経営の健全性・効率性について
当市の漁業集落排水処理施設事業は、脇野沢寄浪・蛸田地区と九艘泊地区の漁業集落環境保全を目的とし平成12年度に供用開始している。近年、処理区域内人口は減少し続けており、人口減による処理水量の減小により、収益的収支比率及び施設利用率は低下傾向にある。また、経費回収率や汚水処理原価はほぼ横ばいであるものの、類似団体平均値と比較するとかなり劣位にあり、経営の健全性・効率性は低い状況であると言わざるを得ない。水洗化率は70%を超え、類似団体平均値とほぼ同程度であるが、更なる水洗化率の向上だけで経営改善を図ることは困難な状況である。
老朽化の状況について
当市の漁業集落排水処理施設事業は、平成12年度供用開始しているが、供用開始からの年数が浅く、各処理場施設や管渠自体の老朽化による更新はまだ行っていない。しかしながら、将来の更新を見据え、長寿命化対策や計画的な施設・機器更新を行うために、ストックマネジメント計画を策定する予定である。
全体総括
平成17年3月の市町村合併以降、各処理区毎にバラバラの料金設定であった使用料単価について、平成29年度より段階的に改定し、平成31年度に統一使用料とする予定であり、使用料収入を増収し安定した経営基盤を図ることとする。当事業の特性上経営健全化を図りにくいという背景はあるものの、上記使用料改定による増収は一時的なもので抜本的な解決には至らず、現状の経営状況を打開するほどの施策を講じることは難しいことから、将来的に事業継続を含めた検討を要すると思われる。