地域において担っている役割
仙南医療圏において、(救急・災害)不採算に関わる医療、また急性期機能/回復期機能/健診事業/透析医療を継続して提供する。
経営の健全性・効率性について
平成28年に開設した地域包括ケア病棟の活用による入院患者数・収益単価の向上が医業収益を増やす一方で、計画していた職員数(特に医師)を確保できず給与費を大きく下げた。また材料費の削減が継続してできたことが医業収支比率の数値を引き上げる要因となり、経常収支比率も医業収支比率に引きつられて上昇している。常勤医が不足するなかで全国・類似病院と比べて医師一人あたりの入院患者数が6.3人/日、医師一人あたりの診療収益が373,317円/日と値が高い状況であり、現在いる医師の負担が大きくなっている。常勤医の増員が医師の負担軽減となる。※H28年度全国平均/類似平均医師1人1日当たり入院患者数4.4人/4.6人医師1人1日当たり診療収入292,021円/309,665円
老朽化の状況について
平成29年度以降、医療機器等の購入に関する基準を策定し、新規資産の購入をできるだけ控え、修理(修繕)用の部品調達が困難な資産についてのみ更新することとしている。このため、耐用年数が到来した資産でも、使用できるものは継続使用していることから、資産原価償却率を上昇させている結果となっている。将来において、費用対効果の観点から、資産修繕または更新を見極めながら、施設の老朽化対策を行うことを念頭に置き、計画的に実施していくことが必要と考えられる。
全体総括
全体的に全国・類似病院の平均値と見比べると見劣りしているが、職員給与費対医業収益比率のとおり職員が不足している状況下で収益を向上したことは、病院職員全体の頑張りがあっての結果である。しかしながら病床利用率は70%未満が続き、入院患者の確保が難航している。医療需要に反して受入れ困難な診療科を解消するために対応する常勤医師の増員が重要となっている。今後新公立病院改革プランにもとづき採用計画を実施するとともに、引き続きコスト管理および収益改善の余地を模索し経営改善を進める。