男鹿市：男鹿みなと市民病院

地域において担っている役割

男鹿市内で唯一の入院機能を持った基幹病院であり、救急告示病院である。へき地医療の拠点として、24時間体制で医療ニーズに応えている。地域医療連携室を設置しており、安心して治療・ケアをうけられるよう地域の病院や診療所、施設や市町村の窓口などと連携している。

経営の健全性・効率性について

入院患者数が減少となったことから入院収益が減収となり、経常収支比率・医業収支比率は前年を下回り、累積欠損も増加している。入院患者数の減少は、眼科非常勤医師の開業に伴い、白内障手術での入院が皆減になったことが大きく影響している。また、入院患者1人1日当たり収益は、類似病院平均を大幅に下回っている。これは、重症患者・手術件数が少ないことが主な要因と考えている。質の高い医療の提供による収益の増加、病床利用率の増を目指していきたい。職員給与費は前年に比べ減となったものの、入院収益の減収により職員給与費対医業収益比率は上昇し、前年度よりも高い結果となった。職員配置等の調整を行っていく必要がある。白内障手術の皆減により、材料費対医業収益比率は減少した。

老朽化の状況について

平成10年7月の新築移転より20年が経過し、老朽化が進んでいるため、有形固定資産減価償却率は類似病院平均よりも高い状態にある。特に空調設備は老朽化が進んでおり、近年、修繕工事が頻繁となっている。このため、平成29年度から5カ年計画で優先順位をつけ、順次、抜本的な空調設備の改修を行っている。平成30年度はボイラー他熱源設備の改修工事を行い、老朽化の改善を図っている。機器備品減価償却率も類似病院平均を上回っている。財政状況と医療ニーズを熟慮し、慎重に医療機器の更新を行っていきたい。

全体総括

眼科手術の皆減により、入院患者数・入院収益が激減した。入院収益の減少を上回る費用の削減ができず、新たな累積欠損が発生することとなり、経営状況は更に悪化している。長期入院体制・地域包括ケア病床の充実を図り、他の医療機関との連携を図りながら経営の安定化を目指すとともに、職員の適正配置、後発医薬品の積極的活用など、徹底した経費の削減を図りたい。地域住民の生命と健康を守るため、地域医療の中心を担う自覚を持ち、職員一丸となって職務を行っていきたい。