地域において担っている役割
都道府県がん診療連携拠点病院として,(イ)がん患者の状態に応じた適切な治療の提供(ロ)がん予防に関する県民への啓発(ハ)東北大学病院との機能分担による「全県的がん診療体制」の構築(ニ)がん患者の療養生活における質的向上(ホ)がん研究の促進と研究成果の応用等に取り組み,県民に必要な医療・情報を提供するという役割を担っている。
経営の健全性・効率性について
令和3年度においては,新型コロナウイルスの影響を受け,病床利用率は依然減少している状況であり,医業収支比率も悪化している。一方で,経常収支比率は,前年と比べ改善しており,これは,新型コロナウイルス感染症患者の受入に関する補助金等の影響と考えられる。患者単価は入院・外来ともに平均値を上回っており,特に外来単価は化学療法による治療等により高い水準となっている。材料費比率は,主に外来での化学療法に伴う薬剤や高額薬剤の使用により平均値を上回っている。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率が平均値を上回っている。病院の建設から28年が経過し建物の老朽化が進んでいるが,病院機能の維持のため,現状回復の修繕工事を適宜行っている状況である。器械備品についても減価償却率が平均値を上回っており,耐用年数を過ぎた機器も多く存在するので,費用対効果を意識しながら計画的な更新が必要となる。1床当たりの有形固定資産の金額は平均を大きく下回っている。
全体総括
令和3年度においても新型コロナウイルスの影響が続いている状況であり,入院に関しては,患者数が依然減少状態である。外来では化学療法による治療に伴い,患者単価が高い水準となっているが,それに伴い材料費の比率も高くなっている。経常収支比率・医業収支比率を改善させるため,患者を確保し収益の増加につなげていくとともに費用を削減していく必要がある。また,建物・器械備品等の有形固定資産の老朽化が進んでいることから,診療に支障がないように最低限の修繕・更新を費用の削減と両立して行っていく必要がある。