男鹿市
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2012年度
2011年度
人口の推移
財政比較分析表(2021年度)
財政力
財政力指数の分析欄
人口の減少や全国平均を上回る高齢化率(令和3年7月1日時点50.2%)などにより、財政基盤が弱く、依然として類似団体平均を下回っている。今後、観光、農業・漁業など地場産業の振興や、移住・定住の促進と少子化対策の推進などを重点的取組に位置付け、市内経済の活性化に努めるとともに、市税やふるさと納税といった自主財源を確保し、比率の改善を図っていく。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
前年度と比較して、普通交付税や臨時財政対策債、地方特例交付金などで大幅な増収があり、5.2ポイント減少した。一方で、全国平均を大幅に上回る高齢化に伴う介護・高齢者福祉経費や、高い生活保護率などにより、扶助費は引き続き高い水準で推移している。市民の健康づくりによる扶助費の抑制や、第5次男鹿市行政改革大綱に基づく公共施設マネジメントの推進などにより、さらなる経常経費の削減に努める。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
類似団体平均は下回っているものの、前年度比8,461円の増となっている。これは、令和2年度に実施した教育用ICT機器の整備の完了や、同年度からの家庭用ごみ袋有料化に伴うごみ袋製造費の減により人件費・物件費等決算額は減少したものの、人口減少により1人当たりの額が大きくなったためである。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
昭和57年から7年間の無採用期間があったため、その影響で職員の年齢構成に偏りが生じ、一時的に昇格が早まるなどしたが、地域実情との均衡を保った給与水準になるよう努めたことから、類似団体平均や全国市平均を下回る水準で推移している。今後も国及び県の動向等を踏まえながら、本市の実情に合った給与水準となるよう引き続き適正化に努める。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
財政の健全性の確保のため義務的経費である人件費を抑制していく必要があり、定員管理計画に基づき適正な人員配置に努めている。人口減少により人口1,000人当たりの職員数は増加傾向にはあるが、類似団体平均は下回る水準で推移している。今後も人口減少による厳しい行財政運営となることから、第5次男鹿市行政改革大綱に基づき、業務改善と組織の効率化を進め、退職者に対する新規採用者の抑制等により職員数の適正な管理に努める。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
前年度と比較して0.2%減少した。これは、比率の分母において、主に普通交付税等の増により標準財政規模が増加したことによる。ここ数年、比率は減少傾向にあるが、令和3年度以降に教育施設の大規模改修や児童福祉施設の新設など、大規模な建設事業を複数予定しており、比率が上昇することが見込まれる。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
前年度と比較し16.1%改善し、36.6%となっている。一般会計並びに公営企業会計において、地方債発行の抑制を引き続き図ってきており、地方債残高が減少していることや、充当可能な基金の総額が増加したことが主な要因となっている。ここ数年、比率は減少傾向にあるが、今後、教育施設の大規模改修や児童福祉施設の新設など、大規模な建設事業を複数予定しており、引き続き中期財政計画の実践や公共施設マネジメントの推進により財政の健全化に努める。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2021年度)
人件費
人件費の分析欄
人件費に係る経常収支比率は18.9%となり、平成29年度以降逓減している。これは、一時的に増加していた退職手当組合負担金が減少したことや、職員数の減などが主な要因となっている。今後も、第5次男鹿市行政改革大綱に基づき、働き方や組織の見直しを実施しながら、人件費の適正化に努める。
物件費
物件費の分析欄
令和2年度からの家庭用ごみ袋有料化に伴うごみ袋製造費の減などにより、前年度比0.8ポイントの減少となった。今後も公共施設マネジメントによる施設の統廃合や一般事務費の節減に努め、さらなる物件費の抑制を図る。
扶助費
扶助費の分析欄
前年度と比較して、保育園指定管理料や灯油等購入費扶助の増などにより、0.1ポイント増の11.0%となった。今後も高齢化の進行により扶助費の増加が予想されることから、健康づくり対策事業の推進による健康寿命の延伸や、生活保護受給者への就労支援等を実施し、医療費や生活保護費の抑制を図る。
その他
その他の分析欄
その他の経費の多くは、国民健康保険特別会計や介護保険特別会計などへの繰出金となっている。本市の高齢化率は50.2%(令和3年7月1日時点)と非常に高く、今後も特別会計への繰出金が増加していくことが予想されるが、疾病予防や健康づくり事業の推進により、繰出金の増加を抑制し、普通会計の負担額を軽減するよう努める。
補助費等
補助費等の分析欄
前年度と比較して2.1ポイントの減となったが、これは、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用して実施した事業の減によるものである。類似団体平均を大きく上回っているのは、下水道事業会計や病院事業会計など、公営企業会計に対する負担金・補助金が多額になっているためである。公営企業においては、引き続き経営改善を図り、負担金・補助金に依存しない自立した運営ができるように努めていく。
公債費
公債費の分析欄
平成29年度に発行した、経営体育成基盤整備事業債や複合観光施設整備事業債の元金償還が開始したことなどにより、公債費は増となったものの、分母となる普通交付税が大きく増加したことによって、公債費にかかる経常収支比率は0.5ポイント減となった。借換えや地方債発行の抑制により公債費の削減を図ってきたものの、今後、小学校の大規模改修や児童施設の新設など、大きな建設事業を予定しており、公債費が増加することが見込まれる。
公債費以外
公債費以外の分析欄
補助費等のうち、公営企業会計への負担金・補助金が多額であるため、依然として類似団体平均を上回っているものの、前年度と比較すると人件費や補助費の比率の減などにより減少している。今後も公営企業会計における経営の健全化のほか、疾病予防事業などの各種事業の推進や、事務事業の見直しにより経費の縮減に努める。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)
議会費
労働費
消防費
諸支出金
総務費
農林水産業費
教育費
前年度繰上充用金
民生費
商工費
災害復旧費
衛生費
土木費
公債費
目的別歳出の分析欄
総務費は、住民一人当たり118,487円となっており、前年度から大きく減少した。これは、主に令和2年度に新型コロナウイルス感染症対応として、1人あたり10万円を給付した特別定額給付金給付事業の完了によるものである。民生費は、住民一人当たり238,352円となっており、前年度から増加した。これは、住民税非課税世帯や子育て世帯への臨時特別給付金や、灯油等購入費扶助などの増による。衛生費は、住民一人当たり66,006円となっており、前年度から増加した。これは、主に新型コロナウイルスワクチン接種事業の増によるものである。農林水産業費は、住民一人当たり28,833円となっており、前年度から減少した。これは、令和2年度に交付した大規模肉用牛団地整備事業費補助金の減による。教育費は、住民一人当たり49,880円となっており、前年度から増加した。これは、主に令和5年度から6年度にかけて本体工事を実施する予定の小学校大規模改修に備えた教育施設整備基金への積立によるものである。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)
人件費
補助費等
災害復旧事業費
投資及び出資金
物件費
普通建設事業費
失業対策事業費
貸付金
維持補修費
普通建設事業費(うち新規整備)
公債費
繰出金
普通建設事業費(うち更新整備)
積立金
前年度繰上充用金
性質別歳出の分析欄
歳出決算総額は、住民一人当たり703,755円となっている。扶助費は、住民一人当たり140,514円となっており、前年度から増加した。これは、住民税非課税世帯や子育て世帯への臨時特別給付金や、灯油等購入費扶助などの増による。補助費等は、住民一人当たり127,076円となっており、前年度から大幅に減少した。これは、令和2年度に給付した特別定額給付金をはじめとし、市内事業者に対する支援金や地域経済活動の回復を図るための補助金等、新型コロナウイルス感染症対応に要した各種補助等の減による。普通建設事業費は、住民一人当たり63,492円となっており、前年度から増加した。これは、庁舎大規模改修や、新たな児童施設の新設のための土地取得、小中学校空調設備設置事業などによる。繰出金は、住民一人当たり69,237円となっており、平成29年度以降逓増している。これは、高齢化により、介護保険特別会計や後期高齢者医療広域連合など、老人福祉に係る繰出しが増加していることによる。積立金は、住民一人当たり35,640円となっており、前年度から倍増した。これは、令和5年度から6年度にかけて本体工事を実施する予定の小学校大規模改修に備えた教育施設整備基金への積立や、減債基金への積立をしたことによる。
実質収支比率等に係る経年分析(2021年度)
分析欄
財政調整基金は、不測の事態に備え、標準財政規模の15%以上を確保することを目標としており、平成24年度から29年度まで減少し続けていたが事業の取捨選択等により、目標数値まで増加している。実質単年度収支は、平成29年度まで6期にわたり赤字であったが、4期連続で黒字となった。これは、歳出において、加入している退職手当組合負担金の累積赤字解消のため調整負担金の額が前年度よりも減少したことや、歳入において、地方消費税交付金やふるさと納税等の増があったことなどによる。
連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2021年度)
分析欄
一般会計は、後年度に控えた大規模建設事業に備え教育施設整備基金や減債基金の積立を行ったことや、庁舎大規模改修や防災行政無線更新などの建設事業の一般財源対応分の増などにより、前年度比率と比較すると減となっている。男鹿みなと市民病院事業会計は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、前年度に引き続き患者数が減少し、医業収支は悪化したものの、新型コロナウイルス感染症患者の受入病床を有する拠点病院として患者の受入れ等に積極的に対応したことにより、関連の国県補助金が増加した結果、医業外収益が増加し、前年度を上回る純利益の確保が図られた。下水道事業会計は、一般会計からの負担金・補助金の繰入れにより黒字となっているが、経常収益の30%以上が一般会計からの繰入れに依存している状況にあるため、経営戦略に合わせて経費の削減を図るとともに、下水道の加入促進を進め、使用料収入の増加に努めることとしている。
実質公債費比率(分子)の構造(2021年度)
分析欄
元利償還金は、平成29年度に発行した、農業農村整備事業における経営体育成事業に要した過疎対策事業債及び複合観光施設整備に要した旧合併特例事業債の元金償還が開始したことなどにより増となった。借換えや地方債発行の抑制により公債費の削減を図ってきたものの、今後、小学校の大規模改修や児童施設の新設など、大きな建設事業を予定しており、公債費が増加することが見込まれる。
分析欄:減債基金
満期一括償還の地方債を発行していないため、該当する数値なし。
将来負担比率(分子)の構造(2021年度)
分析欄
○一般会計等に係る地方債の現在高第4次男鹿市行政改革大綱に基づき地方債の発行の抑制を図っていること、また既発債の償還終了により残高は減少している。○公営企業債等繰入見込額公営企業債発行を伴う事業費が減少傾向にあることにより、繰入見込額も減少している。○充当可能基金交付金の増などにより、基金の積み増しを行うことができ、残高が増加した。○基準財政需要額算入見込額主に一般会計及び下水道事業会計に係る地方債において、発行額の減少や既発債の償還終了などにより減となっている。今後も充当可能基金残高の確保に努めるほか、地方債残高の減少に引き続き努め、将来負担の軽減を図っていく。
基金残高に係る経年分析(2021年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)男鹿駅周辺整備事業の財源として地域振興基金を3,089万円取り崩した一方、財政調整基金における決算剰余金の積立のほか、教育施設整備基金や減債基金への積立を行い、基金全体では11億700万円の増加となった。(今後の方針)基金残高は、増加傾向にあるものの、令和3年度以降に小学校の大規模改修や児童施設の新設等、大きな建設事業を予定していることから、特定目的基金や減債基金を積立てるとともに、財政調整基金においては、不測の事態に備え適正な額を確保するよう努める。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)主に、歳入において、地方交付税が増加したため残高が増加したものである。(今後の方針)不測の事態や大規模災害に備え、標準財政規模の20%程度を維持することに努める。
減債基金
減債基金
(増減理由)1億2,464万円を積み立てたことにより増加した。(今後の方針)今後予定されている大規模な建設事業に係る公債費の負担軽減のため、計画的に積み立てる。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)・地域振興基金:市民の連帯の強化及び地域振興に資する施策の推進・過疎地域持続的発展基金:住民の日常的な移動のための交通手段の確保、地域医療の確保、集落の維持及び活性化その他の住民が将来にわたり安全に安心して暮らすことのできる地域社会の実現など過疎地域の持続的発展に関する施策の推進・教育施設整備基金:市の学校施設及び社会教育施設の整備の推進・森林環境譲与税基金:森林の整備、森林の整備を担うべき人材の育成及び確保、森林の有する公益的機能に関する普及啓発、木材の利用促進その他の森林の整備の促進に関する施策の推進・企業版ふるさと納税地方創生基金:地域における就業の機会の創出、経済基盤の強化又は生活環境の整備に資する事業など、まち・ひと・しごと創生寄附活用事業に関する施策の推進(増減理由)・地域振興基金:男鹿駅周辺整備事業などに充当するため、3,094万円を取り崩したことによる減。・過疎地域持続的発展基金:過疎対策事業債を原資とし、1億691万円を積み立てたことによる増。・教育施設整備基金:令和5年度から6年度にかけて本体工事を実施する予定の小学校大規模改修に備え、2億円を積み立てたことによる増。・森林環境譲与税基金:森林環境譲与税相当額1,991万円を積み立て、森林環境譲与税活用事業の財源として1,586万円を取り崩したことにより、全体で405万円の増となった。・企業版ふるさと納税地方創生基金:令和3年12月設置。企業版ふるさと納税を原資とし、1,010万円を積み立てたことによる増。(今後の方針)・過疎地域自立促進基金:過疎対策事業債を原資として積み立て、公共施設等総合管理計画に基づく事業の財源として取崩しを予定・教育施設整備基金:将来的な統廃合に伴う小中学校の改修等に要する経費の一部に充てるため、計画的な積立を検討する・その他:将来的に想定される庁舎新築に要する経費の一部に充てるための基金の設置を検討する
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2021年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
平成29年度から30年度まで、固定資産台帳は整備されているが、施設類型別の精査が必要なため数値が算出されていない。令和3年度には庁舎大規模改修を実施したものの、昭和40・50年代に建設した公共施設の多くが耐用年数を超過し、老朽化が進んでいる。男鹿市公共施設等総合管理計画及び個別施設計画に基づき、予防保全型の維持管理による公共施設の長寿命化を図るとともに、統廃合を含めた再配置による質・量の最適化に取り組んでいく。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
債務償還比率は年々改善傾向にあり、令和2年度以降は類似団体を下回っている。改善している主な要因としては、将来負担額において、第4次男鹿市行政改革大綱に基づき、平成30年度から令和3年度にかけて地方債の発行抑制に取り組んだことにより、地方債現在高の減があったことや、充当可能財源において、財政調整基金など基金残高の増などがあったことによる。今後は、令和5年度から6年度にかけて、認定こども園建設や小学校改修など、複数の大規模な建設事業を予定していることから、将来負担額の増が見込まれる。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
将来負担比率は、類似団体平均を上回っているものの、既発債の償還終了及び地方債の発行抑制、基金残高の確保などの取組により、前年度と比較し16.1%改善している。一方、有形固定資産減価償却率の伸び率は大きく、前年度から1.2%増加した。今後は男鹿市公共施設等総合管理計画及び個別施設計画に基づき、予防保全型の維持管理による公共施設の長寿命化を図るとともに、統廃合を含めた再配置による質・量の最適化に取り組んでいく。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
将来負担比率、実質公債費比率ともに、既発債の償還終了及び地方債の新規発行抑制により、年々改善傾向にあり、両比率とも類似団体平均を上回っているものの、その差は小さくなっている。今後、認定こども園建設事業や、小中学校の統廃合に伴う建設事業など、複数の大規模な建設事業が予定されていることから、多額の地方債の新規発行及びそれに伴う地方債残高の増加が見込まれるが、引き続き、適切な地方債発行及び既往債の償還に取り組むとともに、将来人口推計等を踏まえ、事業の費用対効果を検証しながら将来負担の軽減に努める。
施設類型別ストック情報分析表①(2021年度)
道路
橋りょう・トンネル
公営住宅
港湾・漁港
認定こども園・幼稚園・保育所
学校施設
児童館
公民館
施設情報の分析欄
平成29年度から30年度の固定資産台帳は整備されているが、施設類型別の精査が必要なため数値が算出されていない。類似団体平均と比較して有形固定資産減価償却率が低いのは道路、橋りょう・トンネル及び港湾・漁港であるが、道路については、供用開始年月日が不明なものについて、昭和50・60年代に供用開始としており、実際の償却率は高い状況にあると考えられる。橋りょう・トンネルについては、平成12年に全線開通したなまはげライン上に建設した6基の橋りょうが、全体取得価格の約1/2を占めていることから低くなっている。また、漁港については、3年以内の改修工事のみ固定資産台帳に計上したことから、道路と同様に実際の償却率より低く算定されている。これらの施設においては、日常管理や定期的な調査による路面状況の把握や、ストックマネジメントの策定などにより長寿命化・ライフサイクルコスト縮減に努める。一方、認定こども園・幼稚園・保育園及び学校施設は、建設から30年以上経過したものが多く、類似団体平均を上回っている。令和5年度から6年度にかけて、認定こども園の新設事業を予定していることから、償却率が減少することが見込まれる。公営住宅は、類似団体平均を大きく上回っているが、これは昭和40年~50年代に建築された住宅が多いことが要因となっている。今後は住宅需要の動向等を見極めながら、住宅マスタープランに基づく住宅の建替えや用途廃止について検討していく。公民館についても、建設から30年以上経過した施設が多いため類似団体平均と比較して高い水準にある。今後は施設の利用状況等を踏まえ、集約化について検討していく。
施設類型別ストック情報分析表②(2021年度)
図書館
体育館・プール
福祉施設
市民会館
一般廃棄物処理施設
保健センター・保健所
消防施設
庁舎
施設情報の分析欄
平成29年度から30年度の固定資産台帳は整備されているが、施設類型別の精査が必要なため数値が算出されていない。図書館は市内に1施設のみで、建設から40年以上経過しているため、類似団体平均と比較して償却率が非常に高くなっている。一般廃棄物処理施設については、令和3年度に最終処分場の設備を更新したことにより、前年度から大幅に減少し、類似団体平均を下回る57.3%となった。体育館・プールは、平成17年に建設した総合体育館が含まれているため、類似団体平均を若干下回っているものの、建設から3、40年以上経過した体育館等が多く老朽化が進んでいる。福祉施設は、71.7%と類似団体平均を上回っており、昭和50年代に建設された老人憩いの家などが比率を引き上げる要因となっている。消防施設についても94.1%と高い数値になっており、昭和30年代から平成初期に建設された消防器具置場が約50施設あることから、比率を引き上げる要因となっている。市民会館は78.9%となっており、コミュニティセンターや文化会館が建設から約40年経過して老朽化が進んだことが、比率を引き上げる要因となっている。庁舎については、令和2年度から4年度にかけて実施した本庁舎改修により、前年度から減少したものの、本庁舎建設後約50年が経過していることから、依然として類似団体平均を上回っている。今後も各施設において、男鹿市公共施設等総合管理計画及び個別施設計画に基づき、施設の予防保全管理による公共施設の長寿命化等を図り、計画的な維持管理に努めるとともに、より効果的・効率的な市民サービスを提供できるよう、新設や統廃合、集約化・複合化、解体など、適切な施設の整備に努める。
財務書類に関する情報①(2021年度)
資産合計
負債合計
1.資産・負債の状況
一般会計等においては、資産総額が前年度末から1,004百万円の減少(△1.3%)となった。金額の変動が大きいものはインフラ資産(固定資産)であり、公共施設等の老朽化による減価償却累計額が増加していることが主な要因となっている。一方、基金(投資その他の資産)においては、令和5年度から6年度にかけて予定している小学校の大規模改修に向けた積立などにより、416百万円の増加となった。負債総額は前年度末から135百万円の減少(△0.9%)となった。金額の変動が最も大きいものは地方債であり、第4次男鹿市行政改革大綱に基づき、平成30年度から令和3年度にかけて地方債単年度発行額の抑制に取り組んだことや、償還が進んだことから減少した。今後、小学校の改修や子ども園新設などの大規模な建設事業の財源として地方債の発行を予定していることから、令和5年度から6年度にかけて一時的に負債が増加するものの、その後は再び減少すると見込まれる。全体の資産総額は前年度末から2,243百万円減少(△2.1%)し、負債総額は前年度末から803百万円減少(△1.9%)した。資産総額には、特別会計の現金預金や未収金、公営企業会計の有形固定資産などを計上しており、一般会計等と比較し29,307百万円多く、負債総額では25,689百万円多くなっている。これは主に下水道事業や病院事業などの公営企業会計におけるインフラ資産及び未償還企業債によるものである。
純経常行政コスト
純行政コスト
2.行政コストの状況
一般会計等においては、経常費用は17,103百万円となり、前年度より1,680百万円の減少(△8.9%)となった。減少の主な要因は、令和2年度特別定額給付金給付事業の終了に伴う皆減によるものである。一方、業務費用のうち物件費においては、新型コロナウイルスワクチン接種事業や総合行政情報システム更新などの増により、301百万円の増となり、純行政コストの38.4%を占めている。同項目や減価償却費、維持補修費を含む物件費等は、最も金額が大きいことから、施設の集約化に着手するなど、公共施設等の適正管理による経費の縮減に努める。また、移転費用においては、他会計への繰出金(4,071百万円)が多く、下水道事業会計や男鹿みなと市民病院事業会計などの公営企業会計に対する負担金・補助金が経常費用を引き上げる要因となっているが、経営状況から短期間で負担金・補助金を減少させることは難しく、今後も同様の傾向が続くと考えられる。全体の経常費用では、病院事業における医師や看護師などを含む人件費、ガス事業におけるガス製造費などを計上しており、純経常行政コストでは一般会計と比較し、8,138百万円多くなっている。連結の経常費用では、秋田県後期高齢者広域連合の補助金等が計上されており、全体の純経常行政コストと比較し、4,805百万円多くなっている
本年度差額
本年度末純資産残高
本年度純資産変動額
3.純資産変動の状況
一般会計等においては、税収等の財源(15,879百万円)が純行政コスト(16,772百万円)を下回っており、本年度差額は△893百万円となり、純資産残高は870百万円の減少となった。前年度と比較して、純行政コストは1,639百万円減少(▲8.9%)したものの、総合行政情報システム更新事業などの財源を伴わない費用が生じたため、本年度差額の赤字幅は315百万円拡大した。純行政コストが税収等の財源を上回る状況が続いているが、公営企業会計に対する負担金や生活保護費などの社会保障給付、公共施設の老朽化による減価償却費などが経常費用に占める割合が高いことなどが主な要因となっている。今後も公営企業会計における経営の健全化に努めるほか、男鹿市公共施設等総合管理計画に基づき、施設の長寿命化や統廃合を実施していく。また、高齢化の進行により社会保障給付の増加が予想されるため、疾病予防事業や健康づくり対策事業など各種事業を推進し、純行政コストの縮減に努める。全体では、国民健康保険特別会計や介護保険特別会計における保険料を税収等へ計上しており、一般会計等の純資産残高と比較し3,618百万円多くなっている。連結では、秋田県後期高齢者広域医療連合の国県等補助金が含まれており、全体の純資産残高と比較し1,234百万円多くなっている。
業務活動収支
投資活動収支
財務活動収支
4.資金収支の状況
一般会計等においては、業務活動収支について前年度と大きな変動はなく、投資活動収支について、庁舎大規模改修事業や防災行政無線整備事業を実施したことや、教育施設整備のための基金積立を行ったことなどにより、前年度から1,176百万円減少(△115.5%)した。また、財務活動収支は、同工事に係る地方債の発行や、臨時財政対策債の増などにより、462百万円増加(+75.2%)した。今後、小学校の改修や子ども園の建設など大規模な建設事業を複数予定しており、地方債の発行が見込まれることから、特に令和5年度から6年度にかけて、財務活動収入が増加することが予想される。全体について、業務活動収支では男鹿みなと市民病院事業会計における医業収益や、上水道事業会計における水道使用料などを計上しており、一般会計等と比較し、279百万円多い2,290百万円となっている。また、投資活動収支では上水道事業会計における配水管布設替工事やガス事業会計におけるガス管布設替エ事などにより、△2,399百万円となった。財務活動収支は、地方債の償還が地方債発行収入を上回ったことから、△570百万円となっている。連結について、業務活動収支では株式会社おが地域振興公社における営業収益などが含まれており、全体と比較し128百万円多い2,418百万円となっている。
財務書類に関する情報②(2021年度)
①住民一人当たり資産額(万円)
②歳入額対資産比率(年)
③有形固定資産減価償却率(%)
1.資産の状況
住民一人当たり資産額及び歳入額対資産比率においては、類似団体平均値を上回っているが、これは、人口や歳入規模に対し、保有する公共施設が多く管理する道路延長が長いことが主な要因と思われる。歳入額対資産比率については、前年度と比較して新型コロナウイルス感染症対策に係る国庫補助金の減などにより、歳入総額が大幅に減少したことから、0.22年増加した。また、有形固定資産減価償却率が類似団体平均を下回っているものの、供用開始日が不明な道路について、供用開始日を昭和50・60年代にかけて設定していることが影響していると考えられ、実際の償却率は高い状況にあると考えられる。加えて、道路を除く公共施設においても、全体的に老朽化が進んでいる状況である。今後は男鹿市公共施設等総合管理計画に基づく公共施設等の長寿命化や、統廃合を実施していく。
④純資産比率(%)
⑤将来世代負担比率(%)
2.資産と負債の比率
純資産比率においては、前年度と比較して純資産と資産合計の減少幅が同程度だったことからほぼ横ばいで推移したが、将来世代負担比率においては、0.3%増加した。これは、庁舎大規模改修事業や児童福祉施設整備事業などにより、特例地方債を除いた地方債の発行額が前年度より増加したためである。新設や改修を実施する施設はあるものの、市全体では公共施設の老朽化が進んでいることから、男鹿市公共施設等総合管理計画に基づき、施設の長寿命化や統廃合について実施していK。純資産残高は、純行政コストが税収等の財源を上回ったことなどから、前年度末と比較し870百万円減少している。今後も健康づくり対策事業などの推進や、公営企業会計の経営健全化に努め、行政コストの縮減を図る。
⑥住民一人当たり行政コスト(万円)
3.行政コストの状況
住民一人当たり行政コストは、主に令和2年度給付した特別定額給付金の減により、前年度から4.4万円減少したものの、類似団体平均を上回った。これは、分母となる人口が減っていることに加え、高齢化による社会保障給付の増加や、補助金等のうち、公営企業会計に対する負担金・補助金が多額になっていることによる。今後も高齢化の進行などにより、純行政コストの増加が予想されることから、疾病予防事業などを推進するほか、公営企業会計においては一般会計に依存しない健全な経営に努める。
⑦住民一人当たり負債額(万円)
⑧基礎的財政収支(百万円)
4.負債の状況
⑨受益者負担比率(%)
5.受益者負担の状況
経常収益、経常費用ともに同水準で減少したことから、受益者負担比率は前年度並みとなり、依然として受益者負担比率は類似団体平均を下回っている。今後も高齢化の進行、公共施設の老朽化等による経常費用の高止まり傾向が避けられないことから、男鹿市公共施設等総合管理計画に基づく施設の長寿命化や統廃合を進めるほか、疾病予防事業や健康づくり対策事業などを推進する。