地域において担っている役割
宮城県が策定した「地域医療構想連携プラン(以下「連携プラン」という。)に沿って、みやぎ県南中核病院と分担、連携し、「宮城県地域医療計画」に基づいて、回復期医療、慢性期医療を中心とした地域医療ニーズ応えるとともに、公立病院の使命として、仙南地域での救急医療等の政策医療(不採算医療)も担っております。
経営の健全性・効率性について
公的病院の宿命的経営難に加え、新型コロナウイルス患者の受け入れ当たり、当院では感染拡大防止の観点から、感染症患者受入のために当該病棟に含まれる一般病床(全60床うち52床)について入院の制限をしたことによる利用率減が大きな減収の要因となっており経常収支比率及び医業収支比率に表れております。令和3年度で許可病床数を199床へと減床する過渡期にあり職員給与費対医業収益比率も高いものとなっております。入院患者1人1日当たりの収益単価が平均を下回っているのは、急性期一般病床の他に地域包括ケア病棟(48床)、回復期リハビリテーション病棟(51床)と合わせて運用しているため1人当りの収益が平均より減少しております。材料費対医業収益比率については平均を大きく下回っており効率的な物品管理がされています。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率、器械備品減価償却率ともに増加傾向にあり、類似病院と比較しても高い値となっています。多くの医療機器について耐用年数を超えて運用しており、築20年による経年劣化もあり、今後もさらに施設や器械の老朽化に対応して、計画的な設備・機器の更新を行う必要があります。1床当り有形固定資産の令和2年度での急激な増加は、令和2年度より病床を308床から262床と減床したことによる影響が主たる理由です。
全体総括
連携プランの実施により、病床数の縮減、同意退職制度を創設しての人員削減等、様々な経営改革を実施しましたが、令和元年度末頃からの新型コロナウイルス感染症の影響も甚大であり、効果が結果に反映されていない状況です。引き続き連携プランに基づき、みやぎ県南中核病院との更なる連携と機能分化を図るとともに、抜本的な経営改善に向け公設民営(指定管理)検討するなど持続可能な医療提供体制の構築に努めます。