担う自覚を持ち、職員一丸となって職務を行っていきたい。