矢巾町:公共下水道

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収集されたデータの年度

2020年度 2019年度 2018年度 2016年度 2014年度

経営比較分析表(2020年度)

経営の健全性・効率性について

経常損益の割合を示す指標である経常収支比率は126.59%となり、類似団体の平均を上回り健全経営を維持している。短期債務の返済能力を示す流動比率は289.69%と類似団体の平均を大きく上回っている。岩手医科大学附属病院の開院や流通センター地区の統合に伴い、昨年度に引き続き使用料収入が増加したことに加え、未払金が大きく減少したことで分母が減少し、比率としては大きな変化になったものと考えられる。水洗化率向上のために企業債を財源とする工事を行ってきたため、水洗化率は96.32%と平均値を上回っているが、それにより企業債残高対事業規模比率は826.45%と多額に上っている。しかし平成30年度に事業概成したことから新規起債額が減少しており、今後は長寿命化等の更新投資が主となることから、しばらく減少傾向が続くと見込まれる。使用料で回収すべき経費を使用料収入でどの程度賄えているかを示す経費回収率は154.15%と類似団体の平均と比べても高い数値となっている。汚水1㎥あたりにかかる処理費用を示す汚水処理原価は107.82円と類似団体を大きく下回っている。これは流域下水道の安価な処理単価に支えられているが、今後は維持管理負担金の増額が見込まれていることから、予断を許さない状況にある。以上の結果を見ると一定程度安定した経営状態ではあるものの、農業集落排水事業との関連から、当面の間は厳しい経営となることが見込まれる。

老朽化の状況について

令和元年度において耐用年数を経過した管渠はないが、有形固定資産減価償却率は18.55%と類似団体平均程度となっている。類似団体が大幅に低下しているが、これは法適化が進んだことによるものと推測される。令和元年度に移管された流通センター地区における管渠は経営指標にその実態が反映されにくいことから、比率以上に老朽化が進んでいるものと想定し、計画的な更新を行っていくことが必要である。

全体総括

岩手医科大学附属病院の開院や流通センター地区の統合により、汚水使用量が増加したが、増加は一時的なものであり今後は減少が見込まれる。現在、これまでの投資に伴う多額の企業債が経営を圧迫している。また、老朽化が進んでいる流通センター地区について、長寿命化などの投資が必要となることから、さらに経営を圧迫すると考えられる。公共下水道事業としては黒字となっているが、一般会計からの繰入金によるところも大きく、今後管渠の更新時期を迎えるにあたり、更なる業務改善と計画的な投資が必要である。

類似団体【Cc1】

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