経営の健全性・効率性について
効率的且つ一体的な運用等による経営基盤の強化及び経営の透明性確保の観点から、既存の上水道事業(法適用)と簡易水道事業(法非適用)の経営統合を行い、法適用の簡易水道事業を新設し、これに伴い、会計処理の一元化、組織改革及び各種業務の統一化に至った。また、町村合併当時から旧町村毎の料金表が存続されていたため、その是正・統一及び昨今の消費税率引き上げに適切に対処すべく、類似団体に比し、比較的高水準となる料金統一改定を行い、経営に健全化に努めているところである。経営比較分析表によると、外ヶ浜町簡易水道事業の指標はほぼ全国平均又は類似団体平均値程度と言えるが、企業債残高対給水収益比率が高く、流動比率及び有収率が低い結果となっている。要因は経営規模を上回る企業債残高を有し、その元金償還額が多額であること及び水道施設又は水道利用者の漏水等が考えられる。漏水対策は漏水箇所の早期発見及び水道利用者への周知徹底を行うとともに、計量法に基づき、定期的な量水器の取替を実施することとする。また、企業債現在高については、今後実施予定の更新投資規模を見直し、投資規模及び新発企業債の抑制に努め、企業債現在高を圧縮することとする。具体的には現有施設の在り方を再考し、経営規模に見合った施設・設備の再編統合を進め、水資源の有効活用による不用施設の廃止等により維持管理費の軽減を図り、将来の投資財源を確保するとともに、施設有効率の向上に努めることとする。
老朽化の状況について
町村合併により拡大した給水区域内の管路更新については、平成26年度を以て終了した。管路経年化率は0%であるものの、有形固定資産減価償却率は全国平均及び類似団体平均値を上回る41.04%と資産の老朽化が進み、法定耐用年数に徐々に近づいている。給水人口の減少による給水収益の減少が避けられない状況で、今後、必要最小限の更新投資を行う場合、過大となっている現有施設・設備の再編統合を行い、給水人口及び経営規模に見合った規模へ縮小し、施設維持管理費軽減による投資財源確保及び更新投資の抑制による企業債残高の圧縮を図り、安全且つ安定した水道水の供給体制及び経営基盤を構築しなければならない。
全体総括
給水人口減少による給水収益が減少する中、中・長期的に維持可能となる経営基盤を構築するため、水道事業の経営統合、料金統一改定、機構改革及び業務統一・一元化等、可能な限りの経営改善策を施してきた。しかしながら、給水人口の減少により、現有施設が過大施設であることが明確になった昨今、施設稼働率低下に反比例し老朽化による修繕費が増加傾向にあるほか、給水収益の約10倍に相当する企業債残高に係る償還費及び過去のインフラ投資に係る有形固定資産減価償却費の高止まり等、高資本費体質から脱却できない状況にある。今後の給水人口の減少を踏まえ、水需要量に応じ現有施設の整理合理化による施設規模縮小により、将来の投資規模を抑制するとともに経営及び施設稼働の効率化向上を図り、維持管理費の軽減等による将来の更新投資財源確保等、経営基盤の強化に努めることとする。