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再生可能エネルギー事業に係る税収の増等により近年上昇傾向にあるが、人口減少や全国平均を大きく上回る高齢化率(平成29年度末38.0%)に加え、町内に中心となる産業がないことなどにより財政基盤が弱く、類似団体平均値を下回っている。組織の見直しや計画的な定員管理等により行政の効率化に努めたが、今後も軽米町総合発展計画や軽米町人口ビジョン・総合戦略に沿った施策の推進による活力ある町づくりを進めるとともに、企業誘致等による雇用の創出を図ることにより財政基盤の強化に努める。
支出の内訳を見ると、公債費や補助費等については類似団体平均を下回っているものの、人件費や物件費が平均を上回っている。地方税収入及び臨時財政対策債の増により分母である経常一般財源総額等が前年度比1.34%の増となったが、公債費の増加等により経常充当一般財源が前年度比1.41%の増となったことから、経常収支比率は前年度比0.1ポイント増の88.7%となった。今後は、適正な人員配置と行政改革を推進するとともに、事業の選択等により公債費の増加を抑制するなど経常経費の削減に努める。
人件費については、給与水準は類似団体より低いものの、町内の全ての保育園が公立であることなどから、民生関係の人件費が類似団体平均を上回っている。物件費については、全体では消防費に係るものが類似団体平均を上回っており、また委託料においては小中学校の統廃合に伴うスクールバス運行業務等に係る経費等により教育費に係るものが高くなっている。人件費及び物件費とも類似団体平均を下回っているが、今後も行政改革大綱及び定員適正化計画等に基づき、適正な人員配置と経費の削減に努める。
類似団体に比較して職員数が多く、人件費が平均を上回っていたことから、その抑制に努めてきた結果、ラスパイレス指数は類似団体を下回っている。給与水準については、今後も総人件費と財政規模等の状況や類似団体とのバランス等を考慮しながら対応する。(※公表前につき、前年度数値を引用)
昭和63年度に第1次軽米町定員適正化計画を策定し、その後5年ごとに見直しを行っている。第4次計画においては平成15年の198人から7年間で42人を削減、第5次計画では27年度までの5年間で19人を削減するなど定員の適正化に努めてきた。人口千人あたりの職員数は類似団体平均を下回っているが、今後も業務内容や業務量等を総合的に判断し計画的な採用を行いながら職員の適正配置に努める。
過去からの起債抑制策により減少傾向にあったが、軽米小学校建設事業に係る償還が始まったこともあり単年度比率は増加している。また、今後も老人福祉施設整備事業や交流駅整備事業などを計画していることから、事業の選択と計画的な地方債の発行等により、引き続き実質公債費比率16%以下の水準を目途とし、類似団体を大きく上回ることがないように努める。
平成26年度までは改善傾向にあったが、27年度は組合負担等見込額の増加により72.6%(前年度比4.1ポイント増)、28年度は財政調整基金の取り崩しなどによる充当可能財源の減等により83.5%(同10.9ポイント増)、29年度はデジタル防災行政無線整備事業に係る緊急防災減災事業債の増等により87.0%(同3.5ポイント増)となった。早期健全化基準の350.0%は大きく下回っているが、類似団体平均を上回っている状況にあることから、将来負担のうち大きな割合を占める普通会計の地方債残高や今後増加が見込まれる公営企業地方債に対する繰出に留意し、計画的な借入の実施により将来負担の抑制に努める。
昭和63年度に第1次軽米町定員適正化計画を策定し、その後5年ごとに見直しを行いながら定員の適正化に努め、また給料の独自削減(平成18、19年度)や職員手当、特別職報酬の見直しを行うなど人件費の抑制に努めてきたが、職員の高年齢化などにより、類似団体の平均を上回っている。今後も定員適正化計画に基づく職員の適正配置や組織の見直し、事業の民間委託等を進め、人件費の低減に努める。
行政改革により経費節減に努めているが、経常収支比率は前年度と比較し0.8ポイント増の17.7%となり、類似団体平均と比較して3.4ポイント高くなっている。小中学校の統廃合に伴うスクールバスの運行などにより教育費の委託料等が類似団体に比較して高いほか、目的別では土木費や消防費が比較的高くなっている。集落が広範囲に点在していることから道路整備等に係る土木費や消防経費が嵩むことなどが要因である。今後も物件費の抑制のため、行政改革の更なる推進に努める。
常設保育園の新設に伴う保育所運営事業費の増により平成27年度に増加したが、29年度においては保育園児の送迎委託料の減や老人保護措置費の減などにより、前年度比-0.9ポイントの5.2%となった。高齢化等の進行に伴う扶助費の増加が予想されることから、各種制度の見直しを検討するなど、効果的な事業運営に努める。
経常収支比率は前年度と比較し-0.4ポイント減の10.4%で、類似団体平均と比較すると1.8ポイント低くなった。繰出金は前年度と比較し2,296千円(0.6%)の増となったが、施設の修繕等に係る維持補修費が-16,388千円(-20.6%)減少したことが主な要因である。他会計においても、歳入の確保と経費節減を進め繰出金等の抑制に努める。
平成29年度の経常収支比率は前年度と比較し-0.2ポイント減の12.8%となった。類似団体平均を1.2ポイント下回っているが、今後も町単独補助金等の見直しを行うなど、効果的な補助金の交付に努める。
学校の統廃合に伴う軽米小学校建設事業を含む過疎対策事業債の元金償還が始まったことにより、平成29年度は前年度比1.3ポイント増の18.3%となった。類似団体平均と比較すると0.5ポイント低くなっているが、今後もデジタル防災行政無線整備事業等に係る元金償還金が増加する見込であることから、事業の選択や事業内容の精査等により地方債発行額の抑制に努める。
経営収支比率における公債費以外の割合は、類似団体と比較して高い状況にある。適正な人員配置による人件費の削減、行政改革の推進による物件費の削減等を進めるなど、各種経費を抑制していく必要がある。
(増減理由)平成29年度末における残高は1,838百万円で27年度末と比較すると-470百万円の減となった。主な要因は財源不足に伴う財政調整基金の取崩しと、かるまい交流駅(仮称)整備事業に係る財源として28年度及び29年度にふるさとづくり振興基金を取崩したことによる。(今後の方針)今後も公共施設の更新事業等に多額の費用を要し財源不足が生じる可能性が高く、財政調整基金等の取崩しにより対応していく予定であり、基金残高は減少していく見込である。
(増減理由)平成27年度までは基金の取崩しが必要がなく残高は1,650百万円まで増加したが、28年度において台風災害に係る臨時財政需要に対応するため466百万円の取り崩しを行い、29年度も208百万円の取崩しを行ったことから、29年度末残高は1,254百万円となった。(今後の方針)災害等の特殊事情に対応するため、過去の実績等に基づき必要額を積み立てることとするが、公共施設の更新事業等の実施にあたり基金の取崩しが必要となる予定であり、基金残高は今後減少していく見込である。
(増減理由)林道整備事業に係る公債費の償還に充てるため、年間約3百万円の取崩しを行っており、平成27年度末で56百万円だった残高は、29年度末に50千円となった。(今後の方針)現在基金取崩しの要因となっている林道整備事業に係る地方債の償還は30年度で終了することとなる。地方債償還額は今後も増加が見込まれていることから、減債基金の活用について検討していく。
(基金の使途)・ふるさとづくり振興基金:ふるさと創生事業に係る交付金の一部を積み立てたもので、地域づくり事業等に充てるものである。・地域福祉振興基金:総合的な地域福祉振興に要する経費に充てるものである。・ふるさと支援基金:ふるさと納税寄附金の積立により、寄附者の社会的投資を具体化するための事業に充てるものである。(増減理由)・ふるさとづくり振興基金:かるまい交流駅(仮称)整備事業に充当するため平成28年度に49百万円、29年度に41百万円の取崩しを行ったことから、29年度末残高は318百万円に減少した。・ふるさと支援基金:ふるさと納税寄附金の増により28年度末残高は18百万円となった。29年度においては9百万円の取り崩しにより各種事業に充当したが、ふるさと納税寄附金18百万円を積み立てたことにより年度末残高は27百万円となった。(今後の方針)・ふるさとづくり振興金:かるまい交流駅(仮称)整備事業等に充てる予定であり、今後減少する見込である。・ふるさと支援基金:近年ふるさと納税寄付金収入が増加傾向にある。ふるさと納税寄附金はその全額を基金に積み立てるが、前年度末残高のうち10百万円程度を残して取崩しを行い、各種町づくり事業に活用していく予定である。
有形固定資産減価償却率は54.6%となり、類似団体と比較すると低い水準となっている。計画的な道路整備や学校施設整備を進めてきたことなどで低い水準となっているが、図書館、公民館施設や公営住宅の老朽化対策が急務となっており、今後、公共施設等に係る個別施設計画を策定し集約化・複合化等を含め計画的な施設の更新や除却、維持管理を進めていく必要がある。
地方債の発行による学校施設や保育施設の更新等を進めてきたこともあり将来負担比率は87.0%と類似団体を上回ったが、有形固定資産減価償却率は54.6%と類似団体を下回る結果となった。将来負担比率は増加傾向にあるが、有形固定資産償却率の高い図書館、公民館施設や公営住宅の更新も進めていく必要があることから、公共施設等総合管理計画及び今後策定予定の個別施設計画に基づき、限られた財源のなかで適正な老朽化対策に取り組んでいくこととなる。
小学校の統廃合等による校舎建設事業や、防災行政無線のデジタル化に伴う緊急防災減災事業債などの発行により、近年地方債残高は増加傾向にある。地方交付税措置のある地方債を中心に借入を行っているが、実質公債費比率については類似団体と概ね同水準、将来負担比率については高い水準となっている。今後も図書館、公民館等の複合施設の建設に係る地方債の発行を予定していることから、財源の確保や事業の選択等により地方債発行額を抑え、公債費の適正化に取り組んでいく必要がある。
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