地域において担っている役割
消化器系を中心に救急患者の受け入れをはじめとする急性期から回復期医療及びレスパイト入院まで幅広く対応しています。更に、在宅療養支援病院の認定を受け、訪問診療や訪問看護、訪問リハビリテーションなどの在宅医療を提供するなど、離島である浦戸諸島を含めた地域における地域包括ケアシステムの中心的な役割を担っています。
経営の健全性・効率性について
収益の効率性としては③病床利用率が類似病院平均値及び全国平均を上回っています。⑤入院患者1人1日当たり収益についても、類似病院平均値に近い水準であり単価が前年より624円増加しています。費用においては⑦職員給与比対医業収益比率で類似病院と同程度の水準ですが、効率性を追求し⑧材料費対医業収益比率を類似病院平均値及び全国平均より低水準に維持しています。その結果①経常収支比率については100%を超え、②の医業収支比率についても類似病院平均値及び全国平均を上回っているなど、一定水準の経営の健全性・効率性を確保しています。
老朽化の状況について
②器械備品減価償却率は更新が進み類似病院平均値並びに全国平均に近い水準に改善してきました。しかし、①有形固定資産減価償却率が類似病院平均値及び全国平均を大きく上回っています。これは、建物の更新が進まないことが主因となっており、類似病院及び全国と比較して、施設の老朽化が著しく進行した状況となっています。一方で、③1床当たり有形固定資産額においては類似病院平均値並びに全国平均を大きく下回っており、必要最小限の施設・資産での事業運営を行っています。
全体総括
地域医療構想を踏まえた病床機能転換、病棟再編により、今後地域で必要とされる地域包括ケア病棟の拡充を図り、地域の公立病院としての役割を明確化しました。結果経営の健全性・効率性についても一定の成果を上げることができました。一方、施設の老朽化が深刻化していることから、安全・安心な医療の提供に向けての対策の検討が必要な時期に差し掛かってきているのが今後の課題となっております。今後は、令和5年度に策定する塩竈市立病院経営強化プランに一層の経営の健全化と施設の老朽化対策を盛り込み、プランに沿った事業運営を行い地域の公立病院として期待される役割を積極的に担います。